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序章

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  プロローグ(?)
 
  もし目の前に愛情と財産があって、そのどちらかを手に入れられるのだとしたら…普通はどちらをとるだろうか。それは人それぞれだろう…。
 でも俺はそれなら財産をとる。
 なぜなら俺にはそれが必要だから。
 いまの俺に愛情なんて必要ない。

 今日、ある少年 三石 心夜(みついし しんや)は18歳の誕生日を迎えた。
 でも祝ってくれる人はいなかった。小さい頃から両親は死んでいて、友達もいない…。そんな心夜は愛情というものを知らなかった。
 知らないからこそそんなものはいらなかった。だから今日も寂しいとは少しも思わず、自分の誕生日を自分自身の心の中で祝った。
 そして心夜は学校へ向かおうとドアを開けた。
 「は??」
 思わず声を出してしまった。
 なぜなら景色がいつもと違うからだ。
 心夜はいつもとはまるで違う世界が広がっているこの状況がまったく理解できなかった。
 いままでは住宅が広がっていたのに草原しかない…それも見渡す限りどこまでもだ。



 ここは俺のいた世界じゃない。心夜はそう悟った。

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