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12月18日更新ニノベ作品感想

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■12月18日更新のニノベ作品感想

 作品更新数:3作品

 再開後、初の感想対象日には3作品が名乗りを上げてくれました。どれも読み応えのあるものばかりなので、相手にとって不足はないというところでしょうか。不足はないどころか十分です。これくらいがちょうどいいです。どの作品もまだ未読なのでこれから読み進めていきます。
 さて、例のごとく以下の点だけご注意お願いします。
 ・感想を書く順番は更新された順。
 ・作品数が多い場合は複数日に分けてアップする。
 ・感想が不要の場合は作者コメント欄などでひとことください。
 それでは気になる更新作品リスト。(表記は更新順)

「力に憑かれた彼の場合は」http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=18559
「混沌の学園」http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=18485
「注文の多い料理店やないかい」http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=15754

 時間が取れればこの土日に感想まで終わらせたいところです。よろしくお願いします。

 そして、もう一つ提案。
 現在、編集部の文芸アワードスレが上がっています。文芸アワードを決めるというのは難しいものです。
 そこで年末に文芸アワード2015in感想企画を行おうと思っています。
 まだ詳しい計画は未定ですが、誰かゲストを呼んで何人かで語りながら文芸アワードを決められたらな、と考えています。スレの意見とは別に決めるかどうかは、スレとかの反応を見てから考えることにします。ゲストを呼ぶなら、ぜひとも初代と先代に来ていただきたいところですが、はたして……。
 話はそれましたが、これからも感想企画をよろしくお願いします。
「力に憑かれた彼の場合は」 作者:ソルト先生

【まえがき】
 みんな大好きソルト先生です。更新合わせてくださってありがとうございます。今回はいつもの「力を持ってる彼の場合は」ではなく、その中の登場人物の過去にスポットを当てたスピンオフ作品ですね。僕もこのキャラクターが大好きなので楽しんで読んでます。

【ストーリー】
 少年・東雲由音は再生の異能持ちであり、悪霊憑きでもある。彼のもとに現れた死霊に魂を喰われかけていたが、知り合った少年の力を借りながら、なんとか撃退したのはいいものの力が暴走して……といったところ。
 スピンオフでありながら、本編未読でも十分に楽しめる構成になっている。ただ本編での東雲由音がどういう人物かということを知っておくと、そこにたどり着くまでの変化が実感できて、なお良い。展開もめまぐるしく動くわけではないので、ストーリーを忘れてしまうこともない。
 既読者には過去を補完する情報を与え、未読者は一つの独立した話として楽しむことができる。模範的なスピンオフの構成だと思います。
 キャラ全員分のスピンオフはよ!

【キャラクター】
 東雲由音の特性は前述したとおり。本来は明るいキャタクターなのだけど、異能を抑制しきれないせいでうまく笑えなかったりする。切ない。彼以外の登場人物は知り合った少年(本編主人公)くらいしか出てきてないので、メインはその少年との話になる。少年は倍加の力を持っていて身体能力を増幅できる。つよい。

【オリジナリティ・世界観】
 ごく普通の街だけど、異能を持った人々や妖怪・死霊なんかが彷徨ってる。そんな感じ。全然普通の街じゃないかと思うかもしれないけど、実際、私達の生きているこの世界でもそういうものは存在していて、私達はそれが見えてないだけかもしれないので、なんともリアルな世界観だなあと。
 ただ、生活風景とか、そういったものはバッサリ切られています。今のところご飯食べてたりとか風呂上がって髪乾かしてるとかそういうシーンはないので、リアリティは少し欠けてしまっているかなというところ。良くも悪くも異能に焦点をしぼった作品なのでこれはこれでアリだとは思うけど、もう少し異能や悪霊に抗って生きているさまを見てみたい。
 関係ないですけど、なんか妖怪とか退魔とかそういうのに関する造詣がすごいですね。すげー。僕リンピョートーシャとかオンパラパラウンタラソワカしか分からない。

【文章力】
 スラスラ読めて誤字脱字がない。三点リーダノコスウガーとか、重箱隅突付きをするのがはばかられてしまうほど読みやすい文章。
 人物描写がメインなので、風景描写などは最低限。なのでそこは脳内補完するしかない。廃墟で話していると言ってもただずっと棒立ちで会話するなんてことはないだろうから、小さな瓦礫を指で摘むみたいな動作を入れると動きが出るかも。文章に躍動感はあるので、あとはそういった細かな部分の動きも工夫できれば想像はより容易になりそう。

【総括】
 相変わらず安定した文章で安心して読めます。今現在ニノベの中では、速さ正確さ面白さ合計でかなり上の方に位置するレベル。突出した何かがあるわけではないけれども、安心して食べられる何かがある。長くても二〇話くらいで終わるそうなので、本編未読の方も一読の価値あり!
87, 86

  

「混沌の学園」 作者:崩砂糖先生

【まえがき】
 最初に言っておくと「へこがく」は未読です。ごめんなさい。読もうと思っていたうちに伸びててホギャーってなったアレです。全部まとめたテキストくれたら読むので下さい。新都社、完結したらTXT形式やepub形式でDLできればいいんだけどね。そういうシステム作ろうか。できないけど。
 今回はキリの良い9話辺りまで読んでます。ごめんなさい時間なかったの。

【ストーリー】
 魑魅魍魎が跋扈する陽光が丘学園。生徒会長である愁井せつな(前作主人公の母親らしい。過去の話?)。彼女率いる生徒会は頑張って学校をシメようと奮闘する。言い方悪いけどだいたいそんな感じのはず。
 校舎の中に落とし穴作ったりバイク隠したりモーニングスター振り回したり死を恐れない生徒たちの立ち振舞を見てるとおやバトル○ワイヤルと間違えたかなと思ってしまう。最終目的はこの学校を平和にすること? 割と最初からバトっているので目的がよくわからなかった。挫折の物語と銘打ってるからあまりワクワク感もなかった。

【キャラクター】
 頭のネジが何本か飛んでいるというよりネジが全部なくなった人ばかり。文章で見てるからある程度緩和されているけどかなりヤバイ。グレートティーチャー鬼塚ライクなスメルを感じる。今は殴りあってばっかりだけどそのうち天使メールとか回ったりするのかね。それすら武力でなんとかしようってタチかね。
 あと君たち死を恐れなさすぎ。既に何人か死んでもおかしくない連中いる。冒頭のバイク倒れた奴は少し鳥肌立った。身の回りでバイク事故した友人みんな死んでるから無事じゃ済まねーだろと思った。その点ちょっとフィクション要素は強い。異世界じゃないからすぐ傷も癒えないだろうし、どうするんだろう。

【オリジナリティ・世界観】
 荒れに荒れた雑草だらけの学校ー、みたいなのは割りとありそうな設定。それを是正する生徒会ってのもよく見る風景。色とりどりの組織もどことなくデジャヴュ。ちょっと大人びた生徒たち。うーん、なんだろう! 文章も書き慣れていて読みやすいのだけど、パンチが薄い。僕はコンソメパンチが好きなのだけど、目の前に水で洗ったうすしお味を出された気分。素材は良い。あとなにかもう一つアクセントがほしい。

【文章力】
 少し前に朗読をしたのだけど、単語が前後していたり、引っかかる表現はいくつかあった。メモできていないので明記は出来ないけど、読者視点になって読んでみると出てくる気づかなかったミスはどんな作品にもあるので、積極的に読みなおしてみてほしいと思う。というか、お互いの作品を読もう文芸作家! 勉強になるし、コメントも増えるしで、一挙両得!

【総括】
 関係ない話が少し多くなってしまいましたが、長年書かれてるだけあって読みやすさはありました。文章作法も問題ありません(しいて言えば「……」が多用気味?)。続きも読んでいるので、また更新を合わせていただける日を待っています。
「注文の多い料理店やないかい」 作者:えろま先生

【まえがき】
 エロ小説やないかい! 官能小説っていうよりエロノベルって言ったほうがそれらしいという噂を聞いているえろま先生の作品です。いやーえろま先生の文章を読むのは初めてなので楽しみです。官能小説はきら……苦手ですが頑張ります。

【ストーリー】
 猟銃を構えた二人の紳士がが山奥の西洋料理店「山猫軒」に迷い込む。廊下に続く扉のの指示通りに金属物を外したりしていくと、最終的には全身に塩を塗りたくることとなり、ここは料理を食べる店ではなくて料理にされる店だった――というのが宮沢賢治の原書。
 今作でも筋書きはあまり変わっていないが、主人公の紳士・ワカメがそれを読んだことのあるド変態であり、料理する側は可愛い猫娘五人組だった。彼女たちはワカメを絶頂させて料理しようとするが、衰え知らずのバナナを携えたワカメにそんなものが通用することもなく、逆に料理されていく。
 基本的な話はそんな感じ。ストーリーは多分少しあると思うけど、エロノベルにそんなものを求めるのは無粋だと思う。関係ないけど僕の頭のなかに浮かんだワカメ像はライジングインパクトのライザーだった。ワカメってどういう名前やねん。磯野家の末裔か何か?

【キャラクター】
 アナル開発済みの精力たぎる紳士に、匂いフェチの淫乱長女、母乳パラダイスのマゾヒスティック次女、クールサディストのロリペド三女。とりあえず僕が知るかぎりまともな生き物がいない。これがエロノベルか。三女に開発されてみたい気はする。ワカメの精力はどういうことなのかと疑問に思うが、世の中には1日52人とチュッパチャップスするタフマンもいるので現実なんだと受け止めることにする。

【オリジナリティ・世界観】
 二次創作(?)なので原作があるためオリジナリティは低め。エロ展開が独特なのかは分かりかねるけど、えろま先生の親友であるはまらん先生はよくエロゲをやっているので、割とひねっている展開なのかなと思う。世界観? そんなものはなかった。これは宇宙だ。

【文章力】
 料理店にたどり着くまでの茶番は少し寒かった。あまり理解できなかった。ネタを仕込んでいるのなら申し訳ない。エロ部分になっても地の文は神視点。上気する人物たちには関係なく淡々と綴られていく文章は一種のフェチ。ちょっと自分でも何を書いているのかよくわからないけど、エロいね。たまに場面カットされているのかと思うほど一瞬で場面転換していたり、ペニバンをつけていると理解するまで時間がかかったりした。男の娘かと思ったよ。

【総括】
 エロノベルはほとんど読まないので上手い感想はいえませんが、十分良い出来なのではないでしょうか。官能小説は過去に中編をいくつか読んだだけなのですが、往々にしてエロがメインとなってストーリー・世界観がある程度おざなりになってしまうのは残念ですね。これこそ無粋な意見なのかもしれませんが。
89, 88

  

■全体の総括

 遅くなってすみませんでした。やっぱりなかなか時間が取れない! パソコンで小説読むのめんどい! となったので、Kindle Fireを導入しました。Amazonプライムだと安くなるブツです。良いね。スラスラ読めるね。これなら文庫本1冊1時間で問題なく行けそう。最近は自炊も楽になったのでおすすめです。
 閑話休題。だいぶ感想の書き方を変えました。フツーの感想です。込み入った感想を求められている方はごめんなさい。フツーのことしかいえません。お得意の重箱隅突付きも少なめです。割りとソフトめになっているので辛辣な感想はヤダ! って方は今が狙い目。年末年始が近づいて駅伝の放送を心待ちにしている黒兎は多分褒めて伸ばすことしか出来ません。小学校の頃、朝顔に向かって「つよい!」と褒め伸ばしをしていたことを思い出しました。

 次回の感想日ですが、次回は年末年始スペシャル。
 12月31日、1月1日に更新された文芸ニノベ両方の作品を頑張って読んで、頑張って感想書きます。年末年始でせっかくオヤスミなのに自分から酷使させようとするアレです。お願いします。12月31日0:00~1月1日23:59に更新を頼む。とか言ってて全部で30作品とか来たらどうしよう死ぬねアハハ。その時はだいぶ簡易化されるかもしれませんがご容赦。
 なんでこんなに文章のテンションが高いかって言うと、Kindleの持ち回りの良さに感動しているからでした。
 次回もヨロシク!
 
90

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