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4話 オナニー・クライシス

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僕はオナニーをしていた。

 PCに向かってパンツを脱いで、オナホールにローションを垂らし、準備万端で本日のおかずを漁っていた。
 今日は貧乳の気分だった。巨乳じゃない。あんなだらしない乳ではない、小さくても美しい乳でシコりたいのである。そう思って、お気に入りのエロサイトを巡回し始めた。
 おかずと言っても、1枚岩ではない。まずニ次元と三次元。どちらでシコるかというのは、180度違うものなのだ。三次元でシコってしまえば、射精後どうしようもない僕のこの現実にげんなりとしてしまう。まあ二次元だったとしても、どうして僕はこんな世界にいるのだろうかと絶望するハメになるのだけれど。
 コンコン、と窓が叩かれる。僕は何の疑いも持たず、窓に近づき、カーテンを開く。
 よっ、と口パクされる。

「?」
 僕の頭の中を?という文字が横切る。ここはアパートの2階。そして、そこに立っているのは、僕の知らない、背の低い女の子である。
 とにかく窓を開ける。外の冷たい風が入ってくる。
「やあ。お取り込み中のところ失礼」
「ああ、別に構わないけど…ってやべ」
 僕はパンツを脱いだままだった。寒さを感じて僕のマグナムは生まれたままの姿に戻っていた。
「立ち話もなんだからとにかく中に入ってもいいかな?」
女の子はニコッと笑いそういった。いや女の”子”じゃないかもしれない。顔は割と大人びているな。
「え…っ。はあ」
僕は特に止めない。
「お邪魔します」
彼女は靴を脱いで僕の部屋に上がりこむ。
きょろきょろ、とあたりを見渡す。
僕の部屋にあるものといえば、本棚、ベッド、そして好きなアニメキャラのーーラノベ原作アニメの銀髪妹キャラだーータペストリーくらいである。女は満足そうに頷く。
「実は、今夜一晩泊めて欲しいんだ」
「泊める?君を?」
「うん。実は終電を逃しちゃってね」
時計を見上げる。たしかに今は1時過ぎ。山手線だって止まっているだろう。
しかし、タクシーを使うなり、ネカフェに泊まるなりすればいいのに。
「いやー困ったと思ってうろついていたらね、お取り込み中の君の姿が見えて。ちょっとお邪魔しようかなと」
「どんな発想してるんですか…」
僕は呆れる。美少女を部屋に泊めるといえば聞こえはいいが、突撃隣の晩御飯みたいなノリで来られてもどうかと思う。
ハッ、と僕は思い当たる。これは新手の強盗だろうか?
否、僕は大して金も無い貧乏な大学生だ。貯金もない。
預金通帳には仕送りの残り5千円しか入ってない。丁度月末で残りわずかなのだ。
盗むのなら、盗んでくれればいい。俺はこの女の子と一夜を共にするぞ。
「で、私はどこに寝ればいいのかな?うんうん、このベッドだよね」
女はぴょんっと跳ねてベッドにダイブする。くんくん。鼻をかぐ。
「思ったより臭くないな。別にいい匂いもしないけど」
「それはよかったです」
「…ああ、そうだそうだ。君、私に何かしてほしいことある?」
「してほしいことですか?」
「うん。何でもとは言わないけど私に出来る事ならするよ」
「えーっと、パイズリ。」
拳が目の前で急停止する。
一瞬遅れて風が吹きすさぶ。
「…」
女はまたベッドに腰掛けている。なんというコミュニケーション。
「あの、じゃ、じゃあ」
「うん」
「一緒にお風呂入ってもらっていいですか」

…というわけで僕は、プラスチックの椅子に座る彼女にシャワーを掛けていた。
「お湯加減大丈夫ですか」
「うん!」
僕はバキバキに固まったペニスが彼女に当たらないよう配慮しながら、髪を掻き分け、全体にお湯を掛けていく。さらさらとした髪。いい匂いがする。美少女の匂い。
シャンプを手に出し、髪の毛につけていく。よく馴染む。メリットじゃなくてよかった。何となく高めのシャンプーを先月から使っていたのだ。
「痒いとことかありませんか」
「うん、オッケーだよ」
お湯で流す。今度はいよいよ、体である。
先ほどから僕は、鏡に映る彼女の前半分からひたすら目を背けていた。
何故なら、視覚だけで僕は射精しそうになっていたから。
ただでさえオナニーの最中だったのだ。目の前には玉のように美しい肌を持つ、美少女がいる。
そして何故か乳首もお股もおっぴろげなのである。僕はこの光景をおかずにあと何回シコればいいのだろうか?
タオル越しに触れる彼女の肌はやわらかく、羽毛布団に寝転んでいるような柔らかさに包まれる。
にのうで、ひじ、手の先まで優しく撫で、また内側を戻っていく。彼女がピクッと震える。
「もしかして、にのうでが性感帯?」
「んなわけないでしょ、ちょっと反応しただけ」
彼女は顔が赤いが、風呂だから体温が高いだけかもしれない。
今度は左腕である。同じようにすると、今度は抑えたような震えが走る。
「ふーむ」
僕はうなる。
「なによ」
彼女がつっけんどんに言う。
「別に何も。」
「ああ、胸をどうするか迷ってるの?」
「ええ。」
「まさかこんな体で発情するわけないよね」
「そりゃもう。ぴくりとも反応しませんね」
彼女が振り返り僕の股間を凝視する。
「これは?」
「…」
「いやだんまりされても。ふふ。私の体がそんなに魅力的だったかな」
「僕は別にロリコンじゃないですよ。ただ、あなたの体が綺麗だったから」
「…あ、そういえば自己紹介してなかったね。私は隼。よろしくね」
僕は彼女の乳首をガン見していた。ふむ。じゅん。了解した。
「君は?」
「ああ、僕は…康太です」
「ふぅん。康太くん。地味な顔に地味な名前」
「ええ。誇らしいです」
「で、康太君はどうしてほしい?」
「今すぐ射精させてほしいです」
「うーん、よしよし。よく言えたね~」
隼さんは背伸びして僕の頭を撫でる。脇。脇が見える。無毛。無毛である。
ペニスがまたビクッと重々しく跳ねる。
「うわっ脇で興奮するとはマニアックだな…」
「けど、そうですね、全身洗いたい気持ちもあります」
「特に胸とか」
「おへその下辺りとか」
「…」
彼女は軽蔑したまなざしで僕を見ている。ジト目である。
ますます興奮する。僕は潜在的マゾなのだろうか。
「どうしてか知らないけど、私の周りにはロリコンとマゾしか現れないんだよね。
どうしてかなあ」
彼女はつんつんと僕のペニスをつつく。もう暴発寸前だった。
「でもね、私まだ処女だから。付き合ってもいない男の子のちんちんは触れないなあ」
「ええっ?ど、どの口がいいますか…」
「ほら、早く持ってきてよ。あの惨めなオナホールを」
「…」
僕はしぶしぶ体を拭き、部屋に戻り、ブツを持ってくる。
もうこのままブチ犯してしまおうか。そんな考えがよぎる。
しかし思い出す。先ほどの光速の拳を。
自分を抑えよう。ここは抜いてもらえるだけ感謝しよう。
「じゃ、ハメるからね」
「オッス」
ずるり。僕のペニスがオナホに入る。
するとあら不思議。いつもの飽きたはずの穴が、今日はめくるめく夢の世界だった。
「…ふふ。腰を突き出しちゃって。惨めね」
彼女の細い指先が、すっ、と僕の胸元を撫でる。
瞬間、全身を電流が駆け巡る。
たったそれだけの感触で、僕は無残にも射精してしまった。
「…あらあら。どうして私の周りの男は…ロリコンでマゾで…早漏なのかしら」
無造作にオナホールを引き剥がし、シャワーを浴びて彼女は浴室を出て行った。
へたり、と僕は座り込む。じわりと残りの精液が尿道から這い出てくる。

翌朝。
彼女が寝ていたはずのベッドはもぬけの殻だった。(僕はこたつで寝ていた)
もしかして夢だっただろうか?なんというリアルな淫夢だ…とは思ったが、机の隅に書置きがあった。
「また来ます 隼」
丸っこい字でそう書いてあるのを見つけ、僕は思わずにやついた。

そして、とりあえずお風呂に向かいオナホールを洗うことにした。
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