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2017.11.3 第5回目 スカーフェイスから見る 本音が与える試練と人の絆

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こんばんわー 人間ってものが徐々に大好きになりつつあるバーボンハウザーだ。人間っていうものはホントに本音と言うものに蓋をして生きていかざるを得ない。相手に本音を言わず我慢すること……いつしかそれは自分自身の行動や言動にも鎖を絡ませてしまうことになる。無論、本音を言わなければ波風は立てずに済む。だが、それはあくまでも表面上のことだ。
見た目はカチンコチンのチーズでもエイッと抉ってみれば空洞だった……最悪ならば 虫が繁殖しているかもしれない。そう、イタリアのカース・マルツゥのように。

心という名のチーズを腐らせるのは本音という名の蛆虫を
出さずに中に閉じ込めてしまうことなのかもしれない。

本音というのは吐き出さないと心を腐らせてしまう蛆虫だ。
早いうちに吐き出せばダメージも少ないが、遅くなるとダメージだけでなく、胸焼けするほどの不快感に
襲われるのだ。


今回、紹介したいのは「スカーフェイス」

次回はデヴィル・マンと言っていたが、どうしても今日はこの映画を紹介したかった。

ゴッド・ファーザーで一躍名を馳せたあのアル・パチーノが
キューバからマイアミへと移住し、マフィアのボスに成り上がっていく大悪党トニー・モンタナを演じる。
この映画は公開当初は失敗作とみなされ、アル・パチーノもしばらくは映画界から遠ざかる要因となってしまった。
しかし、後にこの作品は黒人を中心にカルト的人気を誇るようになり その影響はやがて世界中へと波及していく。

何が人々を惹きつけるのか。
それはこのトニー・モンタナの吐き出す言葉だろう。

FUCK YOU!!!

FUCK!!

FUCKING FINGER!!!!

FUCK THIS GUY!!!

WHAT THE FUCK!!!

FUCK ME!!

FUCKING ASSHOLE!!!

いや、失礼した……この映画 トニー・モンタナ以外にも他の登場人物も言うてるわ。
男どころか女もFUCKの嵐である。

吹き替えでならまだしも、字幕版は完全にテレビでは放送できないレベルである。
とにかくこの映画の人物は口が汚い。

FUCK以外にもEATING PUSSY?(女のマンコでも舐めたのか?)、
POINTING FUCKING FINGERS.(中指立てる)、
FUCKING COCKROACHES(腐ったゴキブリ野郎)……

もう下品すぎて今の時代ではピーしか聞こえないレベルだろう。
特に一番下品なのはトニー・モンタナがヤク中の妻に向かって吐く最低な言葉だ。

「俺たちの間には子供が出来ねぇ……何故かって?
こいつの子宮は薬で汚れてやがる!!!」

自棄になって吐いたとは言え、

「おまえ、それ言ったらアカンやろ。人間として……」と思わずつぶやいてしまったのはいい思い出だ。

無論、トニー・モンタナの末路が幸せに満ちたものであるはずもない。
上司の女に一目惚れし、なんとしてもモノにするために上司に逆らい、挙句は殺されそうになる。
何とか上司を返り討ちにして、まんまとその後釜に座ったはいいものの、
彼は最後の最後で 大物に歯向かった。

「俺はガキは殺さねえ!」

そう言いながら、彼は大物の差し向けた刺客から銃弾を浴び、
プールへと沈んでいくのである。

傍から見れば
救いがたいクズ野郎の末路を見るだけの血なまぐさい映画で終わる筈なのだが、

我々はこの映画を見たあと、思わず口にせざるをないだろう。

FUCK!!!

と。

おそらく、日頃イライラした時や鬱憤を晴らすときにFUCK!!と叫んでいることだろう。
もうFUCKという言葉が一種の精神療法と化すのだ。


FUCKという言葉は元々は「無理やり犯す」という性行為を表す言葉だったが、
いつしか「殺る、叩きのめす、ブチのめす、おちょくる、台無しにする、滅茶苦茶にする、ぶち壊す、虚仮にする」
という意味を持ち始め、受身形のFUCKEDでは自分が「殺される、叩きのめされる……」といった意味合いも持つようになった。

やがてはTHE FUCK,FUCKINGといった言葉が次第に意味を強調するための文脈によっては良い意味合いで
使われるようになった。日本語で訳すとまさにワンピースのサンジの
「クソ美味ェ」(FUCKING DELICIOUS)みたいな感じだろう。

まさにFUCKは魔法の言葉だ。
このFUCKというセリフがトニー・モンタナの愚かで無謀な人生を
本当に素晴らしく、人を惹きつけることに成功している。

理由は簡単だ。
トニーがFUCKを連発しながらも、
通常であれば歯向かえないような強者に立ち向かっていく姿であろう。

いったい誰が上司の妻を寝とろうとするのか?

いったい誰が上司のシマを乗っ取ろうとするのか?

いったい誰が上司より大物の命令に逆らって戦死出来るほどの勇気があるのか?

無論、こんな生き方はなかなか出来るものではない。
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