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第0話「監禁」

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突然だけど、俺の今の状況を説明したいと思う。
まずは体。右足は有り得ない方向に折れていて凄く痛い。もう片方の足には鎖付きの足輪が嵌められていて、ご丁寧に鍵穴は溶接加工済み。両手は後ろに回されて手錠までかけられている。最後に口だが、穴だらけのボールを加えさせられている。そういうのが好きな人向けのビデオによく出てくるアレだ。
次に場所、六畳程の部屋にテーブルが一つ置いてある、が壁には一面俺の写真が大小様々なサイズで張られていてる。
これだけで簡単に想像してもらえると思うが、俺は今残念な事に『拉致監禁』というサスペンスの中でしか聞いたことがない様なレアな状況に置かれている。
首謀者は今現在俺の視界に入る場所にはいない。食糧を調達しにいったか、はたまた視界に入らない所で芋虫の様な俺を眺めて悦に浸っているか、それは分からない。分からないついでで言えば『この後俺がどうなるのか』というのが一番だが、正直言って想像するだけで気が狂いそうになるので『分からない』で終わらせておきたい。
あぁ、でも分かる事もある。

一つ、首謀者が飽きるまで俺は帰れない事。
二つ、首謀者が俺を殺す事はない事。
三つ、これが首謀者の『愛』である事。

あぁ、言い忘れてた。
一つ目は『半永久的』、二つ目は『今現在』、三つ目は『狂った愛』だった。
ははっ、忘れてたよ・・・。
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