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第七十二章『わんだーらんど』

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 マザーグース・天霧ソフィアの拒否権発動によって、艦内暴動は収まってはいた。しか
し、結局、金剛吹雪が造反。碌に反撃することなく、拿捕。これはこれで若葉の思惑通り
でもある。中立地帯の沿ルイネハンガス連盟に漂着。
「結果的にアンタが正しかったんだな」
如月八房は金剛吹雪に声を掛けた。
「ふふふ、当然なのであります」
「何を呑気に話してるのよ」
ルリタニアは面白くなさそうだった。
「お前に姫とか無理に決まってる、頭を冷やせ!」
若葉は妹の頭を小突いた。
「ぶー、だってぇ!」
国債の空売りで各国は儲けたので、既にフリートエルケレスは不問とされていた。
「ブリッジが賑やかでうらやましいのです」
大淀葉月は暇そうだった。常に戦艦にユニゾンしなくてはならない。スクランブルに備え
なければならない。
「こっちも暇でしてよ」
主砲塔も出入りが難しい。規律の為に力で抑え込む必要もある。
「早く帰還したいんだぜ」
雷暗はホームシックに掛かっていた。
「後は、白鷹先生に任せて、俺達はラティエナに帰る飛行ルートを練ろう」
結局、ハルバードの射程距離から逃れる為に、太南洋を迂回してエリッサリアから本国へ
入国するルートを選択した。その数日後、和平交渉は合意に至り、時は不運急を告げてし
まうのか!
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