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居残り

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 Bad Smell (14) 居残り
 
 さながら忍者のように家を抜け出し母からの監視を逃れようとした私であったが、結局、そんなことは長く続かないものだ。何度も母に見つかった私は、学校の居残りを余儀なくされた。

 私の高校は夜の20:30まで教室に自主居残りができる勉強システムがあり私はその餌食になった。(冷静に考えてみると20:30まで教師の方は残業を続けていたわけだ。大変な仕事である。)

 教師がたまに見回りに来るので、母親が学校に問い合わせると(もしくは三者面談で聞くと)いつまでいたか一瞬でバレるので、途中で教室を抜けることもできない。

 自主居残りシステムを使っていた生徒は多く、毎日4、5人は必ず教室にいた。皆熱心に勉強をし、お喋りする人など1人もいなかった。
 
 つまりは、色々な面で勉強に一生懸命打ち込める環境がだったわけである。しかし、私はそこでもまた愚行を繰り返した。

あたかも勉強をやってるかのように教科書とノートや教材などを広げて、実は机の下でスマホアプリ(パズ◯ラ)をやっていたのだ。(ゲームのログイン履歴まではさすがに私の親も監視していなかった)
 また、くだらないラノベ小説をノートに書くこともあった。(くだらな過ぎて全部後に捨てた)

もちろん、教師が見回りに来る時はスマホを隠し、また、ノートはページをめくり(カモフラージュであたかも勉強していたかのように見えるページをノートに用意していた)まるで勉強をしているように装った。

これにて一件落着(落着でも何でもない)。
とりあえず、勉強から逃げることには成功した。

 ただ、この居残りにおいては1つ問題点があった。
 トイレを我慢する時間である。以前、11時間程トイレを我慢するだけで漏らしまくってた私である。
 さらに、2時間半追加。
 常に膀胱がいつ爆発するか分からないような状況であった。
 ここだけの話、おしっこちょっぴり漏れたろうな状態で居残りをしていたこともある。(本末転倒である。慣れてきたのか、幸い完全に漏らすことは結局一度も無かった。)

ただ、帰りの電車が時間が時間なので人が少なくいつもより気にならないということもあって、高校から出る直前にトイレに行きはした。

 ここまで読んで多くの方は予想しているだろうか。この愚行も結局バレた。理由は単純。勉強しに学校で居残りしてたのに、宿題はきちんと終わってないし、成績もうなぎ昇りならぬうなぎ下がりだったのだ。バレないわけがない。

 毎日、スマホの充電が10パーセントを切っているのも大きかった。(当時のスマホはまだできて数年で、充電の持ちが悪かった)他にも理由は多々ある。

 とにかく、バレてしまった。
 そして、また、家で勉強をできるようになったのは良いが、高校受験の時のような母親の監視が始まるのだった。
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