あとがき
これは、真嶋慶にとっての罰だったのだと思います。
黄金の黒を書き終わった頃、もう6年以上前ですが、あごまんは思いました。
自分の生き方を貫く小説は書いてみた。
でも、それに巻き込まれる人たちはどーなるんだろう?
勝手に生きて、好き放題するのは自由です。
でも、それで傷つく人が必ず出ます。
それを無視するか、それとも背負うか。
それは単純な「強さ」では、どうにもならない問題なんじゃないか、と思いました。
そうして出来たのが、この『稲妻の嘘』シリーズです。
ギャンブル小説を長く書いてきましたが、その結論として、あごまんが描いたのは『強さではどうにもならない問題』だったというのは、皮肉のような気がします。
たぶん俺は、ずっと『強さではどうにもならない問題』を書きたかったのだと思います。
結局、それをどうするかが、本当の強さなんじゃないかと思います。
真嶋慶は赦されるために蒸気船に乗りました。
これは途中で書くのが凄くイヤになった部分です。
なぜなら真嶋慶がリザナにやったことは絶対に赦されないことであり、それを赦されてしまえば、慶は『逃げ勝ち』になってしまうからです。
人を傷つけたら、逃げ切ることなんて、本当はできないはずです。
だから、慶も逃げ切れませんでした。
この世界では逃げ切る人が大勢いますが、俺の世界では逃げ切れません。
閻魔大王が門倉いづるですしね。
ギャンブル小説を12年間書いてきて、このボディポーカーは、俺の中でも納得のできる逸品です。
いつか、オリジナルのギャンブルを書いてみたいと思っていました。それは俺の長年の夢でした。
麻雀小説から始まって、最後は自分のオリジナルのギャンブルで完結させる。
ずいぶん長くかかりましたが、俺は自分の願いを叶えました。
その代償に、自分の人生を損耗させてしまいましたが……
この作品を持って、ニートノベル創刊からの12年間の新都社での活動を顎男は終えることにします。
理由はカクヨムにお引越しするからです。
ずっとニノベで戦ってきた歴史もありますし、去るのは迷いましたが、『切札を完結させたら出よう』と考えていました。
べつにニノベのPVがカクヨムよりも悪いわけではないんですが(カクヨムの不人気原稿に比べれば、新都社はトップに表示される期間が長いので、実はPVがそこそこあったりします)、新しい読者と出会いたいのです。
それは俺にとって挑戦でもあります。
優しい身内に囲まれるよりも、先の見えない闇に飛び込みたいのは、俺がやはりバカだからでしょう。
ちなみにもう引っ越したり向こうで連載してる作品はPVが伸びてません。助けてください。
今までお世話になりました。ご愛読、心から感謝します。ありがとうございました。
いつかまたどこかでお会いしましょう。
あと、ギャンブル作品はこれが最後です。
と、いつか言ったんですけど。
ネタが湧いちゃいました。
そのうち書きまーす。
顎男より