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「Into the Unknown」中元みずき

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https://youtu.be/z3ibO6hGEO4

 娘のココと「アナと雪の女王2」を観てきた。もはや小説でもなくただの感想文(注釈:ココ=泥辺五郎の娘。現在マッドカプセルマーケッツ小学校に通う(『WALK!』参照)一年生)。

 
「Into the Unknown」は主人公のエルサ(声:松たか子)が劇中で歌うバージョンと、エンディングで中元みずきが歌うバージョンがある。これは前作で「レット・イット・ゴー」のエンディングバージョンをMay.Jが歌ったパターンを踏襲している。中元バージョンは演奏からして骨太で声量もとんでもない。ココには上映中は静かにするよう注意していたが、エンディング曲を口ずさむのは止めなかった。

 完全にネタバレを含むので、バレを知りたくない方はここで引き返して下さい。




 お風呂に入りながら。
「ココ、アナ雪2の感想言える?」
「エルサが、雪でドバーってやって、水を止めた!」
「うん、いきなり最後のシーンと来たか。エルサ強いよな」
 健三郎はお風呂に持ち込んだミニカーで延々と衝突事故ごっこをしている(注釈:健三郎=泥辺五郎の息子。レッド・ツェッペリン「移民の歌」が大好きな2歳児)。
「最初からお話の説明するね。アナとエルサの両親が生きてた頃に聞かせてくれた、昔話から始まる」
「たーるー」健三郎がタオルを要求してくる。お風呂でパチャパチャして顔が濡れたのだ。タオルを渡せば自分で拭く。
「当時のアレンデールの国王、アナとエルサのお爺さんは、森の中で精霊と共に暮らす人々と交流を始めました。友好の証にダムを建設して贈り物としました。しかしその完成式典の最中に、彼らは争い始めてしまいます。その戦いの中でお爺さんは命を落としてしまいます。当時少年だった、アナとエルサのお父さんは誰かの手で助けられ、国に帰りました。その森は精霊達の手により閉ざされてしまい、誰も入る事も出る事も出来なくなってしまいました」
「でもオラフ(雪だるま)は入ろうとしてな、跳ね返されて、バイーンバイーンって何度もやってな、オラフめっちゃ笑ってた」とココは途中で思い出した事を挟んでくる。
 というような感じでアナ雪2のあらすじを最初から最後まで語り聞かせた。予備知識なく観て(1はDVDで多数観賞済み)、他の人の感想も読んでないのに、けっこう覚えてまとめきれたと自負している。長くなるからここに書く事はしない。
 ちなみにココは「Into the Unknown」を松たか子バージョンと中元みずきバージョンを歌い分けていた。お風呂場で中元みずきバージョンは、耳が痛くなる。健三郎は歌い分ける事など考えずに叫ぶから、なおさら耳に来る。
 
 映画を観てご飯を食べた後、ココと私は家に帰ってきた。健三郎は妻の勤め先と提携している保育園に通い始めた。二人が帰るまでまだ時間があったので、久しぶりに娘と二人でたっぷり遊んだ。思えば健三郎が生まれてからは、我慢させ続けだったと思う。おもちゃは取られ、宿題は邪魔され、夜泣きに起こされ。
 学校は冬休みに入り、友達と会う機会も減った。家の前に大きな公園があるので誰かしらとは会えるだろうが、寒いし外で遊ぶ機会も減るだろう。そうだ、家の中でも運動出来るような曲を教えておこう。最初はゆったりとしてストレッチでもしながら、アップテンポになれば曲に合わせてダンスを踊って、みたいな曲。そうだ。
 というわけで、X JAPAN「紅」を聴かせてみた。最近TOSHIって歌番組の特番でよく見るよな、なんて思って。
 そう、軽い気持ちだった。
 それがあんな事になるなんて、思っていなかった。

 薄れていく意識の中で、誰かの書いた言葉が浮かんだ。「ある曲を聞いたなら、もう聞かなかった自分には戻れない」あ、自分で書いた文章だ。「Arabesque」で年老いたギタリスト、ユダに言わせた台詞だ。

「紅」は始め、ゆったりとした弾き語りから始まる。曲に合わせてココとラジオ体操っぽい動きをしてみる。やがて始まる、一曲終わるとドラムのYOSHIKIが倒れ込むような激しいビートに合わせてアップテンポで踊ろうとしたが、思ってたより速くて難しそうだったので、ドラムを叩く真似をしてみる。「くーれないにーそーまーったー、こーのおーれーをー」と歌ってみる。ココは笑いながらすぐに真似して歌う。私よりも簡単に高音を歌いこなしている。
 タブレットで動画も見せてみる。ありし日のHIDEのアップから始まり、若いTOSHIが「紅だー!」と叫ぶ。そしてヘッドバンギング。真似をするとココが喜ぶ。自分ではしないようだ。無理して歌い、ツーバスでドラムを叩く真似をし、ヘドバンを繰り返す。若くはない私にすぐに限界が近付く。ココは私のスマホで何故かTOSHIがアップになった瞬間をカメラで撮影している。ひよっとして変な扉開けてしまった? もう、聴かなかった前には戻れない?

 薄れていく意識の中で誰かが囁く。「未知の旅へ」と。「飛び出そう」と。「紅」2回で翌日私の体はボロボロになっている。ココは夕方買い物に行った時、自転車の後ろでずっと「くーれないにーそーまーったー、こーのおーれーをー」と歌っていた。

 結論。
 映画「アナと雪の女王2」を見ると、X JAPAN「紅」を歌えるようになる。

(了)

 
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