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第一章「自己紹介」

 この場合の「自己」とは、筆者である私(マカロン)の紹介なのか、それともこの
物語の主人公である「林間慶雄(はやしまよしお)」の紹介をすべきなのか。5秒
ほど悩んだあ
げく、まずは私の自己紹介を一行くらいしたいと思う。

 (マカロン)アーモンドを使った洋菓子

こんなふざけた一文とそれに至るまでの文章で、「私」がどんな人物か想像できな
くもないであろう。しかし、そんなことだけで、人間なんてわかるわけはない。
 何が言いたいかと言うと「こーんな駄文を書いてる人も世の中にはいるんだ。」
そんなことくらいだろう。私は駄文のような人間だ。次の段落からは、この物語の
主人公の紹介をしたいと思う。この物語を始めたいと思う。私のことは記憶から消
してくれてかまわない。

 ―他人は自分を映す鏡― 
 「とはよく言ったものだよな!」鈴木は登校して開口一番にそう言った。
こいつは同じクラスの『鈴木一郎』高校3年にてもう将来の夢を『小説家』になる
と決め、執筆活動中である。なんの夢もないおれからしたら、うらやましい限りで
あり、また「憐れみ」の対象である。なんて他己紹介からはじまってしまったが、
こっからは自己紹介に移りたいと思う。林間慶雄(はやしまよしお)どこにでもい
る『普通』の高校生…と、言いたい所だけど、少し違う。『普通』なんて言葉は人
によってすごく差がある物だと個人的に思っているので使いたくない。言ってしま
えば自分が未だによくわからない。個人的に明るい人間だとは思ってるけど友達が
少ない。鈴木みたいに夢もない。自分が何になるのかわからない。わからないもの
は紹介できない。これが僕の自己紹介だ。

 「どうしたんだよ鈴木。なんかあったの?」
 「いや昨日改めて、自分について考えたんだよ」
 …なんでこいつはそんな哲学的な人間なんだ。もっとほかに考えることがあるだ
ろ自分の成績とか…
 「で、自分って何かわかったの?」
 「さっぱり、わからねえんだよなー でもわかったことが一つある」
 「ほうほう、でそれはなんだ?」
 「他人がいて、ようやく自分がいるってことかな!」
 「なるほど!さっぱりわからないな!」
 「詳しく話してやるからとりあえず煙草吸えるところ行こうぜ。」
 「18歳でたばこが吸えるところは日本にはねえよ」
 と、これはいつも通りのやりとりである。1年くらいこのつっこみをしてるが、
鈴木が煙草をやめる気配はないし、学校にもばれていない。やりたいことが決まって
いると、こうも自由奔放に生きることができるんだなぁ、とつくづく思う。
 こいつにとって高校生活なんてどうでもいいのだ。
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