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剣魔

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 俺は異世界に転生した。
 それから十五年後・・・



「やあああああああああああああああ!」
 俺の気合の剣で樹がなぎ倒された。どどおん・・・・
「精が出ますね、シュウさま」
「まあな! おれもいつか伝説の英雄になるんだから、これぐらいはできないと!」
 ぶんぶん! 素振りが唸る。これもすべてはマーチガルドを救うため
 魔王が現れたから二十五年。世界は闇に閉ざされていた。といっても魔王軍はまだここの土地にはきていない。けどいつかくるんだ! おれのひ孫の代かもしれないが・・・それでも力をつけておく! それが領主の役目だろ
「そろそろ休憩なさってはいかがですか」
「そうだな」
 メイドのミクに呼ばれておれはタオルで顔をふいた。ミクはとても優しい。青い髪のおれより一個上の美少女だ。こどものころから俺の面倒を見てくれていた。
「戦いは疲れてはできません。それをお忘れなきよう」
「わかっているさ」
 剣を預けて、お茶をもらう。ちゅうちゅう飲むととてもおいしい。
「なあミク、ライグ将軍がこっちきてるってほんとうかな」
「魔王軍の? そんなわけがありません。かれはミレルド海峡の防衛にいそがしいとか」
「ふうん。ちっ、やっつけてやりたかったぜ」
「ふふ、そのためにも強くならなければいけませんね」
「ああ、なってやるさ、英雄ってやつに」
 おれはまぶたをこすった。くそ。眠くなってきやがった。そろそろ休もうかな。
「ミク、おれは寝るぜ」
「そうしてください」
 おれはベッドにもぐりこんだ。そして不思議な夢を見たんだ



 夢の中でおれは金髪の女神と会話をしていた。
 世界をすくうのです、シュウ。
「なるほどなあ」
 おれも疲れているに違いない。こんなことで倒されてたまるか。おれは金髪女神に負けないようにくってかかったが、軽くあしらわれてしまう
「いけませんよ、これは現実なのです」
「むぐう」
 ばけものを退治できないなんて。
「なあ、教えてくれよ。ライグ将軍をたおすにはどうすればいい」
「伝説の剣を手に入れるのです」
「伝説の」
「ここにあります」
 そこにはひとふりの名剣があった。
「これを、おれに」
「そうです。それでライグを倒すのです」
「わかった!」
 おれは剣を受け取った。そして目がさめた・・・・




 冬の日の朝だった 不思議な気配に誘われたおれは枕元の剣をとって外へ出た
 すると

「やめてええええええええええええええええ」

 ミクが襲われている。なんだ、あの兵士たちは? そうか、魔王軍か
 ふざけやがって。かつて日本にいたときはなにもできずにトラックにひかれて死んじまったが、今度はそうはいくかい。
 俺は剣をぬきとった
「やめてください、しゅうさま!」
「かまうかあああああああああああああああ」
 俺は絶天剣をふりかざし、兵にきりかかった。あっけなくたおれる。
「これが・・・・・・・・おれのちから?」
 そうだ、きっとそうにちがいない
 魔王軍め・・・・・・
 せいばいしてやる!
 ざしゅざしゅ 敵がたおれていく
 ミクがおどろいている おれにこんな力があったなんて
 ふっ ばかめ おれは領主だぞ? 本当の力なんて溢れるほどにあるんだ
 そのちからで、すべてをまもってやる!!!!!!!!!!!!!!
 おれはどんどん敵をたおした
 守りたいものを守るために
 うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
 眠りに落ちる前になんとしても倒すしかない それがおれの宿命なのだ
 この剣を使うと眠くなるらしい そうはさせるか おれは元気だ
 絶妙剣!!!!!!!
 おれのちからがすべてを屠る おれは正しいんだ おれは領主だ
 魔王どもめ ゆるさないぞ
 剣の力がすべてを変える なにも泣くことはなくなる
 それがおれの剣、なんだ
 はああああああああああああああああああああああああああああ
 綺麗に吹き飛べ、魔王!





 ここは
 ここはどこだ おれは おれはいったい
 そうか おれは魔王を倒したんだ それですべてが解決した
 だから平和が訪れたんだ ここはもうなにも考えなくていい世界
 すばらしい世界だ なんて綺麗なんだ
 おれはすべてを倒した それでよかったんだ
 誰のも俺は負けはしない
 そうだ すべてはもはやかんぺきだ 必要なものなどありえない
 都市は平和に満たされている だれもがおれを必要としている
 おれは素晴らしい世界をつくった 魔王にはできなかったことを
 おれは世界の救世主だ どんんあときもおれがいなくちゃだめなんだ
 おれはいいやつなんだ わかってくれるな
 おれの

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