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彼の話と希望の種

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これを君にあげよう
そして彼は私の目の前からいなくなった

ある夏の日、私は交通事故にあった
その日から私の足の自由が失ってしまった
私が入院してから学校の友達がお見舞いにきてくれた
しかし、みんな高校生になると誰も訪ねなくなった
たぶん私の存在など忘れて今頃は遊んだり学校に通ったり部活動をしたり…
べつに同情が欲しいんじゃなくて
ただ…忘れないで欲しかったんだと思う
「あれ?美咲、髪型かえた?」
回診の時間になると担当の安田先生が話をしてくれる
「うん…少しだけ」
この先生はとても不思議な話をしてくれる
人は見えない仮面をつけていて、たくさん仮面をつけつづけると
仮面をつけてた人は人でなくなると言う世界でその人で無くなった者を消す半人前の女の子とごくごく普通の男の子の話だ
「美咲、お願いだ一回でいいから」
「一回でいいから?」
「ポニーテールにしてくれ!!!!」
普通なら髪型にあってるねとかかわいいねとか言ってもいいのに、すぐ自分の好みに変えたがる
「いや、絶対に」
そして、なぜか本当はいいのに、何故かいやと言ってしまう
「そんな事より、この間の話の続き」
「美咲がポニーテールにしたら話す」
まったく、この医者は子供か!
私は髪を束ねていたリボンをほどき
またリボンを結ぶ
「これで、いいの?」
先生は真剣に私を見る
「ん~何か、何か足りない」
そして先生は考えだした
「わかった!セリフだセリフがないと」
そして先生は紙にセリフを書いて私に渡した
「…ねぇ髪型、変えてみたけど、どうかなぁヘンじゃないよねお兄ちゃん…」
「声が小さい!あともっと感情こめて」
あれですよね、この医者はきっとエロゲーとかのやり過ぎなんだなー
と思いつつ私は冷たい目線で彼を見た
「ほらほら早く」
「このエロゲー野郎!!」
私は本気で人に殴った
そして本来なら反撃や反省などの行為が次に起きると思ったが
彼は違っていた
「エロゲー野郎じゃないギャルゲー野郎だ!!!」
場の空気が凍る
そしてしばらくたって彼はこう言った
「まぁ…それは置いといて、この間の続きでも話すか」


そして私は先生のお話を聞くのでした
3

ろーど 先生に励ましのお便りを送ろう!!

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