Neetel Inside ニートノベル
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「手札よりヒール発動」
「傷が……」
 痛みはほとんど消えて、傷が治った。
「ありがとうございます、あのぅ……美札さん、あなたは一体?」
「もうすぐ夜が明けるし学校もあるでしょ? だから、その話はまた今度……ね?」
 確かに言われてみると、商店街も太陽の日差しで明るくなり始めてきている。
体よくかわされた気がするけど、また今度って言ってくれたしね。
「はい、これあげる」
 美札さんはさっき買ったブラックコーヒーを私に渡す。
「授業中に眠たくならないようにね。ブラックは大丈夫?」
「あ、はい、大丈夫です、ありがとうございます」
「ちょっとぬるくなっちゃたかな……あぁ、そういえばまだ名前を聞いてなかった。いいかな?」
 ほんのり暖かい缶コーヒーを握り締め、元気よく答える。
「私は良子って言います。良いにの子供の子で」
「ふふ、本当に良い子なんだね。じゃあ良子ちゃん、これからもよろしくね」
「はい! こちらこそよろしくお願いします」


これが私と美札さん、そして殺人ピエロとの出会いだった

       

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Neetsha