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 世の中には存在しないものがある。そのすべてが、世の中の健全な男子が憧れ追い求めるものだ。一つ、魔法。二つ、彼女。三つ、希望。思春期の僕にとってそれは退屈な日常を破壊し、新たな世界を見させてくれるものであるはずだが、そんなのはアニメやエックスビデオズの中でしか見たことが無い。

俺は見たことしか信じないから。

そんな俺の目の前に、この5畳間の平凡な家屋に、そのおおよそ一つを満たしてくれる存在がいた。

「こんにちわ、ヨツミくん。私は異世界からきた第二次知的生命体サニュールです。よろしくね」

輪郭は、殆ど人間と変わらないだろう。美しい、たぶん俺と同じ14歳くらいの少女。髪は吸い込まれるような漆黒で、深緑のきらめきを放っていた。はだは血管が薄く見えるほどの薄さだが、いろは若干青みがかっていた。そして、その肌はぬるぬるとした、まるで体をローションでぬりたくったようなぬめぬめで覆われて・・・。

「あははーこれは驚いてる感じですね。もちろーん、ちゃんとあなたの近辺の物質や、人間の性格などは調べました。それで安全と判断しここに見学に来させてもらったんです!
あ、病気とか移されるとか心配しなくて大丈夫ですよ。ちゃんと調べてますから!」

若干興奮した口調でこのサニュールとかいう愛らしくえろてぃっくな生命体はまくし立てた。残念ながらまんこと胸はざらざらとした皮のようなもので巻かれて見えないが、この急に現れた生命体に、なぜか興味津々の自分がいた。考える前に、口が動いた。

「ま、まだ俺さ、いまの状況読み込めてないんだけど、まだ君のこと信用したわけでもないんだけどさ、つまり君は異世界から魔法できたんだよね・・・?」

サニュールとか言うやつは首をかしげ、きゅるん、と目をくりくりさせて、くくく、と抑えたように笑った。

「地球人さんに質問しちゃうんですけど、魔法ってなんだと思います?」

突然当たり前の質問をされて、俺は面食らった。そりゃーなんというか、なんかすごい魔方陣とか、なんというか・・・

「なんか、すごいババーンって意味不明な現象を起こすこと?」

サニュールは得意顔満面の笑みで簡潔に答えてくれた。

「言葉の意味で理解するなら、ですよ。魔の法、つまりなにかこの世界と違う法則を、新たな世界に持ち込めば魔法なんじゃないかな。私たちの世界の法則と君たちの世界の法則は一応違うって言われてるから、つまり魔法なんじゃない?」

だまされる、というかもやもやした気分は残ったが、つまりそれが魔法なら、俺の望んでたもの少なくとも一つは達成されたことになる。胸からこみ上げてきた黄色くてふわふわしたワタパチみたいなものが、俺の肺をくすぐりのど元までせり上げて来た。

「やった、やったーー!!」

急に発せられた俺の雄たけびに、サニュールはおびえて涙を浮かべていた。慰めようと肩を抑えると、そのままへなっと畳に倒れこんだ。

「お、おいなくなよ。ちょっとうれしくて叫び声をあげただけだ」

サニュールはぶるぶる震えて、泣き出してしまった。

「地球上の生物は知的度が高い生物は野生的な行動をあまりしないといわれていると聞きましたが、雄たけびを上げるということはあなたは野生度が高いということですね。
わ、わたしの体に、こ、こーふん、してるんですか?む、無理やりはだめですよ?むしろあなたの世界より貞操観が厳しいくらいなんです。そんないたいけな私を?
特に知的生命体で野生度が高いと、すぐに生殖行動に走ると言われています。私、襲われるんですね。まだお父さんとお兄ちゃんと、近所のおじさんにいたずらで挿入されたことしかないのに・・・」

おいおいわりとやられてるじゃねえか・・・。臆病ながら冷静に状況を述べようとするサニュールに萌えてしまったりした。

と、サニュールは急に顔を上げると、何かを思い出したように言った。

「あっ、わたしの役目はメソメソすることじゃなくて、あなたの世界の『魔法』を採取することだったんだでしたぁ」
「えっ、魔法?」
「そうです、魔法。なんといってもこの世界には細かい刃のようなもので物を粉々にすることができるエネルギー体が存在するんだとか。なにかしってます?名前覚えてたハズなんですけど、失念しちゃって・・・。たしか特定の物質が含まれる媒体があれば持ち帰ることができるらしくって・・・」

細かい刃で物を粉々にするエネルギー体?は?それもう完全に魔法じゃねぇか。
俺はしばらく悩んだ末、このサニュールに提案をしてみた。

「んじゃーちょっと外出てみる?」


俺たち二人は、そとでそのエネルギー体を探してみることにした。まぁ、この家の近くにそんなやべーもんがあるとは思えないが、このサニュールとか言う娘といるのは楽しいし、この世界にそんなババーンって意味不明なことを起こすエネルギーが存在するということが知れただけでも十分だ。顔色がばれないように、サニュールにちょっと気になることを聞いてみた。

「その、すげーエネルギー体が見つかったらお前、帰るのか」
「うん」

顔色変えずに即答するサニュールにちょっと複雑な感情が胸の中で渦巻くのを感じた。



そして・・・結局見つからなかった。公民館や図書館、公園、彼女はすぐ近くにあると自信を持っていっていたが、結局見つからず、サニュールは悲しそうな顔をしていた。異世界でも感情表現はおなじなんだなぁ、と思った。すこしでもこいつを喜ばせてやりたいと思って、俺はとっておきの場所につれていくことにした。

「ふぇ?とっておきの場所?」
「ああ、そうだ、俺は昔から夕方はここにいって、街の眺めをみるんだよ。夕日がちょうど正面に沈んで、すっげー綺麗なんだ」
「は・・・はぁ」

俺はサニュールのヌルヌルしたてをつかんで、丘に登った。あたりがオレンジ色と黒の二色で彩られて、とても綺麗だ。
「どう、すげー綺r・・・・」

サニュールの顔をみると、ぽかーんとした顔をしていた。サニュールは俺の顔を見ると、慌てて目を逸らすと、小さな声で謝った。

「あ、ご、ごめんなさい。私たちサニュールは抽象的な観念とか、もともと世界が似通ってるから言葉とか通じると思うんだぇど、私たちは物を限定的な感覚で感知するから、色とかそういうものがよくわからないの・・・。地球の人は世の中の法則の解釈を主にあなた方は光と音で判断してるそうだけど、私たちはまた光とか音とは違う概念で解釈してるから・・・」

今度は俺がぽかんとする番だった。つまり、こいつの見てる、というか感じてる世界は全く俺とは異なるということか?俺は聞いた。

「つまり、君には音と光という概念がわかんない、っていうこと?」

「実際はそうなんだけど、資料によればあなた方は音で壁越しの存在を確認できるそうだとか。光ですっごく先のものが確認できるのだそうとか。私はあなたの意思表示を、あなたが想像できないもので認識してるんです」

でも、とサニュールは続けた。

「うれしいことに私は喜びとか、心の温かさだとか、思いやりだとか、そういう抽象的概念は共通みたいだよ。私、とっても君の心の温かさを感じれるよ」

俺と、このサニュールは見つめあった。たぶんそれはみつめ合うだとか、そういうものじゃなく概念を共有して、類似した法則を認識しあっただけなのだろうけど。



家に帰り、今日は共働きで帰ってこない親のかわりに、サニュールに料理を作ってあげることにした。ガスコンロに火をつけ湯を温めたとき、サニュールは声をあげた。
「た、た、たぶんそれえええええ!!」

サニュールは興奮してそれに飛びついた。サニュールは手を伸ばしてそれに触れようとしたのを、俺が静止しようとしたが遅かった。

「い、いったー!!でもたぶんこれ!これだよ!」

ああ、そういうことか。やっと俺は合点がいった。

物を粉々に切り刻む、細かい刃のようなエネルギー体。つまり、

「火、か。なんだ、たいしたことないじゃないか」

俺は笑うと、なんだかがっかりしたような気持ちに襲われた。この不思議な娘も帰っちゃうんだなと思うと、胸が締め付けられた。なぁんだ、火か。

「地球人、なんでこんなすごいものがあるのに魔法なんかにあこがれるの?こんなすごいものがあるのに・・・」

サニュールは目を輝かせて言った。まぁ、確かにすごいかもしんねーけど、当たり前のことだし、いまさら驚くことでもない。俺は寂しさを隠すように、ぶっきらぼうに聞いた。

「で、サニュールは帰っちゃうのか」

一瞬サニュールは寂しそうな顔をしたが、こくりと頷き答えた。

「私も仕事だし、ちょっと長居しすぎちゃったぁ。ごめん」




お別れ、というのは嫌いだが、いずれ来るものだ。俺もよくわかってる。サニュールは慣れた手つきでゲートを開くと、真っ暗な扉に片足を入れ、そして俺に向かって言った。

「まぁ、お別れは寂しいけど、楽しかったよ。火とかいう、すっごーいものもあるんだからさぁ、わたしみたいなイレギュラーな娘より、もっと楽しくて、すっごいものも地球にはあるんじゃないかなーとおもうよ」

不満は残る。もっと一緒にいたかったが、仕方ない。最後に、ちょっと冗談めかしてサニュールに言ってみた。

「あのさ、サニュールとこのまま分かれるのは寂しいからさ、なにか一つ繋がりもたない?例えば彼女になるとかさ・・・」

サニュールはきゅるんとくすくす笑うと、頷いて、ゲートの向こうに消えていった。



サニュールが消えて1時間くらいたった。さっきまでのことは夢だったんじゃないかと思えてくる。
あいつの言うとおり、俺もこの地球という法則の中で楽しんでみるのもいいかもしれないな、と思った。
一つ、魔法は見つかった。二つ、彼女もできた(一応)。いずれは、三つ目もみることができるだろう。それまで俺は・・・

「おまたせ」

サニュールが急にゲートを開き現れてきた。

「ど、ど、どうして」

「ん?君の彼女なんだからあたりまえじゃん。交尾するんでしょ?」

そういうとサニュールはそのぬめぬめした体を俺に覆い被せてきた。
ぬるぬるした手を俺のパンツの隙間から入れてくる。まるでローションでしごかれているような感覚がして、俺の背中に電流がはしった気がした。
 サニュールの全身のヌルヌルが体にまとわりつき、服がベトベトになる。

たまらず脳天に電撃が走り、股間が強く脈打つのを感じた。サニュールの体が紅潮してるのが見て取れる。心なしか、体のぬるぬるが異常なほどになり、垂れるほどになっていた。
 俺の腹に飛び散った精液をサニュールはくまなくなめとると、キュルル、とまるで動物のような声をあげた。

「地球人さん、今の声、私たちの世界の言語なんですよ・・・意味はすっごいえっちな言葉なんで、おしえてあげませんけど・・・」

そういいながらサニュールは俺のトランクスを剥ぎ取ると、上からまたがり、股間をあらわにした。毛がはえていないが、人間のものとそっくりだ。

先っちょに、ぬるぬるしたものがあたった。サニュールはキュルキュルとよがり声をあげ、一気に挿入した。
 ものすごい締め付けが股間を襲い、股間から濁流が射出された。
かつて子供心に、あの青いおお空の雲に入れたらどんなに気持ちいいか想像したが、たぶんサニュールとセックスすればその気持ちを味わえるだろう。

サニュールはキュウ、と満足そうに言うと、座った目でこっちを見た。

「言い忘れてたけど、私たちの種族って交尾年齢になるとセックスすると絶対に子供ができるんだよね。地球人と子つくりできるらしいし、これから君、パパになるんだよ!」

サニュールは笑顔で俺の顔を見つめた。俺はただただ、その笑顔をみつめるだけだった。やっぱり、日常より、異世界は素晴らしい、だとか考えながら。
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