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その1.パラノイア、やろうぜ!

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K「市民、幸福ですか?!」
ジョー「……」
皇帝「……」
7「oh……」
ジョー「いきなり招集かけたと思えばとうとう逝っちゃったわけ?」
皇帝「病院とか紹介したほうがいいのかな?」
K「いや、あの、TRPGって知ってる?」
皇帝「あーテーブルトークロールプレイングゲームだっけ?」
ジョー「きのことかが頭の体操になるからやれって言ってた」
K「そうそれ。さっきの幸福ですかー? ってのはパラノイアってTRPGの代表的な台詞なわけよ」
ジョー・皇帝「ふーん」
K「やろうぜ!」
ジョー・皇帝・7「やだ(No)」
K「なんでさ」
ジョー「概要もわかんないのにいきなりやれとか」
K「概要話したらやってくれる?」
ジョー「それは手前しだいだ」
K「そうだな、簡単に世界観を説明すると、プレーヤーは*アルファコンプレックス*という近未来の地底都市で生活している。アルファコンプレックスは*偉大なるコンピューター様*が統括しており、衣食住さらには娯楽にいたるまですべてが完璧で市民は何不自由なく*完全に完璧な幸福に包まれた生活*をおくっているんだ。まさにこの世の楽園といったような場所かな。無論、そんなすばらしい生活を提供してくださるコンピューター様に感謝しながらね」
ジョー「えらく幸せそうだな」
K「と、思うだろ? でも本当のところはさっきのはコンピューターの妄想なんだよ」
皇帝「なん・・・だと・・・?」
K「実際のところは資源不足のため行き届かない配給、絶対的階級制度による役所の腐敗、冤罪処刑、不完全な科学技術で作られた不完全な設備や交通機関、いもしない秘密組織におびえ罪もない市民を殺戮する頭の狂った世界」
ジョー「トゲトゲ肩パットのモヒカンとかは出ないわけ?」
K「現実がどうであれコンピューターは完全で幸福な世界だと勘違いしているため、市民は完全で幸福で在らなければいけない。問題があるとすればそれは敵からの妨害によるものに違いないと思っている。もし市民が不完全だったり幸福でないのだとすればそれは反逆に値する。なぜなら*コンピューターは間違えない*のだ。市民は常に完璧で幸福である必要がある。そうでないのならきっとそいつは善良な市民に成りすましたミュータントか悪の秘密結社、薄汚いコミーの豚に間違いがないのだ。それはお前の隣人や恋人友人かもしれないし同僚かもしれないし家族かもしれない。だが善良なる市民はこいつらをぶち殺す義務がある。証拠を見つけ出し抹殺せよ。それが出来ないのならそいつも反逆者だ。警戒せよ! 信用するな! レーザーを手放すな!」
ジョー「随分楽しそうになってきやがったぜ!」
K「だろ? と、まぁこんな感じの異常な被害妄想や誇大妄想に取り付かれる事を差してパラノイア(偏執病)という。つまりこのコンピューターこそがパラノイアなんだ」
ジョー「へー面白そうじゃん」
皇帝「だね」
7「It's hardboiled」
K「それはよかった。じゃあこのゲームで重要な事をもう少し話すね」
ジョー「うい」
K「まず、この世界における階級制、セキュリティクリアランス。これは簡単に言えば冠位十二階みたいなもので色分けされた階級制度だね。下から順にInfrared (BlacK)--Red--Orange--Yellow--Green--Blue--Indigo--Violet--Ultraviolet (White) 最高のプログラマ となっているよ。このセキュリティクリアランスは絶対で自分のカラーより上の物に触ったり口答えするだけでも重大な反逆行為とされ即処刑されるよ」
7「It's so violence...」
K「プレーヤーはR(レッド)市民から開始する事になってるよ」
ジョー「つまりIRをごみのように扱えると」
K「そうさ、あの醜いIRのごみ屑どもが少しでも自分達の時間を浪費させるような事があれば即刻消し炭にしてかまわない。もちろん彼らの持ち物も好きなように扱ってかまわない。ただし窃盗は重大な犯罪だ」
7「It's so cool!!」
K「Rの階級を与えられたプレーヤーは完璧で幸福な生活を提供してくれるコンピューター様に奉仕するためアルファコンプレックス内で起こるさまざまな問題を解決する*トラブルシューター*として生活していく事になる」
ジョー「ほうほうそれで?」
K「ベースが1960年代米国思想に基づいている為、プレーヤーの敵は共産主義者、通称コミーと呼ばれるもの達となる。それにプラスとして地球を侵略しようと画策する宇宙人に開発されたミュータントも敵となる」
皇帝「さっきの話しで出てきた悪の秘密結社ってのは?」
K「そいつらも敵。ついでにコミー、ミュータント、秘密結社はそうである事がわかった時点で処刑しなければならない。見逃す事は重大な反逆だからね」
皇帝「つまり、そいつらを倒してハッピーを守るのがトラブルシューターのお仕事ってわけ?」
K「大体そういうことになる。もちろん、普通の仕事もあるぞ」
皇帝「なるほど」
K「そして、プレーヤーの命なんだけどクローンが与えられる」
皇帝「ヒットポイントってこと?」
K「いや、ヒットポイントってより残機って感じかな。このパラノイアは致死率500%とも言われていて、命なんてごみ同然の扱いを受ける。たとえば朝起きただけでも死ぬ」
7「It's so hard...」
K「無論死んだ奴は反逆者に違いない。なにせコンピューターさまの判断は絶対だからだ。しかし、いかなる反逆的な理由で処刑されようとも次のクローンには持ち越される事はないので安心してもらいたい」
皇帝「なるほど、それでクローンってのは何体なの?」
K「いろいろあるけど今回は6体でいこうと思う」
皇帝「多いのか少ないのかわからない数字だなぁ」
K「もちろんクローンが尽きた時点でゲームオーバーになる」
皇帝「うわぁ……」
ジョー「お、それならいい事考えた。死にたくないなら下手に動かず様子を見続ければいいんじゃないか! 流石わし天才的」
K「あぁ、言い忘れてたけど市民全員はなんらかの*ミュータント*かつ*秘密結社に所属している*って設定になってるから」
ジョー「え?」
皇帝「ミュータントや秘密結社は反逆なんじゃなかったっけ?」
K「そうだよ」
ジョー「つんでるじゃねぇか!」
K「でも安心するんだ。だれもそれを知る人間はいない。なぜなら隠しているからだ。もちろんプレーヤーである僕らは既知だがキャラクターは知らないって事になってる。もちろん、プレーヤーを含めた全員が敵の正体を暴き、反逆者として処刑したがっている。何せ数が減れば自分に向けられる銃口が少なくなるからね。彼らも反逆者なのだから生き残るため、どぎたないてを使ってくる事が予想される。プレーヤーは他プレーヤーの反逆的証拠を集め、処刑すると同時に自分がそうならないようにする必要性があるわけだな」
ジョー「ライアーゲームみたいでなんかおらすっげぇわくわくしてきたぞ」
K「ついでに、トラブルシューターの仕事のほかに秘密結社からも仕事を依頼される事がある」
皇帝「いろいろと鬼畜だね」
K「ここにルルブ(ルールブック)がある。これを見てキャラクターシートの作成をしてもらえるかな。その間にGMを知り合いに頼むから」
皇帝「おっけ、じゃあぱぱっと作るかな」
 
 
 
プレーヤー達がキャラ作成中に簡単にまとめるパラノイア
・幸福で完璧な世界を作るコンピューター様は偉大で絶対
・もし間違いがあるのならそれはミュータントや秘密結社のせいだ。見つけ次第殺せ
・不完全だったり幸福じゃない奴等は反逆者だ即処刑しろ
・セキュリティクリアランスは絶対。違反は即処刑だ
・プレーヤーはさまざまな問題を解決するトラブルシューターとして幸福に生活。そうじゃない奴は殺せ
・プレーヤーは全員ミュータントかつ秘密結社の一員証拠を見つけ次第殺せ
 
 
 
皇帝「できたよー」
ジョー「同じく」
7「It's OK!」
K「じゃ、次は実際にプレイしてみようか」
皇帝・ジョー「おっけー」
7「It's OK!」
K「7、英語使うだけじゃハードボイルドじゃないからね?」
7「あ、うん。なんかごめんね」

次回プレイ編に続く
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