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針治療

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 針治療
 
 だいぶ前のエッセイにも書いたが、私の左足は腓骨神経麻痺である。すこし良くなったと思ったら、すぐ悪くなる、そんなことを繰り返し幾分か成りたての頃からはましになったが、結局いまだ完治はしていない。

 今まで、低周波機器や、足つぼの板、ゴムバンド(前書いた目を傷めたあれである)など様々な方法で左足が治るようにアプローチをしたものの、あんまし効果は無かった。

 そんなどうしようもない左足を持つ私であるが、最近、整骨院に通い始めた。以前から整骨院は、ちょくちょく行っていたのだが、さすがに将来のためにも完治せねばならぬ、と思い本格的に通い始めることにしたのだ。

 で、本題である。

 この間、整体師さんに左足を完治したいという旨を伝えたときのことだ。整体師さんは、普通の治療法じゃ難しいかもしれませんね、と前置きをし、私にある治療法を勧めてきた。

 そう、今回の題、針治療である。

 針治療と聞いて私は痛そう、と瞬間的に思い、

(情けないことだが、針を肌に刺されるという経験が生まれて初めて
であったので、ちょっと怖かったのである、)
 
 整体師さんに、
 「痛くないんですか?」と疑問をぶつけてしまった。
 
 整体師さんは笑顔で、
 「いえいえ、ちょっと痛いぐらいです」と返してくださった。

 私はその笑顔を見て安堵した。
 すぐに、針治療のお願いをした。

 結果、どうだったかというと…
  
 
 めちゃくちゃ痛かった…
 
 
 確かに、針を刺すだけなら治療の前の説明通り痛くなかった。
 
 だが、途中突然整体師さんが消えたかと思うと、説明時全く触れていなかった装置を取り出してきて、事態は急変した。
 (この時点で私の心拍数はすごいことになっていた)

 整体師さんは、「じゃあ、電気流しますね」と言い始め、
(いや、そんなのきいてない!)
 針に電気を流し始めたとき、とてつもない激痛と足の揺れが襲いかかった。
 
 筋肉はぴくんぴくん。足は活きの良い魚のようにはためく。私の意志とは関係なく動くその様はまるで別の生き物を見ている感じだった。
 
 低周波を流した時も、似たような現象は起こるのだが、今回は針、つまりもっと神経に近い位置で電気が流れているわけで。その動きは低周波の比ではなかった。
 
 針の電気攻撃によって、HPを削られた私は、
 「痛ぁ!!」
 と悲痛の叫びをあげた。  
 
 そんな私を整体師さんは、
 「足の感覚を、体に覚えこませているんです。頑張ってください!」
 と治療に真剣に向き合い励ましてくれた。

 その言葉を聞いて、
 整体師さん。ありがとう…、
 ただ、最初から電気を流すことは伝えておいて欲しかった…、
 
 と私の頭の中が感謝と嘆きの感情で小学校の時、プールで行う
 洗濯機のように入り乱れてしまったことは責めないでほしい。

 まあ、色々あったが、治療を終えた私の足首は、
 かなり上がりやすくなっていたし。 
 
 今までで一番効いている!、という実感ある治療法であったし。
 整体師さんには本当感謝である。 
 
 ただ、一つ、次の日の夕方まで足の痛みが取れなかったという
 問題はあったが…
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