家族

一家団欒
今時いないような
仲のよい家族だった

家族

彼の家は貧しく
暖炉の炭を買うお金がなかったので
家族で毛布をかぶりくっついて暮らしていた
しかしとても仲が良かった

母は優しく
父は頼りになり
兄を真面目で
祖父も祖母もとても可愛がってくれた

彼は貧しくも幸せだった

彼はこう言う

お母さんは優しいよ
でも料理はできないんだ
だから僕が作るんだ

お父さんは頼りになるよ
でも仕事はしていないんだ
だから僕が働くんだ

お兄ちゃんは真面目だよ
でも喋らないんだ

おじいちゃんもおばあちゃんも
とっても僕を可愛がってくれるんだ
でも頭をなでてくれないんだ


そんな彼のもとに警察が来た

どうかしたんですか

お母さん…いるかな？

はい、つれて来ます

警察は彼の母親を見て言葉もでなかった

彼がズルズル引きずってくる
ひからびた母は
とっくに息をしていなかった

お母さんどうして警察の人がきたの？

かさかさの母は口を開かなかった

彼にしか

あとがき

これは昔テレビで見たんですが
チンパンジーの母親が子供の死を認めなくて
ミイラになった子供を抱いてるんです
それがなんか悲痛で
こんな小説書きました
初めてのあとがきですが
ご飯の時間なんでこのへんにしときます
うちは家族そろってご飯食べる決まりなんです
早く作らないとみんなお腹空かせてますから