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寝る前の儀式

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 いつからだろう。
 寝る前にエロい妄想をするようになったのは。
 ベッドに横になりながら、名島宗基はそんなことを考えていた。
 考えてみると、小学生の時には既にそうだった気がする。
 記憶を遡ってみると、割とすぐに思い出すことが出来た。
 何かの漫画で、主人公のお姉さんがめっちゃ可愛くて、そのキャラと裸で抱き合う妄想を布団の中でした覚えがある。小三か小四のどちらかのはずだ。今思えばその時からお姉さんというか年上キャラが好きだったんだなぁという発見があり、軽く驚く。
 まぁそれはどうでもいい。問題は、今まで自分が寝る前に何を考えて来たかだ。
 今となってはもう駄目だ。エロい妄想をすることしかできない。
 寝る直前にエロ漫画でも読んで、脳裏に焼き付いたそれでエロい妄想をしながら眠っている。
 寝る前にエロいことしか考えられなくなってから、何年が経っただろうか。
 そう思い立ちかけたが、リアルな年月が分かってしまったらちょっと怖い気がしたので急いで頭の中を空っぽにした。
 しかし寝る前に何を考えていたかなど、あまり思い出せない話題だ。言ってしまえば夢と似たようなものだろう。次の日の朝になれば、基本的には何を妄想していたかなど忘れている。先述のように何かインパクトのある記憶があった時だけ覚えているというだけで。
 中学生の時の記憶は全然ない。そのあたりからいい感じに性に対して覚醒したであろうから同級生の女子を肴に色々妄想したと思うが、いかんせん全く思い出せない。しかしふたりエッチを読んでガチガチになっていた記憶はある。今となってはなんであれを読んで興奮できていたのか不思議で仕方ないけれど。
 高校の頃は、完全にゲーム脳だった。当時狩りゲーが流行っていたこともあって、モンスターのパターンを脳内でシミュレートして、ここで二発入れることができる、そんでもってあのモーションをしてきたらこのリズムで回避、みたいなことを考えていた気がした。
 そんなことを考えたまま眠りに就くものだから、やった! レア素材をゲットした! と思ったら夢だった、ということが度々あった。
 他には……何だろう。どんな妄想をしていただろう。
 好きな漫画やアニメに入り込んで、自分がキャラクターの一人となって、素晴らしい冒険をしたりしていたような気もする。
 ここまで考えてきて、ふと思う。
 女も寝る前にエロい妄想したりするのかな、とか。

 そんなことを考えている間に宗基は眠りについていた。
 他の連中は寝る時、どんなことを考えているのだろうか。
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