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女流武者 御剣桜華 第四幕 強襲、雲之介の武士!!

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 備前を取り戻すために移動を開始した鋼獅朗と桜華たちの前に、備前を支配している雲之介の武士が襲い掛かってきた。桜華と冥那は刀を手に、戦いの態勢に入る。
 「武士として・・あなたたちを倒します!!」
桜華と冥那は刀を手に、雲之介の武士を迎え撃つ。その様子を見た雲之介の武士たちは、刀を手にする。
 「悪いが・・・お前たちにはここで死んでもらおう。相手が女でも構わん!野郎ども、全員血祭りにあげろ!あの者共を倒した後、馬車の中にいる奴も殺せ!!」
雲之介の武士たちがそう言うと、一気に桜華たちに襲い掛かる。一人の武士が桜華に襲い掛かった瞬間、桜華は咄嗟に刀を前に出し、攻撃をかわそうとする。
 「な・・何ぃっ!?」
雲之介の武士は桜華の剣術に唖然となる。雲之介の武士と桜華が鍔迫り合いをしている中、鋼獅朗がアドバイスを送る。
 「桜華よ、刀を上に上げ、一気に跳ね返し、受け流せ!!」
鋼獅朗の言葉で、雲之介の攻撃を受け流すべく、桜華は刀を上げて腕に力を込める。すると雲之介の武士の体が後ろへとのけぞった。
 「今だ桜華!!そのまま奴に斬撃を食らわせ!!」
桜華は鋼獅朗の言うとおり、そのまま後ろへと下がる雲之介の武士に強烈な斬撃を放った。
 「喰らえええええっ!!」
桜華は全身の力を込め、一気に雲之介の武士を手に持った刀で切り裂いた。
 「ぐおおおおっ!!無念だ・・雲之介様・・お許しを・・・!!」
雲之介の武士がそう言い残した瞬間、地面に倒れ息絶えた。
 「ど・・どうしよう!武士一人殺しちゃった!」
桜華は初めて武士の首を討ち取った衝撃で混乱していた。それを見た冥那は桜華にそう言う。
 「心配することはない。敵の武士の首を討ち取っても何の咎めもない・・。だが罪なき人々を殺してまわる武士は必ず裁きを受けるだろう。私は今まで敵の武士の首を討ち取ってきた。もちろん虎雅の武士の首も討ち取ったこともあるが、かなりの強敵だった・・。話が過ぎた・・戦いに戻るぞ!!」
 冥那がそう言うと、桜華は再び戦いに戻り、雲之介の武士に向かっていった。

 一方桜華たちが戦っている様子を、馬車にいる家臣たちが馬車から降りて見ていた。
「おっ・・あの女、奴らと互角に戦っているぜ・・。」
「冥那殿もさすがの強さだ・・・。敵の武士を次々となぎ払っていく姿は最高だな・・。」
「あの二人の強さなら、鋼獅朗様も出るまでもないな・・。」
馬車にいる家臣たちが、二人の活躍を見ていた。すると家臣の一人が全員にそう言う。
 「う・・後ろにも雲之介の武士がっ!俺たちも戦うぞ!!」
馬車にいた家臣たちが一斉に刀を手に、後から来た雲之介の武士に立ち向かっていった。
 「お前ら・・備前へは行かせん!!ここで死ねぇっ!!」
後ろから現れた雲之介の武士たちが、鋼獅朗の家臣に攻撃を仕掛ける。鋼獅朗の家臣たちは一気に雲之介の武士たちに次々と斬りかかる!!
 「桜華も冥那もがんばっているんだ!!俺たちもがんばらなきゃいけないんだ!!備前に行き、鋼獅朗様の祖国を取り戻すため、俺たちは死ねねぇんだ!!」
鋼獅朗の家臣たちは叫び声をあげながら、一気に雲之介の武士に向かっていった。

 桜華と冥那は襲ってきた雲之介の武士を全滅させたとき、鋼獅朗がこう話した。
「後ろからも雲之介の武士が奇襲攻撃を仕掛けてきた!!家臣たちがいまは何とか食い止めているのだが、お前らも助太刀に入ってくれ!」
鋼獅朗がそう言うと、二人は後衛で戦っている家臣たちの助太刀に入る。鋼獅朗は馬車の中に入ると、鞘の中に入った刀に手を伸ばす。
 「頼むぞ・・名刀「龍刀獅子丸(りゅうとうししまる)」またお前の世話になるか・・。また悪人の血を欲しているのか・・。思う存分吸わせてやる・・。」
鋼獅朗は名刀「龍刀獅子丸」を手に取り、急いで後衛の助太刀に入るべく、馬車の外に出た。
 「あと少しだ・・。桜華よ、がんばるのだぞ!!私は前衛の見張りをしておく。鋼獅朗様に何かあったら大変だからな・・・んっ?だれかこっちに来るぞ・・。」
冥那は桜華にそう言って前衛の見張りに行こうとしたとき、馬車の中から鋼獅朗が現れた。
 「こ・・鋼獅朗様・・。助太刀に来たのですか!?」
冥那がそう言うと、鋼獅朗は首を縦に振った。
 「そうだ。後ろにも敵が現れたからな・・。私も刀を持ってきた。一緒に戦おう・・。」
鋼獅朗がそう言うと、名刀「龍刀獅子丸」を抜刀し、一気に雲之介の武士を迎え撃つ。
 「我が必殺・・受けてみろ!!必殺・龍牙流三の型・龍咆一閃(りゅうほういっせん)!うりゃあああああああああっ!!」
鋼獅朗が叫び声と共に、雲之介の武士たちを次々と切り裂いていく。その姿を見た家臣たちは、その光景に唖然となっていた・・。
 「す・・すごい・・。あの軍勢を・・たった一人で・・。」
鋼獅朗の活躍により、雲之介の武士たちは一瞬にして息絶えた。

 戦いが終わり、鋼獅朗は桜華と冥那に馬車の護衛を任し、備前へと再び足を運ぶ。
「まさか雲之介の武士たちが襲ってくるとは困ったことだ。もはや一刻も早く備前に行き、雲之介を討たねばならん。さぁ、休んでいる暇はないぞ・・。いそいで備前へと向かおう・・。この速さならあと2時間ぐらいで到着するようだ・・。」
鋼獅朗がそう言うと、馬車の速度を上げて備前へと向かうのであった。

突如襲ってきた雲之介の武士を、戦いが初めての桜華は見事打ち倒すことに成功した。
敵を蹴散らしながら、彼らは先に進むのであった。
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