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第9章 赤

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パチ・・・パチ・・
焚き火の火の粉が空に舞い上がる。
「・・・・この街に来てもう暫くか・・・。この街、やっぱり何か変だ・・。何故ココに来て海賊なんだ?・・・。」
ここにきて海賊だ。海賊と言えば昔の男のロマンだ。
しかし、いざ本物を見るとやはり考えさせられる。
海賊船なんていつの時代だ。
この街の中で目立って異色だ。

「おい、あの船について何か分かったか?」
船から持ち帰った本。
海賊船の中にその海賊船の船の秘密について書かれた本。
敵の居る洞窟に勇者が有利になるようなものが入った宝箱を連想させる。
「・・・どうやらあの船はこの世の物じゃないだろうな。」
ロックはノートパソコンをいじくりながら言った。
「この世の物じゃない?どういう事だ?」
「幻想だな。」
「幻想?」
「あの船だけじゃない。この町全体も・・・人工的に造られたような幻想・・・。」
「・・・・・・・・。」
何がなんだか分からない。
「だれかが見せている。」
ロックは立ち上がりながら言った。
「飯が出来た。食べるか?」
そう言いながら赤い液体のかかった物体を差し出してきた。
「何これ。」
「飯。」
「そうじゃないだろ。何か赤い液体がかかってるんだけど。」
「ケチャップ。」
「あ、いや、俺は遠慮しとく。」
「何でだ。」
「あ、いや、その、幻想の船からとって来た物食うって幻想食ってるようなもんだろ?」
「そうか。」

とっさに断ったが以前から続いていた空腹に耐えられなかった。
「・・・・・・・・・やっぱ貰っとく。」
グローク は あかい ぶったい を つかった!
グロークに289ダメージ!
「うおわぁあぁぁぁぁぁぁぁあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
何だコレは。毒だ。劇物だ。有害物質だ。
口に含んだ瞬間吹いた。
どこぞのドーピング何とかスープより酷いかもしれない。

「殺す気ですか?」
「そんな気は滅相も無い。」
ロックが半笑いになりながら言った。やられた。

「さてと・・・。」
「逃げるのか。逃げるのか。」
「用事があるんでね。」
「・・・・・。」
「・・・あ。そうだ。」
そう言うとロックはグロークに銃を渡した。
「これは?」
「あの船の中で拾ったんだ。中折れ式の銃さ。それと。」
銃弾を差し出してきた。
「火薬を詰めた銃弾さ。扱いには注意しな。じゃ。」
「え、あ、うん。」

受け取った銃弾を改めてみてみる。
爆弾を造ってるような奴が作ったので完成度が高い。
そしてこの銃。中折れ式と言っていた。
「(中折れ式ってどういうことだ・・・。)」
ガチャ
真中が折れ曲げた
「あ、やっべ・・・・。アレ?」
壊れたのでは無かった。どうやらココから銃弾を詰めるらしい。
「へー・・・カッコイイな・・・。」

ガサ・・・ガサ・・・
草むらから物音がした・・・・。
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ガサ・・・ガサ・・・
まずい。自分の第六感がそう言っている。
逃げなくては。いや、無理だろう。囲まれている。

ガサッ
「!!」
白目をむき、ズタズタの服を着た男。
あの時と同じだ。
逃げ場を失った。
「そうだ!」
先ほど手に入れた液体火薬入りの弾を使えば・・・
意を決して銃に弾を詰める。

ドォォォン・・・

想像以上に大きな音がして腰が抜けた。
が、道は開けていた。
一心不乱に逃げた。
いったいあれだけの数、どこに隠れていたのだろうか?

森を抜け、街に戻ってきた。
グローク「!!」
街にはまだ先ほどの男がいた。
おそらく銃で闘ったとしてもきりが無いだろう。

男たちは皆こちらに向かって歩き出した。
思わず後ずさりしてしまった。
某ホラーゲームを思い出す。

襲い掛かってくる敵をかわし目に入った建物の中に入り、鍵を閉める。
何故今になって?これからどうする?
頭が混乱していた。








ここであることに気がついた。
何も考えずにこの家に入ってしまったが何処から出ようか。
正面から出て行ったら袋叩きだ。
・・・どこかに出口があれば・・・。
家の中を探索してみる。

それにしても、あの外の人間どもは何だろうか。
あの時の怪しい研究所・・・・。
「!!」
もしかしたら。
グロークは気がついた。
あの研究所には絶対何か有る。

ゴシャッ!

鍵を閉めた扉が破壊され、無数の男達が入ってきた。
銃で応戦していたらキリが無いだろう。
「・・そうだ!」
グロークはロックからもらった弾を銃に詰めた。
「くたばれ化け物ども!」

ドカァァン

壮大な爆発音とともに敵が吹っ飛んだ。
「もう正面から逃げるしかない・・・よな?」

グロークは真顔で走った。
続々と敵が沸いてきた。
「アレは・・・」
あの時のバーだ。
匿ってもらおう。
グロークはものすごい速さで扉を開け、入った。
バン!
乱暴に扉をしめ、ため息をついた。

「・・・・・?アレ?」
あの時のマスターが見当たらなかった。
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