京都・鞍馬発出町柳、君のズボンの車窓から
ツアーを考えてみた。
ドキドキとハラハラの新感覚で古都を開放的に味わう。
もし君が何度も京都を訪れた経験があるのならぜひこのツアーを試して欲しい。
そこにはまんねりな社寺仏閣見学、ローカル電車めぐり、グルメバイキングなどは一切ない。
しかしこの旅で君は今まで経験したことのない新たな緊張感ある車窓の風景を見ることができるに違いない。そして旅慣れてしまった倦怠気味の君の心へ一気に探究の炎燃え上がらせることを約束する。
さあて、心と身体の準備はよいか。
それではいこう。いざ新感覚京都市左京区らへんツアー。
題して「京都・鞍馬発出町柳、君のズボンの車窓から」
言っておくがフィクションだからな。しゅ、取材なんか一切してないんだからね。
ツアー開始時刻は出発駅にて平日午前9時頃くらいからがいいだろう。
交通機関はまず叡山電車の利用。京都の地形的に言って出発駅(北)から終着駅(南)へ下ってくるイメージを浮かべてもらえばよい。【 】内は駅の名前。各駅ごとにお遊びを提案。終着駅下車後は自転車で呑気に洒落込んでみよう。
★の数は他人との接触指数だ。羞恥心の目安にしてもらいたい。
【鞍馬】 出発駅。鞍馬の滝で禊を済ませておこう。
旅の安全を祈ろう。
葛根湯飲んで風邪ひかないようにな。☆☆☆☆☆
【貴船】 丑の刻参りで有名な貴船神社をめぐろう。
自分の名前が書かれた藁人形をここで発見できれば君は孤独じゃない。★☆☆☆☆
【二ノ瀬】 そろそろズボンのジッパーを空ける心構えを。
お年寄りには席を譲ろう。★☆☆☆☆
【市原】 まだだ。まだジッパーを開けるな。早まるな。★☆☆☆☆
【二軒茶屋】 乗客が少し減る。よし、今だ。ズボンを下ろせ。
もちろんパンツも一緒だ。☆☆☆☆☆
【京都精華代前】 運良く乗車してきた芸術学部の学生と仲良くなれば、股間を隠すモノリスが手に入るかも。
美大生の変態への理解を信じろ。★★☆☆☆
【岩倉】 暫くはクレイジーな芸大生しか車内にはいない。
とりあえず下半身の開放感を楽しめ。★★☆☆☆
【木野】 高校が駅近くに林立する。
女子高生が乗ってこないか目視確認を。
モノリスを絶対股間から外すな。★★☆☆☆
【宝ヶ池】 間違っても親子連れで賑わう「子供の楽園」へはそのまま行かないこと。★★★☆☆
【修学院】 モノリスをあてていれば二~三分ぐらいなら商店街を歩けるかも。★★★★☆
【一乗寺】 恵文社で読書。お腹が減っていればラーメンでも食べよう。
昔はラーメン店激戦区だった。★★★★☆
【茶山】 その昔、養豚所があった伝説の町。
わずかな雌豚の残り香を感じれれば君はニュータイプ世代。★★★★☆
【元田中】 忘れるなそろそろズボンを穿く準備だ。パンツは手間を省いてポッケヘしまう。
社会の窓は君の一存に任せる。換気は程々に。★★★★★
【出町柳】 たとえノーパンでも、何食わぬ顔で改札を出よう。
ズボンは穿いているだろ。★★★★★
★5個の駅で乗車中ノーパンを貫いていられれば君のレジェンド属性はかなり高いものだ。
叡山電車下車後、出町柳駅前で自転車に乗りかえる。
レンタルがあるけど借りるのではない。分捕るんだ、男なら勝ち取れ!
自転車をゲットしたら次は百万遍へ向かって今出川通りを東へ行こう。
偏差値がやたら高い人たち(京大生たちだ)が君と同じように自転車で爆走している。
安心しろ。彼等も皆ノーパンだ。
さらに百万遍というところに来たら、京大の裏門を涼しげに通過しよう。部外者だって利用しても意外とばれない。
時計台へ着たらとりあえず木陰に座ってみよう。
そこら辺を歩いている学生さんに見学ツアーしてくださいと頼んでみよう。親切な誰かが文学部とか教育学部(女子多い目)とか図書館を見学させてくれるかもしれない。あるいは事務所へつれていって見学の方法を教えてくれるだろう。
安心しろ、そんな人がいたらきっとその人もノーパンだ。京大にのほほんと在籍するくらいだきっと紙一重はかたい。
大学見物の後、そのまま自転車で鴨川へくり出してみよう。
いい加減この辺でぶんどった自転車の持ち主への良心の呵責は忘れるんだ。人は罪を背負わずして生きていけないのだから。それ以上何か思うところがあるならガンダムに乗るしかない。ちょっくら宇宙(そら)に出て戦ってこい。
天気がよければ鴨川の河川敷、その芝生に横になり、シャツを脱いで肌を黒く焼いてみるのもいいだろう。
その時は腰周りにズボンの日焼け跡がうら白く残るので下も脱ごうな。
日に焼けた肌は男らしさ倍増。マッソ―好きな女子にもてるし、人気者どころか有名人になれるよ、きっと。
そこで一つ忠告。ゲイにはくれぐれも注意するんだぞ。マジ掘られるからな。操は自力で守れ。
さて、こんがりいい色に日焼けが済んだら次はどこへ行こう。
君が賢明ならこの時気づくと思う。
自分が良心的女子にはもててないけれども、かなり大衆の人気者になっている事実に。
道行く人だけでなく、お巡りさんも沢山駆けつけてくれていることだろう。
このとき君はそれほど巷で重要な存在になっていることだろう。
このツアーに凝らされている嗜好、そろそろ解ってきた頃だろう。
では行こう、最後のお楽しみ。胸をはって川端署の見学だ。
お巡りさん先導のもと任意同行という名で署内を探検するんだ。かつ丼は無理だがお泊りくらいはできるかもしれないぞ。
お巡りさんが親切に連れて行ってくれるだろうから暴れず良い子でついていくんだぞ。ハンドインハンド!
そのお巡りさんも、きっとノーパンだ。間違いない。
わいせつ物陳列の感想とか色々話聞いてくれると思う。腹を割って色々と日ごろのうっぷんを晴らせばいい。
それでは最後によい旅の終焉を。グッドラック。
注)実際にやっちゃいけないよこんなツアー。責任は放棄あらかじめしておく。
おしまい