トップに戻る

<< 前 次 >>

ヤングその3/後藤健二

単ページ   最大化   

★10周年記念・文芸チーム感想企画★


こんにちは、後藤健二です。
私からのヤング感想はこれで最後となります。
長々とお付き合い下さり、ありがとうございました。
ヤング感想は柴竹先生、ノンストップ奴先生も書きますので、そちらもお楽しみ下さい。
私はこの後、3月13日更新の文芸・ニノベ作品感想に移りたいと思います。

ヤング感想その3は以下の9作品について。
不評なようなので全話解説型の感想ではなく、要点を押さえた感想にしています。
言い訳させてもらうと、これは「未読の読者向けのレビュー」じゃなく「作者向けの感想」だったんですけどね。
でも未読の読者向けにも書いた方が良かったみたい。
という事で、基本的なスタンスは変わらないけど簡潔に書きます。
それでも28KBほどありますがw

・騎士団物語
・アーマーブレイク
・新年萌え漫画
・虹戦記
・桃次郎
・GOOD LOCK
・ゴミ屋敷
・ドラゴン戦士 - DRAGON WARRIOR
・ASTROPIA







「騎士団物語」
http://takanoaya.r.ribbon.to/index.html



鷹野彩先生作品。
2012年から新都社で漫画を描いていて、私とは同期、いわゆる新人コラボ世代。
個人的にFN(ファンノベル)を書いた作品でもありますし、かなり好きな漫画。
(FNは「本当にあった後藤健二の話」のどこかに置いているので探してくださいw)
新都社のゴールドフィンガー!
巧みな指捌きならぬ筆捌きで、新都社読者を潮吹きならぬ口から茶を吹かせてきた彩先生。
去年完結したと思いきや、今年から第二章が始まりました。
というか、第一章で登場していた「東国系」の異国語で会話する三人組とか結局何しに出てきたんだ?って感じでした。
つまり伏線張りっぱなしで「え?これで終わり?」という要素があった。
第二章ではその伏線の回収にきているようです。
律儀だ!

■騎士団物語の政治的動向
一見、ひたすらおバカなエロギャグをやっている本作ですが…。
背景となる政治的動向も無駄に壮大です。
一応、第一章から整理しておくと…。
戦場の主役がまだ少数精鋭の騎士だった頃の時代。
君主はおらず騎士の合議制で領土経営を行っているらしき騎士団領。
現在はオーディン騎士団長が領主のように振舞っているが、円卓会議で交代する事もある。
そこの女騎士と従者アーサーが主役です。
女騎士は騎士団長とは不仲ですが、他の銀騎士からは一目置かれている。
騎士団領は様々な勢力から狙われている模様。
第一章では北のノキアから狙われており、戦争もしていました。
ノキアは騎士団領の砦を攻略できず撤退。
そして第二章では…。
第三勢力「西王ライオネル」が話にあがってきています。
西王はノキアとも同盟を結んでいる。
異国語で会話する怪しげな三人組は、西王の命で動いているようです。
「東国系」らしいから傭兵なのかもしれませんね。
「同胞」を気にかけていることから、西国における少数民族なのかも。
ノキアの侵略が上手くいけば、彼らはそれに呼応して騎士団領で暴れる手はずだった模様。
だがノキアが撤退した為、現在は動けずにいる。
そんな中、ノキアが二人のアサシンを騎士団領に送り込んできている。
また、騎士団領のお祭りで「アーマーブレイク」という武術大会が開かれる予定。
アーマーブレイクwwwwwコラボwwwww
…という状況のようです。
後、気になるポイントが、第一章第七話。
女騎士の過去が語られています。
女騎士の父親は「彼ら」に騙され、領地・父親・兄のように慕っていたトールは失われた。
そもそも女騎士自身も名前すら明らかになっていないですし、謎が多い。
どこの国出身で、父親達を謀殺したのが何者かも不明。
女騎士は残された宝剣を手に強くなり、騎士団領最高位の銀騎士の称号を得るまでになった。
ヒロイックファンタジー物としてはこれ以上ないぐらい主人公しています。
そして従者が「騎士道物語」の伝説の騎士王アーサーと同じ名前だった。
では女騎士の名前は何だろう…?
今後、女騎士とアーサーが手を携え、父親やトールを謀殺した敵と相対する展開もあるかもしれません。
これがギャグ漫画でさえなければ…!www
長々と語りましたが、大半の読者的にこんな政治動向なんてどうでもいいでしょうwww

■女騎士の処女性
散々痴女ぶりを発揮している女騎士ですが、意外な事にまだ処女です。
…処女と言って良いのかどうかwwwww
まぁ、精神的にはAV出演1000本を越えるつぼみよりは処女ですね。
肉体的には散々色んな男どもから手マンされたり、まんイーター(触手モンスター)に嬲られたりしてますが…。
フェラはまだですし、バイブもちんこも挿入されていない。
処女ですね! 
うん、間違いない!(しろめ)
ちんちんを挿入された訳じゃないからセーフ!
アーマーブレイクの審判ならきっとそう言うと思います。
深く考えない!
でも多分もう膜はないと思う。

■エロ漫画ではなくギャグ漫画
これがエロ漫画なら女騎士はもうそれこそ一話ごとに犯されているでしょう。
でも処女。
頑なに処女を守ります。
ある意味、こんなに身持ちの固い女性キャラはいないってぐらい。
恐らく処女のまま究極の変態性癖を開発するというHVDO計画によるものでしょうwww
そしてアーサーは童貞のまま性技を極めていくのだ…。
きっと彩先生は処女・童貞厨なのだろう。
常々ツイッターでも「これはピュアラブ」って言ってるしね!
うん、間違いなくピュアラブだ(しろめ)
まぁ、真面目に分析すると…。
挿入ありのエロ漫画でもギャグ漫画を兼ね備えているものはいっぱいあります。
でもやはり妊娠リスクや処女喪失をやりつつ、それらをギャグに昇華するのは難しい。
やまなし・おちなし・いみなしのエロ漫画だったら、寒いギャグでも許されるけど…。
これは長期連載ストーリー漫画ですから、そんな安易な事はできないでしょう。
安心して笑う為にも、女騎士の貞操は幾度も危機に遭いながらも結局は守られていくかと思います。
だから怪人ハンターズのひよこちゃんの処女も守られるんですよ!…多分。

■おねショタ要素
実はああ見えてアーサーは15歳です。
中学三年生です。
そして女騎士の年齢は明らかにされておりませんが、アーサーよりは年上でしょう。
つまりおねショタ…!?
年齢の割に体が大きなショタに迫られる女騎士。
ふむ、悪くない…。
彩先生はおねショタアンソロジーに投稿する権利があると思います!!!!!

■肥大化する女騎士
1章1話から「デブ」だの「ブタ」だの罵られていましたが…。
作画的にはまぁ騎士なんだし? 鍛えているから体格が良いのかな? 程度でした。
胸も尻もやたらでかいけど、ウエストはきゅっと締まっているしね。
グラマーだけどデブではないかな? と読者的には感じていました。
いました(過去形)
2章1話…。
久々に見たからという錯覚ではない。
明らかに全体的にデ…ふくよかになっていらっしゃる!www
どうもバランス的に胸と尻を大きく描く為、それを支える太ももが太くなった気がします。
顔だけは相変わらず小さくて可愛いのに、それ以外が全体的にでかい!
10周年集合絵に出てきた女騎士なんてプロレスラーかな?ってレベル。
退魔士・桔梗に出演していても余り違和感がないwwwww
東国系の褐色女戦士さんと同じ画面に並んだら絶対比較されるなこれ…www
バスト99、ウエスト77、ヒップ99ってところでしょうか。

■エロバカギャグ要素
最早説明する必要もないぐらい秀逸で、本作最大のチャームポイント。
バスタード初期のほのぼのエロギャグ路線を思い出させてくれます。
モブも含めて男性陣からは、萩原一至的ゲス顔がちらつく。
お前らみんな男子中学生か!www
毎回そうツッコミたくなるノリですね。
特に注目したいところが、ちんちんを挿入せず、手マンをとにかくやりたがるところ。
お前ら「俺のいかせテクニックは最高だぜ」とそんなに主張したいのか…!?w
やはりゴールドフィンガーを目指しているとしか思えない。
でも伝統的な騎士だって、盾の裏に貴婦人の肌着の切れ端を張り付けて「姫の為に戦う!」とかやってたんだし。
メンタリティ的に中世の騎士ってそんなものなのかもしれない。
エロいが明るく、愛すべきおバカ達で、彼らの勇気に時に元気付けられる。
特筆すべきは第一章後半に出てきた傭兵ライナス。
彼の蛮勇には感動すら覚えたものです。
彼らの勇気=女騎士の受難となるのですがwww
そして各話最後に出てくる煽り文…!
彩先生、それもう笑うしかないやん…!www

総括するとまぁ、こう長々と文章で語る前に、読め!
絵的な破壊力が強い漫画の為、文章だけで魅力は語り切れないところがありますね。
これからも楽しませて頂きたいです。






「アーマーブレイク」
http://armorbreak.x.fc2.com/



道木先生作品。
鷹野彩先生と同じく、新人コラボ世代。
「たつまきアドミラリ!」と「はいろり」と「遠征譚」と様々連載されてきました。
ただ、それらはいつの間にか登録解除されている…。
現在は「クラフトロニカ」と本作しか読めません。
はいろりは1話だけリメイクされていますが、随分絵が変わったんだなーとびっくり。
初期に比べ、本当にどんどん上手くなってきておられます。
描線・陰影がくっきりして見やすく綺麗になりました。
アドミラリなんかは作品名が覚え辛かったけど、実に骨太で王道な作品だった。また読みたい。
遠征譚は…屍姦・スカトロしまくりで衝撃的でしたね…うん…。
でもあれが一番、道木先生の闇の深い部分を活写していたのではないかと。
本作はそれに比べればまぁ、これでも一般寄りなのです。
大事なので二度言いますが、これでも一般寄りなのです。
それにしても続けてバカエロ路線の作品の感想を書くのは体力がいる…っていうか…。
主に腹筋が鍛えられますね!!!w

■女騎士同士の股間が熱くなるエロバトル
男子禁制の女騎士だけの闘技場。
相手を傷つけずに鎧だけを破壊して丸裸にする。
それだけが唯一の勝利条件。
まるっきりあれですね…「ドキッ! 女だらけの水着大会! ポロリもあるよ!」をファンタジーにしただけのようなw
観客は男(遠征譚の主人公・通称道木モブ)ばっかりw
しかし独裁者で気まぐれな審判はいるし、出場選手は変態ばっかだし、大会の裏側では密かな陰謀も進んでいるしで。
そう単純な話でもない。
ただ毎回毎回、強烈なパンチ力があるエロネタを出してくるので、ついついストーリー部分が吹っ飛んでしまいそうになるのが困り物ですねw

■忘れがちなストーリー部分
騎士団物語と同じく、割と軽視されがちなストーリー部分。
コメント欄でもほっとんど触れられていないw
更に騎士団物語と違い、群像劇でもあるのでどこを主軸に話を追えば良いか分かり辛い部分もあります。
まぁ、そんなに多くのページ数がある訳でもないので、通して1度読めば頭に入ってくるでしょう。
1回1回の更新分だけ読んでると多分忘れますw
一応サラッと粗筋。
一応主人公?アリエルを主軸に大会側の様子は描かれています。
他の重要な出場選手としては、優勝候補のグレメダ。
そしてデコメガネ(クレアミス)ですね。
一方、予選で敗退したルーシーとキジトラを主軸に大会裏で動く陰謀が描かれる。
アーマーブレイク主催の王国は随分強引な帝国主義の模様。
サラッと語られてましたが、途中で出てきたアルケニー(魔物)のディアメディアの背景。
魔物の国に軍隊をけしかけて滅ぼして軍門に下らせたりしているみたいです。
で、実はデコメガネ(クレアミス)はそんな体制側の人間。
それに対するショタ(クレトス)は反体制側の…滅ぼされた種族(悪魔?)
銀髪耳長のショタの親戚とは、似た容姿のグレメダっぽいですね。
現在はショタの陰謀により、ルーシーとキジトラが悪魔召還の生贄にされかかるが、そこに踏み込んだデコメガネが代わりの生贄にされてしまう。
召還されたペニスノオロチ様から爆誕したのがアンリ・マン…じゃねぇ、色情大魔アスモデウス。
ルーシーはアスモデウスに挑もうとする。
もし勝つことができたらルーシーの大会復帰の目もありそう。
と、大会側よりむしろ裏側の方が面白くなってきているところ。
エロネタに目を奪われがちですが、意外にもしっかり練られた骨太なストーリーなんですよね。

■あらゆる性癖を網羅
主にむっちり系巨乳お姉ちゃんが主力ですが…。
・アリエル(毛深い)
・ルーシー(デブ)
・キジトラ(陥没乳首)
・クレアミス(陰険デコメガネ)
・グレメダ(メカクレ痴女&勃起乳首)
・バルゥ(猫耳褐色アナルパールにスカトロ)
・ピアス(乳首ピアス&母乳)
・ルネスカ(巨根女装子)
・トロケア(露出オナニー)
・ソロネ(罵倒)
・ピンツィオ(アナルフィスト)
・ベラドンナ(貧乳でか乳首臭いフェチ)
・ディアメディア(緊縛)
・クソ審判(ホモショタ)
と、あらゆる属性・性癖を網羅してきております。
(誰一人まともなやつがいない…)
ちなみにアドミラリにもいたよね大食いのデブ女騎士w
つまり道木先生といえばスカトロって言われるけど、どちらかといえばデブ専なのでは?
鷹野彩先生と旨い酒が呑めそうですなぁ…。
こうやって様々な性癖を網羅することで、広い読者層を獲得できるでしょう。
でもリョナ展開をなかった事にしたあたり、妥協する姿勢も見せてくれている。
暴走する事はなさそうで、割と安心して読めます。
クソ審判以外はw

■クソ審判
もはや本作を語る上で、欠かせない人物となっている。
怪人ハンターズでも怪人扱いを受けていたり、その存在感はピカイチ。
ある意味、こいつが主役と言っても差し支えないし、クソ審判の所業にむかつきつつも毎回爆笑させてもらっていますw
主にショタ性癖のようで、ルネスカに言葉責めしながらセクハラした件は絶許。
アリエル・ベラドンナ戦でのジャッジなども横暴の一言でしたしねー。
なぜこんなやつが審判をしているのか、体制側の闇の件も含めてその内明かされるかもしれません。
「俺が神」とか言ってますが、一度審判の座を下ろされて投獄までされているのに、復帰の目はあるのか?
実はこいつが王国の偉いさん、大会主催者(王様)とかだったら実にぞっとします。

と、こんなところでしょうか。
さて、通して読んでみると、改めてクオリティの高さを感じます。
これまでの道木作品の中でも最も一般受けしそうだし、面白い。
エロはエロだけど、騎士団物語と同じく、どちらかというとエロギャグで楽しませてくれます。
なので一般受けすると思う訳ですね。
大会も中盤に入り、ますます盛り上がりを見せてくるでしょう。
続きも楽しみにしています!








「新年萌え漫画」
http://hcny.xxxxxxxx.jp/



イケメン童貞先生作品。
作者プロフィール:年齢20代後半 九州育ちの現関東在住です。
あくまでフィクションって事だけど、作者の実体験のようにも感じられるw
今年始まった漫画の中では、個人的に最も気になる作品。
新規登録され、セパレート上で一番上にある「まとめて読む」の6ページは紛れもないクソ漫画で、kumakatu3先生が名前変えたのかな?と思いましたw
でも本番はここからだった。

■漠然とした将来への不安
仕事はやりがいの欠片もない流れ作業の工場。
休日もソシャゲやニコ動や新都社で無為に潰す。
何も熱中できるものがなく、だらだらと時間が過ぎ去るだけの生活。
コミュ障だから結婚もできそうにないし、孤独死まっしぐら?
主人公・糞ゴリラの不安や悩みは、現代を生きる我々なら多かれ少なかれ身に覚えがあるだろう。
2chでも良く「26歳独男だが手取り月18万ってどう思う?」とか「29歳家事手伝いの独女だけど30歳までに結婚したい」等々。
現状に不満・不安を抱えた声は溢れかえっている。
本作はそうした現代の不安感を非常に上手く描写している。
ゆえに、糞ゴリラにどうしようもなく感情移入してしまい、彼がどうなっていくのか目が離せない。
実に秀逸。
また、当初雑だった絵柄がどんどん緻密になっていき、夢のような展開とは裏腹に、リアリティと緊迫感は増してきている。
最初の6ページで初見切りした人はいるかもしれない。
あれは何だったのか…実は、本編初回を見れば分かるが、糞ゴリラが暇潰しに描いて投稿した6ページだったのだ。
あの6ページ同様、中身の何もない糞ゴリラが変われるかどうか。
漫画の評価は劇的に変わったが、糞ゴリラ自身は何一つ変わっていない…ように見える。
いや、ちょっとだけイケメンに見えてきたかもw
ところで彼は頭髪がちょっとパーマかかっているし、毛深い方なんじゃないかと思う。
だから糞ゴリラってニックネームなのでは…?w 想像だけど。
作者は九州出身みたいだけど九州の人って毛深い人多いよね! つまり…!w
タイトルは新年萌え漫画。
現在はそのタイトル通り、みゆきに萌えまくるラブストーリーになりつつある。
これが初夢でない事を…。
生活版「絶夢」でない事を祈るばかりだ。
でもそうなったらある意味名作。

■みゆき(めぞん)
コーヒーショップでバイトする大学3回生(回生という言い方だから西日本の話と思われる)
大学の軽音サークルでの糞ゴリラの後輩。
めぞんというニックネームは「めぞん一刻」からだろうか…。
「私、今付き合ってる人居ないですよ」
この台詞から考えられるのは、めぞん一刻同様、過去には男が居た事を示唆している。
サークルの後輩と付き合っていたという噂もあった。
こいつぁ地雷臭がぷんぷんするぜぇ…!
とはいえ、別に糞ゴリラが処女厨である様子も感じられないし、みゆきはとても可愛い。
閉店したコーヒーショップで寝入っていた糞ゴリラを起こすみゆき…。
ここの演出は実に秀逸。萌える。
夢の続きなんじゃないの?と穿った見方もしてしまうが…w
糞ゴリラには是非みゆきと付き合う事で変わっていってもらいたいところだ。
でもさくっと伊藤あたりにNTRされそうでもあり怖い。

■ダークサイド編(sage更新中)
不吉なタイトル。
糞ゴリラの過去が語られるようである…。
彼の抱える闇、無気力・めんどくさがりな性格の原因が明らかになりそう。
続き楽しみにしています。









「虹戦記」
http://nizisenki.xxxxxxxx.jp/index.html



虹先生作品。
手抜きの絵と本気絵の落差が激しいw
本気絵はまさにプロ級だけど、半分以上はネーム状態。
新都社漫画だからこれでいいけどねw
第一話なんて殆どネームだったけど、話数が進むごとに本気絵の割合は増えている印象。
おまけ漫画の方は、内容いつの間にか変わってますね。
前は何か巨乳の悪魔娘が出ていたような…?
それが消されてNTRフェチの男と巨乳彼女の話になっていました。
内容がちょくちょく変わるならもっと良くチェックしておかないといけないかも。
後でまとめて読めばいいやと放置してたら見逃しそうです。

■王道少年漫画
本編の内容は実に王道しています。
主人公パルスは世界最強を目指して旅する剣士。
田舎から出てきて世間知らずですが、自分の信念は強く持っている。
一見、自分が強くなる事にしか興味がないストイックな様子ですが、心優しいところも見せている。
ルックスはFF7のクラウドで中身はワンピースのルフィみたい。
「世界最強の男に、俺はなる!」って言っても違和感ない。
巨乳ヒロインはいるし、悪党は悪党らしい。
アクションも上手いし爽快。
ジャックポット戦なんてア-ロン一味と戦ってナミを救ったルフィのようでとてもかっこよかった。
仲間となるゼリコとサフィールの境遇やキャラクターもどっかで見たことあるような気がするけど…。
まぁ、王道ゆえにってところですね!
本当に商業誌によく載っていそうな、「売れ線」の内容だと思います。
尖りまくった新都社のアマチュア漫画を読みまくっていると逆に新鮮。
穿った見方ばかりする新都社読者的には素直に読めないかもしれませんが…。
純粋に面白い王道少年漫画。
最初から本気絵の割合が高ければもっと評価されていたでしょう。

■おまけ漫画
虹先生は巨乳好きなんですね。
男の方はNTRフェチだけど、本気で寝取られたいと思っている訳じゃないみたい。
巨乳彼女が他の男におっぱい揉まれるのを見てみたいというだけ。
それもいかにもなヤリチンではなく、女慣れしていない青臭い童貞にと。
中々業深い性癖ですね。
しかもそれを彼女に明かすとかwww
そこは普通彼女に明かさずいくところですよ。
「彼氏に悪い…」って思いながら他人に抱かれる彼女ってシチュエーションこそNTRフェチの真骨頂ですからね。
性癖明かしちゃったら、「変態!」となってあっさり振られそうだけど…。
彼女は彼氏の良いところも知っているからそうはならない。
じゃあ彼氏の性癖を満たす為に協力するのかな?
ってところですね。
結末はどうなるか分かりませんが、ここまで引っ張ったんだからちゃんと彼女が彼氏以外におっぱい揉まれるところは描いてほしいところです。
それでいて、NTRを嫌悪感抱かずに描くことができるか?
普通に揉ませるだけなら彼氏クズやんで終わりますしね。
これは結構難題ですよ。
注目しておきたいところです。








「桃次郎」
http://momojirou0817.web.fc2.com/


NKGW先生作品。
新都社は「ピーチボーイリバーサイド」に代表されるように、桃太郎漫画が実に多い。
遊戯王やポケモンなどと同じく、ある意味一つのジャンルですね。
同じ題材の中で独自性をいかに出すか、作者のセンスが問われるところです。
本作はいわゆる御伽噺の桃太郎の「二代目」を描いている。
だから太郎じゃなく次郎が主人公。
おばあさんにスルーされ、鬼に育てられる次郎。
この鬼達は一度桃太郎に懲らしめられた鬼の子供世代。
人間達に恨みはなく、共存したいと考えている。
だが桃次郎は人間に反感を抱いており、更に桃から生まれた「神子」の性質から殺意の衝動に駆られてしまい…。
途中で少し話が分かり辛いところがありますが、第17話最後に分かりやすいパワプロ風解説があります。
分かり辛くてもページをめくる手は止めず、どんどん読み進めるのをおすすめします。

■差別や憎しみの連鎖を断ち切る物語…ではなく、次郎の成長物語
親世代を桃太郎に皆殺しにされた鬼の子供世代。
ボスの鉄は人間達と共存しようと頑張っている。
他の子鬼達も素直にそれについてきてくれている。
一方、人間達も鬼は怖い存在と思っていたが、鉄の頑張りでイメージは回復。
それぞれ仲良くやっていけそうでした。
でも親世代が癌。
初代桃太郎と鉄の父鬼が殺意と復讐心メラメラ。
子供世代はそれに振り回され、憎しみの連鎖が再び絡み合うのかと思いました。
でも、意外にこじれなかった。
敵は桃太郎でも父鬼でもなく、創造主へと向けられる模様。
今までの話は何だったんだw
どうも桃次郎ではなく、次郎の成長物語として繋げられるようです。
神子、人間、鬼。
それぞれのアイデンティティを持っている次郎。
自分とは一体何なのか?
本能的な殺意の衝動にも打ち勝ち、自ら答えを見つける次郎。
現実では20歳や30歳を過ぎても迷いっぱなしの人間が多いというのに…。
3歳半にしてこの精神的成長。
イケメンすぎる。

■絵、特に心理描写が凄い
緊迫感のあるシリアスな表情が上手い。
特に第十七話、浜辺で桃太郎と次郎が語り合うシーンなど。
心理描写で次郎に語りかける本能の誘惑とかえぐくて怖い。
初期はラフな絵ばかりでしたが、ところどころの見せ場でここぞという迫力ある絵が出てきました。
緻密な絵は見たまんま凄いと分かりますが、一方で子鬼達のデザインもシンプルながらドラクエのスライムっぽさがあって可愛い。
各話ラストの鬼繋がりの版権絵も魅力的。
絵の上手な人はやはり大正義と思い知ります。
それだけで読ませる力がありますからね。










「GOOD LOCK」
http://chaosstory.web.fc2.com/goodlock/goodlock.html


キツヌコ先生作品。
正直言って画力は余り高くありません。
私とどっこいどっこいぐらいかな?
でも下手なりにもう少し分かりやすくできるでしょう。
下手でも手抜きはしていないと分かる絵なので、その辺を頑張って欲しいところ。
絵的に状況が良く分からない部分が目立ちます。
人物の見分けも時々つかない。
国王陛下らしき老人が暴漢を撃退したシーンなど、首から上がおさらばしたのかとw
話の方も、展開的にはあちらこちらに話題がとっちらかっていて、どこを主軸にしたいのか分からない。
機動隊によって封鎖されたショッピングモール。

その中で以下の出来事が起きている。
・発砲事件が起きる
・怪盗が潜んでいる
・国王陛下とその孫がお忍びで来ている
・黒人女性と着物の日本人女装子が公衆の面前でセックスしている
・主人公の少年がカップルに絡まれている

大きな疑問点としては…。
・国王陛下がお忍びで来ているのなら、モール内に機動隊が入ってきてもおかしくないのに封鎖するだけで精一杯なのか?
・日本人女装子は公衆の面前でセックスしていたくせに、はやしたてられたら何故不快感を露にしているのか?

読者に疑問を持たせたまま、性急に事が進められすぎている。
キャラが立っていない内に、これら全ての状況を進めるのはしんどいと思う。
河童とか神威とかの映画ポスターでコラボする前に、本編漫画のキャラ紹介が先でしょう。
いっぱいキャラ出てますが、誰一人名前が頭に入ってこない。
女装子だけ名前がはっきり出ていたけど、実はこの子が主役?
TOP絵も女装子だし。
でも視点は少年の方だしなぁ…。
画力はすぐに上がらないので仕方ないが、展開までとっちらかっていてはね…。
作者コメント:夢で見たお話。客層が頭おかしい。
とのことですが、人に見せるならもう少し整理して欲しいところ。
頑張って描いているのは伝わりますが、色々と惜しい作品です。








「ゴミ屋敷」
http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=17575


力丸先生の読切作品。
また凄い漫画が更新されたものです。
13日には119作品更新されていたのに、新作読切のこれがホットに入ってましたからね!
高い画力でゴミ屋敷を実にリアルに描いています。

■異常な外山君
冒頭、帽子のゴムを噛んでいる外山君。
もうここからして「この子、普通じゃない」感が凄い。
水でふやかしたドッグフードを平然と食べ…。
明らかに風呂にも入っていない。
ゴミ屋敷での異常な生活が染み付いている。
また、外山君の表情がテンション低いんですよね。
ゴミ屋敷に来てテンション上がりまくっている友達二人とは対照的に。
恐らく、それが日常だからでしょうけど、ゴミ屋敷を見られて「恥ずかしい」って感覚もない。
友達二人の「秘密基地作ろうぜ」って無邪気な提案にも「いいね」と応じる。
ナレーション通り、彼も異常さに気づいていない様子。

■無邪気すぎる友達二人
幾らなんでも無邪気すぎるだろうwww
見た感じ、10歳前後?
ゴミ屋敷の周囲の風景も出ていますが、郊外か田舎のようです。
都会の子供に比べると純真に育ったのかも…。
もっと子供って残酷だと思うんですよね。
少なくとも私の育った尼崎だったら、外山君は間違いなく外山菌扱いで酷いいじめに発展しています。
でもそうならない。
何となくほっとする。
しかしながら最後のページ。
中学生か高校生ぐらいになった黒髪の友達が、静かなゴミ屋敷を眺めているシーンで終わっています。
後姿でその表情は見えない。
これ、色々と考えさせられる。
流石に中学生ぐらいになれば、ゴミ屋敷の異常性に気づく。
そして迫害を受けた外山君は引っ越してしまったのかもしれない…。
何とも無常ではありませんか。

総括すると、高い画力とリアルすぎるゴミ屋敷の様子でインパクトは絶大。
そりゃコメも伸びる。
この続きは読みたいようで、読みたくもない。
最後のページで色々と想像してしまうから。
議論の余地を残しつつ、読者で勝手に想像して下さいってところでしょうか。
実に良くできた読切だなと思います。
決して尻切れトンボではない。
面白かったです!








「ドラゴン戦士 - DRAGON WARRIOR」
http://dragonwarrior.web.fc2.com/index.html


公星(モンゴル)先生&有末(大臣)先生による合作。
合作って余り上手くいっている事が少ないですよね。
新都社漫画は趣味な訳だし、仕事じゃないから尚更。
二人の内のどちらかの生活環境が変わったり、コミュニケーションが上手くいかなかったりで。
本作は公星先生と有末先生が交互にページを描いています。
原作×作画より、漫画家同士のページ交互作画の方が上手くいくのかもしれませんね。
絵柄の差による違和感は拭えませんがw

■新都社スピリッツの体現者
2006年1月から続いていて、まだ更新されている。
それ自体が物凄い事だと思います。
新都社民から愛されているのは間違いなく、第一部のインターハイ出場高校選手に「読者公募キャラ」が沢山出てきます。
その他、FAは当たり前の事、ファンボイス、ボイスドラマまで。
漫画本編だけではなく、その周辺での盛り上がりも凄い。
「素敵なパーティー始めましょう♪」なお祭り騒ぎな作品っぽい。
つまり新都社スピリッツを体現している。
内容はともかくとして、これが新都社で更新されている事に意義があります。
だから是非完結まで頑張って頂きたいところですね。

■第一部は半年で完結
通して読んでびっくりしたのですが、第一部は2006年のたった半年で終わってるんですね。
じゃあ第二部どんだけ時間かけてんだよ!!!!!wwwww
この作品の最も濃い部分、ピークは第一部のようです。
新都社において更新速度は大正義。
作者のテンションが高いので、作画クオリティはともかく内容もテンション高め。
楽しんで描いているなっていうのが凄く伝わります。

■唯一無二のキセルバトル
本作最大の特徴にして独自要素。
主要登場人物達は高校生の癖に、キセル(煙管)を武器に戦います。
世の中の嫌煙ブームに真っ向から立ち向かっている…!
キセルが巨大化する!
キセルで空を飛ぶ!
キセルでカットバックドロップターンをする!
な、何を言っているか分からねぇと思うが…ry)
キセル部に入部した主人公・龍は、仲間のハゲ(染め次郎)とヒロイン(みるく)と共に、キセルのインターハイに出場する。
そこでも荒唐無稽なキセルバトルが繰り広げられる。
まぁ、ハンター×ハンターにおけるハンター試験と幽々白書の暗黒武術会を足して2で割った感じです。
予選ではレースしたりゴルフしたりします。キセルで。
本線では能力バトルします。キセルで。
常時ツッコミどころ満載ですし、絵柄はキャラの識別が困難なほどころころ変わるし、そのくせキャラ数は膨大。
中々読むのが疲れそうなのですが、深く考えずざーっと斜め読みしていくとすいすい読めます。
商業漫画は高級レストランの食事で、新都社漫画はジャンクフード。
本作はジャンクフードの中でも駄菓子屋のお菓子的な味わいがあります。
チープなんだけどくせになり、記憶に残る味。
と、ちょっと褒めすぎたかなぁ?w
(運営相手だから媚売ってる訳じゃないぞw)

■第二部は群像劇
ニフラム2000(正式名称は別にある)については第一部からその正体が普通じゃない事を匂わせていた。
キセルバトルを成り立たせるミノフスキー粒子的なエーテルとやらも伏線だなーと。
第一部ではインターハイで桃尻高校キセル部を主軸に描かれていたが、様々な謎を抱えたまま消化不良気味に終わった。
第二部では新キャラも加えつつ、様々な伏線を紐解いていく壮大な群像劇となっており、三本の線に収束されていく。
・龍とフェルナンデスを主軸にしたキセル夢界パート
・染め次郎とみるくを主軸にした学園パート
・ローザとエドワードを主軸としたWPIと過去の謎を巡るパート
公星先生・有末先生共に第一部より画力はアップしており、登場キャラは非常に多いが一人一人のキャラがとても立っている。
ただ、絵柄のギャップが第一部より激しくなった気がするw
特にみるくなんて特徴が薄いから言われなきゃ分からんw
絵柄のギャップや成長を逆手に取った演出もあり、第一部二話で出てきたキャラが第二部に重要キャラとして出てきたのは超絶笑ったw
やはり第一部より複雑な構成を見事に活写しているのは成長の証と言える。
伊集院、荒木などのインターハイで出てきた人気キャラも第二部で魅力的に描かれていて嬉しい。
これだけキャラが多いのに展開がとっちらかっていないのは凄いです。
長期連載だから放りっぱなしになった伏線とか多いと思っていたのに。
最新更新分と恐らく次回更新でかなりの伏線は解明されそうです。

総括すると、長期連載ということで読むの大変そうと思って放置していたのが悔やまれる。
それぐらいサクサク読めたし、一気に読んだから話も分かりやすかった。
(長期連載は途中で更新が途絶えると話を忘れる)
余りに古い作品だから躊躇している方もいるかもしれませんが、是非通して読んで貰いたい。
リレー・合作漫画とは思えないハイクオリティな漫画です。







「ASTROPIA」
http://astropia.web.fc2.com/


ときま先生作品。
天体擬人化漫画ですね。
国家擬人化漫画のヘタリアを例にあげるまでもなく、最近は本当に色んなものが擬人化される…。
大抵が美少年や美少女になり、ネタ元の要素がひっじょーに薄く感じたりも。
そんな中、本作は元ネタとなる天体(太陽、地球、ブラックホールなど)の要素をかなり取り入れている。
安易に美少女や美少年にしない姿勢は素晴らしいと思う。
そのデザインが実に秀逸で、ときま先生にしか生み出せないセンスだと思う。
一方、人間らしきキャラクターは不気味なデザインにされている。
悪意の塊のような、ウイルスのような。
最初の「ツォモの話」では太陽のナルに生贄を捧げていくシーンなど特にそう感じる。
天体が人間らしい感情を持ち生活を営む一方、人間はあくまで気持ち悪い存在として描かれている。
そういえばヘタリアもそんな感じだったなぁと思い出す。
擬人化された国家達はとてもキャラが立っているが、その国家に属すると思われる人間達はモブとしてしか描かれない。
それも余り好意的には描かれていなかった気がする。
戦争シーンを派手に見せる人数合わせのような扱い?
本作でも恐らく、人間はモブ扱い、それも天体達に対する脅威・ウイルスとして描かれるのでは…?
傷ついて狂ってしまった地球ガザルの姿はとても痛々しい。
本作が今後どういうストーリーとなるかは分からないが、最初の話を突き詰めた物となるなら興味深く感じられそうだ。
21

文芸感想チーム 先生に励ましのお便りを送ろう!!

〒みんなの感想を読む

<< 前 次 >>

トップに戻る