トップに戻る

まとめて読む

単ページ   最大化   

そろそろグリコーゲンが不足する頃合いだな。


私は軽い空腹感を感じ、テーブルに置いてある菓子が入ったバスケットに目を置いた。
脳に栄養を送るのは三代栄養素の中でも糖の比率が多く、レジュメ作成後のけだるさを取るため一つのキットカットを手にして何気なく食べた。
ふとパッケージを見ると全てメーカーは同じだが、一つずつ出産地が違うチョコレートをイメージして製造されているようである。
日本以外の国々のチョコレートとの比較をコンセプトにした製品で売り文句を進めてるようだ。
それも一興と思い、コーヒーを片手に食べ比べて見ることにした。

初めに食べたのが日本のチョコレート。
ふむ、親しんでいる味だ。
ここまででは何が日本のチョコレートとしているのか正直はなはだ理解ができない。
次にオーストラリア風のチョコレート。
日本のよりもクリーミーかつ、味わい深く、CMにて孫にあげるあのキャンディを思い出す。
ただ少し粘り気が強い食感であとに残るため甘ったるいと感じさせる面も会わせ持っている。
次にイギリス風。
なるほど、チョコレートの風味と香ばしさがあり、イギリスならではのインテリジェンヌな伝統と気風を感じさせる、まさにヨーロッパならではのブレイクタイムを想起させるチョコレートである。
しかしこれも少し強調が強く、外人のプライドの高さや意識の強調を押し付ける側面を感じてしまうところがある。

これらの面からやはり、日本の製品が日本人には合うと感じた。
おそらく企業も洋菓子製造ではあるが、その中に込められているのは日本人が忘れてしまった、日本の職人の志や、したたかさを、改めて喚起させる意味も込めて製造したのだろう。
確かに海外に目を向けがちだが、たまには自国の誇れる文化を思い出し、国を思慕する時間を見つめ直すいいブレイクタイムになる。


身近な所からの新しいディスカバリーを得るとともに、脳に栄養が行き渡った充実感を感じ、自室に戻り作業を開始するために立ち上がった。
そこに家事を終えた母がきた。


「あんた! 何個食べてるの! いつまでもチョコなんて食べてないでハロワに早く行ってきなさい!」
1

キャバの兄 先生に励ましのお便りを送ろう!!

〒みんなの感想を読む

トップに戻る