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一日目 コロンボ〜キャンディー

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0 はじめに

こんにちは。この作品は作者が2014年に父と行った一週間のスリランカ(セイロン島)旅行のノンフィクション旅行記です。
極めて自伝的な内容になります。さらに、終盤は反日本的な色が強くなると思います。気にされる方は、バックを推奨します。
良くも悪くも、ノンフィクションです。
各所で貼られる画像は筆者が自分のデジカメで撮影したものです。
海外旅行に行ったことがある、もしくは興味がある、といった人は興味を持って頂けるかと思います。
2, 1

  

1 空港


着陸間近の飛行機の中から地上の町が見えた。…いや、あまり見えなかった。明かりは少なく、暗い森の中を進んでいるかのようだった。
飛行機を降りた。
スリランカ・首都コロンボ。
安いチケットの最悪に心地が悪い飛行機旅も終わり、インド南に位置する島国に到着したのだ。
広いロビーで俺は初めてスリランカ人を見たが、彼らの肌が暗い色である事すら知らなかった。予習不足だった。ここで数年前まで起きていた内戦についても、大して知らなかった。
見知らぬシンハラ文字とタミル文字。
人口の大部分を占めるシンハラ人のシンハラ語をあらわすシンハラ文字は、半円を組み合わせたような、カーブが沢山ある文字。葉に書いていたため、葉が切れないように直線が少なくカーブが多い、といった歴史があるらしい(要出典)。
タミル文字は、インドから来た少数民族タミル人の文字。丸っこいキュートなシンハラ文字とは対局的に、しっかり角が効いていてかっこいい。
俺が色んなものを見ている間、親父は空港の売店で飴を買った。子供たちにあげる用との事だ。
俺と親父のふたりはタクシーを雇い、朝四時の空港から出た。
空港から足を出したその瞬間…突然知らぬ空気が肺に吸い込まれる。空気は濃い緑と茶色だった。日本の透明な空気しか知らない俺は、別の惑星に降り立った気分になった。…深い緑に覆われた星…茶色い土と濃い緑の森が濃く凝縮されたような匂い…とても濃い匂いだった。暑かった。
熱帯らしい木が並々と並んでいる。空港の入り口には褐色の肌をした人たちが俺を飲み込む洪水のごとくうようよ行きつ戻りつしていた。
昨日、経由で立ち寄ったソウルは、確か日本とほぼ同じ空気を持っていた。あそこに降りたときは何も感じなかった。何も…
だがここは《違う》…
新たな世界が目の前に開かれた。
開かれたばかりか、鼻から肺に入って俺を満たし始めていた。
4, 3

  

2 モスク


首都コロンボの早朝。通りに人は少なかった。俺は微妙に身が強張って、スリにものが取られないように拳を握りながら歩いていた。無用な心配だ。そんな阿呆らしいことをしていたのはこの初日の朝だけ。ただの、新しい土地への防衛反応だった。
スリランカの治安は良い。
親父は去年ひとりでスリランカに来ているのでやるべきことを知っていた。初めに、俺に赤いモスクを見せたいらしいのだ。モスクとは言うまでもなく、イスラム教の教会である。
スリランカは人口の七割が仏教徒だが、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教徒もいる。彼らは宗教に熱心で、仏像は国中どこでも目にする。教会やモスクも各地にあり、知らなければ少数派には見えない。
彼らの宗教はおそらく本物で、我が国のビジネス宗教( )やオカルトとは当然違う。
我々が訪れた赤いモスクは鉄骨に囲まれていた。運悪く、修理中らしい。
親父は旅慣れているのでズカズカとモスクの中に入って行った。俺はとにかく嫌な予感がして、立ちすくんでいたが、ついていく他ない。
かなり広い場所で、ただの一軒家的な建築物ではない。我々は広い中庭的な所にいて、天井はないので、まだ入ったとは言わないだろう。扉はなく、中の様子が伺えた。
中に、イスラム教徒がいる。五人くらいが座っている。何をしているかは分からない。角度的に、ひとりかふたりが、我々の存在に気づいているようだ。特に反応はない。
怖くなかったと言えば嘘になる。異教徒が人のモスクに勝手に入って来て良いのだろうか?不安だった。
親父はお構いなくあらゆるアングルでパシャパシャと写真を撮っている。俺はカメラを出すことすらしなかった。
親父が上にいる誰かと話していた。なんだ?と思うとその男はゆっくりと中庭に降りてきた。どうやら入って良いとのことらしい。親父に続いた。今すぐ出たかった。
我々は靴を脱ぎ、おじさんに続いて階段を上がっていった。おじさんは、5,60の中年から老人に入ろうとしているような年で、モスクで一番偉い人らしい。常に落ち着いているようで、腹が立つくらいゆっくりと歩き、腹あたりもゆったりとした脂肪がついていた。(笑い)
中庭から左手の方に例の五人の教徒がいたが、我々は右手の方からはいり、こちら側には人ひとりとおらず、静まり返っていた。遠くの自動車の音だけが聴こえた。床に敷物はなく、とても硬くて冷たかった。階段は剥き出しのコンクリートで、手すりなどはない。おじさんは公式の場にいるかのような動きで一階一階登って行き我々は彼に続く。イスラム教は偶像崇拝を禁じているため、像や絵はもちろん、装飾といえるようなものは一切なかった。硬い床の広い部屋がずっと上まで続く。おじさんによると、一万人が入れるらしい。(うろ覚え。多いかな?多いな。怪しい)壊れたエスカレータが地味に、奥のほうにあった。ここ十年くらいは使われた気配はない。こいつについては特に聞かなかった。
屋上についた。港が見えた。朝の港は静かで素敵だった。(下に画像があるよ)
悪いと思ったのでモスク内部では写真を撮っていない。(と思いきやスマホをみると一枚ありました)
おじさんは優しい方だった。当然である。過激派は全体のイメージを悪くしているごくごく一部の少数派に過ぎない。
我々が去るとき、親父はおじさんにチップを渡した。100ルピー、80円くらいだろうか。お昼に何かいいものを食べな、的なことを言っていた。我が国ではやらないが、感謝の気持ちである。
続いて、ヒンドゥー教の神殿?に入った。こちらは残念ながら中で写真を撮らなかった。入り口が遊園地に見えた。勝手に中に入ると、男が俺と親父のデコにあの点を打った。あのインド人がつけてる点だ。出るときは牛乳の一欠片を飲まされた。安全か分からないが、断ることはできない。
モスクとヒンドゥーの建物に入って、私はあることに気がついた。彼らが普通に歓迎してくれたことだ。まるで外の人と中の人を区別していないかのように…
6, 5

  

8, 7

  

3 キャンディーへ


コロンボ・フォート駅。イギリスに占領された場所。フォートとは砦である。
スリランカで最も大きい駅であり、ここでは色々と驚きがあった。
まず一つは、駅に日本語の教科書があったこと。本屋ですらない、ホームの売店にである!もうひとつは、出口にショットガンを持った警官がいたこと。(怖)
自動改札はなく、きっぷ売りも全て人間がやっている。
駅の外で、印象的なことがあった。店の少年が、「カム、プリーズ」と言いながら親父に触れたのだ。…熱心な勧誘。…
駅前にはホームレスが寝ていた。野良犬も一緒に寝ている。

列車に乗りいざキャンディーへ。
列車に放送は一切ない。扉も閉まらず、開けっ放しである。涼しくて良い。
キャンディーは仏教の中心地で、池のまわりに作られた町。ブッダの歯が納められてる場所がある。(ただし、こういう聖遺物はモノホンかは分からないってことは覚えとこう)
10, 9

  

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