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2017.11.1 第1回目 ロボコップ

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映画評論 どうもこんばんわ

文鳥大好きバーボンハイムです。
低気圧の続く今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。
身体が軋む、古傷が痛い……まあ、痛覚神経が刺激されて体中が痛むのなんの。
小さい頃はそういう大人やご老人の方々を横目に何を言ってるんだと
思っていましたが、今やそのお言葉が染み渡る毎日であります。

まあ、それでも昔はこういった雨が大好きなガキんちょでありました。
元より外で動き回るような性分じゃあねぇもんでして、
暇な時は基本絵や漫画を描いてたり、アルセーヌ・ルパンを読みあさったりしていた
内気なガキんちょだった私は太陽が嫌ェで、皆が晴れの日が大好きっていうのが
まったく理解出来ずにおりました。
そんな私にとって窓を叩く雨音、アスファルトを濡らす雨は子供心に
とても美しく、時にわざと雨に濡れて帰ってきては熱々のシャワーを浴びながら
雨が止んでないことを祈り、大好きな絵や漫画を描いたり、小説の時間を過ごしたもんで
ありました。そんな私もいつごろからかは忘れましたが、ある時から映画鑑賞にハマるように
なりました。当時、私は録画していた日曜洋画劇場やゴールデン洋画劇場を見るのが大好きで、
淀川長治さんや高島忠夫さんの前解説を聞いてから映画を見るのが大好きでした。
今日はこういう評論を始めるのが初めてというのもあって、
すんごい緊張してます。お前が言えるのか作品の質をという意見も飛んでくるでしょう。
しかし、そんなこと言ってたら作品なんて語れないので
全力で棚上げします。自分のことは。


そんな私の子供時代を大きく支えてくれた映画を今日はご紹介します。


「ロボコップ」

1987年 アメリカ映画。

もうタイトル聞くだけで子供心にダサいと思いました。
どうやら、この映画を作った監督もそう思っていたらしく
「おまえのハリウッドデビュー作だよー」とプロデューサーに渡された脚本の
タイトル「ロボコップ」のあまりのダサさにブチギレて中身を読まずにそのまま
ゴミ箱に捨ててしまった逸話があります。当時、オランダでそこそこ成功していた
この映画の監督であるポール・ヴァーホーヴェンはハリウッド進出のために
家族と共にアメリカに移住。どんな映画がデビュー作になるのかなと不安に苛まれながらの
精神状態で渡されたため、思わず直情的になってしまったのは理解できなくもないでしょう。
しかし、考え直してその出来に感激。自分がアメリカで暮らして感じた社会への
風刺を盛り込みました。劇中で出てくるCMはその名残り。
また、ここでヴァーホーヴェンの描いていた未来予想図もなかなかユニークで面白く、
男性と同じ更衣室で着替え、シャワーを浴びる女性警官が登場します。
彼は将来的に男女差別がなくなると予想していたようで、
この案はスターシップ・トゥルーパーズでも採用されました。
その際に恥ずかしがる俳優たちに「何が恥ずかしいんじゃ!!」とブチギレながら
自ら素っ裸になったのは有名なお話ですw

もう大好きすぎて堪らないので監督に関してはここまでにしておきます。
この映画の見所は……もうネタバレになっちゃいますけど
ストーリーは少ししか説明しないので勘弁してください。


当時の私は主人公であるマーフィー巡査が、蜂の巣にされる光景を
ただ唖然として見ていました。
吹き飛ぶ腕、トマトケチャップを叩きつけたような血飛沫、股間をぶち破る銃弾、
悪党に襲われる女性、今すぐにでも画面の向こうを飛び越えてツルハシで
頭をかち割りたくなるような悪党という悪党……

今だからこそ それらがあのオランダの悪趣味な監督ポール・ヴァーホーヴェンの
作風だと理解は出来ましたが、
当時小学生だった私にとって映画ってこんなエキサイティングなものなんだ!!
と思い知らせてくれたものでした。

私にとってグロの美しさを教えてくれたのはこの作品であると胸を張って言いたい。

中でもこの映画は蜂の巣にされる人間がかなり出てきます。
衝撃的なのが、ED-209(ロボコップの前に開発された巨大ロボ)のプレゼンテーションで
蜂の巣にされるキニー君。なんでも犯罪者の武装解除の流れを紹介するために
開発責任者であるジョーンズ副社長に犯人役を仰せつかったキニー君。
よっし、いいとこ見せなきゃなと思い、デザート・イーグルをED-209に向け途端
「銃を捨てなさい」と警告が。ビビりながらも、キニー君。
デザート・イーグルを捨てて、一安心。
ジョーンズ副社長も「言うとおりにした方が身の為だよ(キリッ)」とにこやかなスマイル。
それもこれもED-209がポンコツロボではないと信じていてのものでした。
しかし次の瞬間、キニー君は哀れ蜂の巣に。助けを求めて同僚にすがりつくも
突き飛ばされ、最終的に一人にされたところを撃ち殺されるのがなんとも
人間共の愚かさ、自分可愛さが現れていてチャーミングです。

胸や腹を撃たれ、トマト爆弾かよと思わず叫びたくなるような大規模な血糊で
カメラを真っ赤に汚しながら、いい感じに後ろのデルタシティの模型にむけて
仰向けに倒れこむキニー君。

劇場版ではここでED-209は煙を上げて故障するのですが、
完全版ではなんと模型の上に倒れ込んだキニー君の足や金玉を容赦なく撃ちまくるという
何とも言えない誰得なゴアサービスがあります。更に科学者がED-209の電源を
抜こうとするもなかなか抜けずに慌てふためく描写も……
くどい……ひたすらクドい……お前が言うなと思われるでしょうが、
自分のことは棚に上げて言わせてもらいます。

人をいたぶることをこれほど楽しく撮ってる監督はいねぇだろーなぁと思いました。


無論、ここでは終わりません。

こんな仕打ちはなんと主人公にも襲い掛かります。

北斗の拳の悪党もびっくりのクラレンス御一行(こいつがツルハシで脳天をカチ割りたくなるほどの腐れ外道で最高♫)
のアジトに乗り込んだ主人公アレックス・マーフィー君。相棒の女性警官のルイスは悪党に気絶させられてそのまま放置。
ここで「インビジブル」や「トータル・リコール」の頃のヴァーホーヴェンだったら、
ルイスにエッチなイタズラをしそうなシーンが入ってくる筈なのですが、
当時ハリウッドはエロには厳しかったのか、オランダから出てきて間もないヴァーホーヴェンも
今回はグロにこだわったようで、そのまま放置。助かってよかったね、ルイス。
一方のアレックス・マーフィー君は散々です。

最初に右手の手首をクラレンスにショットガンで吹っ飛ばされ
(この時のクラレンスの「にににににににに」がクソ腹立つwwぶち殺してぇwww)、
次はレオンに右腕をぶっ飛ばされます。もう5人でショットガンの集中砲火。
そこで相変わらずの金玉ショット。ドアップにはなっていませんが、
確実に「あ……潰れちゃったなぁあ」と思わざるを得ない位置にヒットしてる……
主人公補正なんてクソ喰らえです。
この時の5人の悪党共のツラは幼な心に焼き付いちゃいました。

その後の悪党どもの血祭りジェノサイドパーティーは本当に最高でした。

ロボコップことマーフィーをひき殺そうとするエミール……
トラックバンで廃棄液のタンクを背にしたロボコップをひき殺そうとアクセル全開にかっ飛ばすも
あっさりよけられ、そのまま廃棄液の餌食に(ざまあw)。
全身が溶けてボロボロになり、ゾンビみたいな姿になってレオンにすがりつくも
「オレに触るなぁぁあ」と拒絶されて突き放される。悪党の絆なんてこんなものです。
(二度目の「ざまあw」いただきました。)
あげくにさまよっているところを自分のボスのクラレンスに
ひき殺されてぐちゃみそに。(三度目のざまあwご馳走様です。)

無論、もう「ざまあw」の特盛が更に追加されます。
横転して泥水の中で足掻く、クラレンスとロボコップの一騎打ち。
もうここでかかっているロボコップのテーマで鳥肌が立ちまくり……
ああ、どんだけ焦らすんだよ。ヴァーホーヴェン。
クラレンスはレオンに合図を送り、クレーンで落下物を投下。
ロボコップは下敷きになってしまいます。身動きが取れずに足掻くロボコップに
容赦のないクラレンスは、落ちていた鉄パイプ(バールのようなもの?)でロボコップの胸を串刺しにします。
「ああ……どんどんムカついてきたぞ……」
ここでロボコップの怒りが炸裂。突如、拳からニードルをシャキーンと出し、
クソッタレのクラレンスの首にブスッと突き刺します。
ここで、普通ならクラレンスの首にニードルが刺さっているのを映すハズが
あえて映さず、そのままニードルを引き抜くロボコップを見せているのがすごい。
次の瞬間、ロボコップの胸に飛び散る返り血。この返り血が何というか、
屋台の水風船を割った時のように胸まで塊で落ちてきて、胸で飛び散るのが
生々しくて最高!! 首にぶっ刺した時のエグみをここで表現してるのがミソです。
ここで私の我慢汁はもうはち切れんばかりです。
首から情けなく血を噴き出しながら、「ヴォァ" ヴォォア"」と声にならぬ断末魔を上げながら
泥水の中に沈んでいく無様なクラレンス。
もう私の背骨から我慢汁という名の鳥肌がすり抜けていきましたよ。
もう背筋はゾワゾワです。もう幼心に我慢汁をこらえた甲斐がありました。
もう「ざまあw」のしつこいまでの特盛増し増し並に抱腹絶倒です。
意味が違う? もう意味はどうでもいいから、ニュアンスで理解してください。
もう。

おっと、話が脱線してしまった。
えーっと、蜂の巣だったかな。

最後にこのクラレンスを裏で操っていたのが副社長のジョーンズであることが判明。
よーしぶっ殺しにいくぞーと会社に乗り込むロボコップ。
入口で待ち構えていたED-209を対戦車用ライフルの2発で木っ端微塵です。
キニー君に同情していた私にとっては「ええ?こんな「ざまあw」までご馳走してくれるの?」と
言わんばかりの出血大サービスです。木っ端微塵になった後で足だけになったED-209が
しばらく歩いてフラフラしてから倒れるのも最高。
ロボットの死に様をここまで、苦しんで死んだ形で伝えられるのは最高です。

「ジョーンズ、貴様を逮捕する!」

会社の会議室に乗り込んで銃を突きつけるロボコップ。
キニー君関連のざまあをここまで果たしてくれるとは……もうヴァーホーヴェンも
お人好しすぎです。この人は我慢汁どころか、赤玉まで絞り出すつもりなんでしょうか。

ここできましたジョーンズ副社長。社長を人質にとる死亡フラグ全開のクズぶりです。
しかし、ここで問題が。ロボコップはこの副社長が務めるオムニ社の製品であるため、
「オムニ社の社員には手出し出来ない」というリミッターがかかっており、憎っくきジョーンズに手出しできません。
しかし、ここで社長が鶴の一声「ジョーンズ……おまえはクビだぁあ!!!」(声:納谷悟朗)
その瞬間、リミッターが解除されたのは無論。社長もナイス肘打ちをかまして、ジョーンズさんいい的です。

「どうも!」(声:磯部勉)の掛け声と共にマーフィーこと
ロボコップさん、バーストショットを4回、
トータル12発の銃弾をジョーンズに叩き込みます。
この時、相変わらず背中にエッグい銃創が出るのがミソ。
そして最後のショットで後ろの窓ガラスを突き破り、もう何百階もの
高さの高層ビルから突き落とされ、ジョーンズさんは情けねぇ断末魔の悲鳴をあげて
落ちていきます。

はぁっ……はぁっ……

もうスッカラカンです。


これほどまでにカタルシスというカタルシスを注ぎ込んできた作品は
あまり見られないのではないでしょうか?


気分が乗ってきてしまいましたが、
これ以上だと興奮しすぎて夜も寝られなくなるので今日はここまでにします。


風邪気味でしたが、少し良くなったようです。

やっぱり映画ってほんといいものですね。
需要があれば 続けるかもしれません。


おやすみなさい。


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