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トーナメントの始まり

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霧雨の降る朝、その男は思っていた……
「自分より強い奴と闘いたい‼」

男の名前は坂本良介。近所の空手塾『新栄館』で空手を学ぶ青年である。
その日も己の鍛錬のため、早朝から稽古場で稽古をしていた良介。
いつものように稽古をして朝食を食べる。今日もその筈だった……
「邪魔するよ、康介さんいるかい?」
突然訪ねてきたのは新栄館で講師をしている良介の父、坂本康介の親友、徳田賢吾だった。
「賢吾さん、父なら先程用事があるとかで出かけましたけど……」
「お、良介じゃねぇか。今日も稽古頑張ってるな。別に大した用事じゃねぇんだがよ……近々この辺の道場の奴ら集めてトーナメントやるらしいから、康介さんにも伝えとこうと思ってな……」
「そうですか、父が戻ったら伝えておきます。」
「おう、頼むぞ良介。このチラシ康介さんに渡しておいてくれや」

そう言うと賢吾は踵を返し、道場を後にした……
手渡されたチラシに軽く目を通すと、見知った団体名が幾つか名を連ねている。

古武術「一成会」・総合格闘技「ジャスティスリーグ」・武闘派空手「狼牙館」……全部この街では名の通った団体である。
「武術トーナメントかぁ……」
思わずそう呟かずにはいられない程に良介の気持ちは昂っていた。
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