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8月13日更新文芸作品感想

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★8月13日更新文芸作品感想

夏バテはあるでしょうか。
さすがに私も感想書きに疲れてきている。言葉がね、うまく出てこないの。の。の。
先週は漫画のほうを描きまくっていたので文芸作品で読んでいたのは少しでした。
私用で考えることもあって趣味になかなか時間を割けない現実もある。
今月の感想、次回ニノベ一回になりそうです。


今回の感想対象作品は短編集1作品です。
「スカートの骨格」



感想書け次第ageます。
よろしくお願いします。


あとコメント返信も更新します。

「スカートの骨格」   栗野鱗 作
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=13993

キノコメント連続4投下。
驚くなかれ実は6投下ですw
官能小説見合わせ作品も含めるとね。
連投よくやってしまいます。
短編ですので作品ごとにコメントしても文句はこないでしょう。
コメントの傾向で私だと文芸界隈ではバレバレになってしまいました。
前回、ノックアウトにきてくださいと書いていました。
そうしたら、本当にノックアウトされる作品の更新がきました。
これは嬉しい。
栗野鱗先生の作品、私は今回初めて読ませていただきましたが、圧巻の極みです。
知らずに勿体ないことをしていた感じです。
のっけからなんですが本作、一読の価値ありと申しておきましょう。


■各話ごとの感想
【猫舌のこたつむり】【疲れかけのポニーテール】
男女の目線で描かれる互いへの思い。自分の気持ち。共有した時の中で二人はそれぞれどう感じていたか。
男性の視覚でとらえる異性の魅力、愛着を感じたりするところの描写に好感がもてます。先輩でありながら思わずいじりたくなるような香保の可愛さ、むくれる香保の愛らしさが目に浮かびます。
片や女性目線のほうからは、透への力の入りすぎる気遣いや、女性独特の内心のつぶやきに観察力の高さを感じました。思っていることがそのまましぐさに出ていそうな香保、透にも伝わっている気がしますね。微笑ましいです。
男女の脳みそ、思考回路の違いがくっきりあるのにまったくぶれずに二つの物語が重なる。
見事さに感動しました。
尾崎放哉って俳人、本作を機に初めて知りました。

【その、答え】
人生の終わりを迎えるその一瞬でさえも人は初めて何かに気づくことができる。
遺族を責めるか、逝く私を責めるか。どちらもできっこないですね。だってどちらも人なのだから。
両者の間にある感情、考え、主張が簡潔な下りからぐっと人の業が滲み出てきていた気がします。
わが身に置きかえたとき、想像もつかない現場の空気がまるでこれからの手引きかとも感じられました。
心構えは日頃より…と思わされますね。ああ、頭痛。

【ほころぶ】
タイムカプセルから出てきたものは。
封筒に入っていたものにじわっとくるものがありました。
子供のストレートな発想が鮮烈で心地よい発想だと感じました。

【封じ手】
故人(友)との対話。それは夢かうつつか。
友だちとこんなふうに繋がっていられるなら現世でも、たとえ仕方なくとも生きる意味あいがありそうです。
少なくとも生きていようと思えるでしょうか。
老いるほどに友はあるべきかと。欲しいものでしょうね。

【寿司桶のラブソング】
男女関係での和気あいあいとした細やか幸せを祝う一作。
若く見える年頃の二人の男女ですが、どこか成熟した空気に感じ取れました。お互いのことを認め合ってる、信頼関係がある相手がそばにいる。そのありがたみや幸せな時間がしみじみと胸を打ちますね。
お寿司、食べたいです。文芸にグルメタグ、あるいは文芸グルメ雑誌、そろそろいるのではないでしょうかw
なんてね。

【めろんとうみうし】
メールに届いた添付ファイル。その中に見る女優から過去の記憶はより鮮明に……。
本作は「匿名で官能小説企画」の見合わせ作品のもよう。
コメント残しているとおり、見合わせることなんかないほど良い作品だと個人的には思いました。
や、ほんこれ、艶めかしいです。官能・エロにおける視覚的な要素は大きいと思います。釘付けになる目線の先を想像し、いやらしい気持ちを十二分に駆り立てられます。
作家さんご自身では、官能要素全略とおっしゃていましたがとんでもない。評価シートつけるなら官能要素★4~5個をつけたと思います。
文として省かれているところ、その前後から「感じる」エロさが滲み出ているのではないでしょうか。

【残愁】
朽ち行く廃墟にやってきた主。語りかける馴染はすでになし。僧侶の言葉は主の心にどう響いたろう。
なんでしょうねえ……。とても上質で深みのある時間に感じました。見えてくる景色もそこに横たわる時間もすべてが諸行無常の響きあり。しみじみとします。
なんて成熟した感じのある作品でしょう。感嘆の息が漏れました。


■今回更新分までの総括的感想
初見で震える作品。本作は数ある文芸作品の短編集の中でも実力を感じさせてくれました。
落ち着いた文章作りはとても大人びていて、どこか完成された魅力を感じとれる。時の流れの中にある人の生業をまざまざと見せてくれる。またそれを美しく、程よいさじ加減で描いてくれる作風に好感が持てます。
じわじわと心に押し寄せるしっとり味わいある大人の世界観。良いです。懐かしい色合いで独特かつ優しい雰囲気にも心掴まれる。作家さんのただ者でないさまがうかがえました。
文章力に関しては文句の付け所はありません。完璧でした。
今まで本作を知らずにいた自分はバカだったと思いました。とても楽しく味わった気がします。
文芸界隈恐るべし。毎度のことですがホントに驚かされます。
本作、もっと読まれてもいい作品です。既に読まれているのかな?信じられないくらいコメントが少ない。
栗野鱗先生の作品は、過去の企画、妖怪アンソロ企画などにも発見できました。そちらは現在未読です。
けど、そちらも一読の価値ありかと思いました。
煩いですが、おススメです。



■作中印象深かった箇所
・それでもちっちゃい
登場人物にこの愛らしい言葉はしっくりくる。良い。
・あの菓子は『たかいおみせ』のだ!
ここでの人物の視点や世界を見る基準に現実感があると思わされた。子供が重要で目が行くのはこういう小さなところからで、その小さい世界から大人のいる世界も見上げているのだという気持ちにさあせられます。良い。
・広がった歩幅は通い慣れた通学路の所要時間を減らす。
大人になった。身体の変化、動きの大きさ。そこから時が経過した事実をしっとりと感じさせてくれる。良い表現。
・しかし、もう、短いけれども永遠に、こちらの待ち時間。
この重さは語り尽くせない。突き刺さる一文でした。呪文のようで読み手の心を地に串刺しにする。動けなくなります。

他にも感じ入った印象に残る文があったのですが多くなるので省きます。



以上この作品に関する8月13日更新分の感想はここまで。
112, 111

  


★8月13日更新文芸作品感想まとめ

8月13日の感想が終わりました。
だんだん近づいてきています。9月いっぱいで私の感想も終了。
ほーたーるのーひーかーりまーどーのーゆーーきー♪
ですよ。
作品を読むのは楽しい。感想を書くのも楽しい。
楽しんでます。そりゃあもうね、当然。でも、さすがにしんどいねw
私が求める娯楽の一つが活字の世界であったのは良かったことだと思います。
楽しいばかりではなく、気づかされること、知らされることも沢山あります。
無学無知の認識。
活字は知らないことを沢山教えてくれるし、色んな感情に気づかせてくれます。
好奇心や揺れる心も生まれる。
何かを確実に得ている気がするのは確かなのでしょうね。
おバカなのでどうせすぐ忘れてしまうのだけどね。といってしまうと儚いかw
更新きてくれる作品にはいつも刺激をもらえることに感謝するばかりです。



やっぱりバテているのでしょうか。弱っているみたいですよ、クソキノコ。
だが知らない。弱っているなどそんなもなぁ知らない。それがどうした。
やってやるぞ最後まで。わははははー。(空元気)
最悪、感想日程に更新作品0だった場合、過去作品の紹介でもしましょうかね。




次回は8月22日更新のニノベ作品の感想を書きます。
23日に日付が変わるまでに更新してください。
よろしくお願いします。

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