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振り返り(「パレード」以降)

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「パレード」平沢進 2006年

 映画「パプリカ」の1シーンの動画をリピート再生しながら思い付いた話。時々「小説執筆寝落ち」をしていた頃。当初平沢進は「白虎野の娘」で書くつもりだったが、こちらの曲の方がすいすい書けた。


「けもののなまえ」ROTH BART BARON,HANA 2019年

 たまたま知った一曲が響きまくった曲。最近出た新作も良かった。昔書いた自作童話「首がもげたキリン」の続編して書いた。焼け跡を舞台にした話は昔も何度か書いた気がする。


「Children Of The Grave」BLACK SABBATH 1971年

 オジー・オズボーンのニュー・アルバムを聴きながら洗い物をしていたら娘に怒られていた頃。ほんとにこの曲のドラムが好き、リフが好き。話の内容は、近所の公園でオジー・オズボーンと話し込んでいる内に、オジーが井上陽水を歌い出そうとするのに突っ込む話。自分でもよく思い出す一品。 
 コロナ禍で新学年の新学期が始まらなかった頃の話。


「WORLD'END SUPER NOVA」くるり 2002年

 これもよく思い出すのは、作中に出てくる元ヤンの後輩と職場で顔突き合わせているからで、仕事へは電車に乗っていくからで、似たようなやり取りはしょっちゅうしているわけで。現実と空想が地続きになった瞬間。
「あるはずだった日常」はまだ戻って来ない。


「Living In The Ghost town」 The Rolling Stones 2020年

 ストーンズは一部の曲を除きこれまであまり聴いてこなかったが、新曲が出たその日にこれだけは聞き続けた。現状とマッチした歌詞の内容はコロナ以前に書かれたものだという。
 自分でもあまり内容を覚えていなかったが、この頃に書いた事が今でも続いているとは、思っていなかった。


「Instant Crash」Daft Punk,Julian Casablancas 2013年

 洋楽の訳詞から物語を作る事が中心になっていた頃。二人の語り手で交互にすれ違う想いを書いた。今読み返すと、どうすればこんな話を思いつくのかと疑問に思う。誰か教えて下さい。


「Human」The Killers 2002年

 コロナ禍の吸血鬼が「鬼滅の刃」の単行本を買いに行く話。内容をほとんど覚えていなかった話は、自分が書いた物じゃないみたいで新鮮だ。この曲をかけると娘が踊り出す。


「Holiday In The Sun」Sex Pistols 1977年

 セックス・ピストルズのベーシスト、シド・ヴィシャスとその恋人のナンシー・スパンゲンが若くして死なず、老夫婦となって、ロックダウンされたロンドンの安アパートで暮らしている話。
 これもあまり内容を覚えてなかったのだが、今読むと完成度が高く、特に最後の、まだ朝なのにもう光を感じる事の出来ないシドが夜だと勘違いしている場面など、よく考えられているなと感心してしまった。またこういうのを書きたい。


「Like A Stone」Audioslave 2002年

 生涯持ち歩き続けたい一曲。内容はドラえもんの二次創作で、孤島で過ごした十年間の記憶を抱えたまま過ごすのび太の話。
 思うに、二次創作を書く時は「自分」という殻から逃れる事が出来るので、程よい距離感で書けるのかもしれない。ここに書くのび太のような自分の見つめ方を私小説風ではなかなか書けない。


「Sky Is Over」Serg Tankian 2007年

システムオブアダウンのどの曲で書こうか悩んでいた頃、ボーカルのサージ・タンキアンのソロ曲で震えて短時間で書き上げた話。Spotifyによると2020年に聴いた回数第2位。読点を打つ場所を句点で区切り、散文でありながら詩のような形を取っている。いわるゆ散文詩と呼ばれる形式の物は苦手だけれど、こういう形なら書くのもあまり抵抗がなかった。Gezan「東京」を書いた時の衝動と似ている。


「What I've Done」Linkin Park 2007年

 リンキン・パークではどの曲で書こうか、と思いながら訳詞を読んで思い浮かんだ話、だと思う。「あまり人を救えなかった救い主は、ぞろぞろとまた再臨する」とか、どんな頭で書ける文章なのか。


「Jolene」The White Strips 2010年

「原曲を超えたカヴァーソング」特集で一位を獲得していた曲。ちなみに第2位はここでも取り上げ済の、ジョニー「Hurt」。
 歌詞の通りに「ジョリーン」と叫ぶ場面から始めたいが為に、「ジョジョの奇妙な冒険」第6部の主人公、徐倫が迷子になる場面から始めた。
「ザ・ホワイト・ストライプス」自体が既にスタンド名っぽい。
 三人称で書いた作品は時間と共に、自分で書いた感がなくなる。しかも適度にちゃんとジョジョっぽい。


「虎」ハンバート ハンバート 2018年

 2020年、私のSpotify再生回数ナンバーワンの一曲。それまでの数作で私は相当疲弊していたんじゃないかと思われる。この一編を書いていた場所が複数思い浮かぶ。「え、これが一位なの?」と驚いて聴き直したら、「なるほど、確かに一位だな」と納得した。


「祝日」カネコアヤノ 2018年

 続いて再生回数第三位の曲。「WORLD'END SUPER NOVA」で登場した後輩との会話を取り入れてる。ほぼそのままの会話が大半である。


「The Kids Aren't Alright 」 The Offspring
1998年

「かつて子供らだった中途半端な年齢のズタボロの中年達で町はぐだぐだと回っていた。パンクしたタイヤを修理しないままの自転車を走らせているように。」
 私はあまり比喩を使わないようにしているが、今読み返すとこれはしっくり来ているな、と思えた。ほとんど書いた内容を覚えてなかったが、宝くじだけが生き甲斐の確認魔と、ゲイ専門風俗店の側のコンビニで働く人には実在のモデルがいる。後者には時々濃い話を引き出させてもらっている。とても書けないくらいの話も結構ある。


「荒野」アナログフィッシュ 2011年

「虎」と似た話。書いたシチュエーションまで似ている気がする。自分では「虎」の方が好き。ちょっと「自分」というものから離れた方がいいんじゃない? と思える。


「路上」THE BLUE HERB 2002年

「路上」を一遍の小説作品として、その続編を書いている体。かなり読み応えがあるというか、自分で書いている感がないというか。乗り移っているというか。ぜひ世界中で聴き継がれて欲しい一曲。


「ミルク」Chara 1997年

 この後増える「子育てエッセイ風」の一編。「路上」でかなり消耗していた影響もあると思う。これを書いて間もない頃に健三郎はミルクを卒業した。


「Neighborhood」米津玄師 2017年

 米津玄師サブスク解禁後すぐにブルーハーツや中島みゆきも解禁するかと期待したが、まだそうなっていない。
 過去作を掲載しながら、全てが今に繋がっていると実感している話。


「アジアの海賊」坂本冬美 2009年

「ONE PIECE」に出てくる歌い手、ブルックを主人公にした二次創作。途中からオチを書きたくてうずうずしてた覚えがある。


「白い夏と緑の自転車 赤い髪と黒いギター」the pillows 2002年

 随分と前から「音楽小説集関連曲集プレイリスト」に入れていた一曲。この辺りから出勤時間を遅くして、娘と同じ時刻に家を出るようにした。何から何まで事実を書いているので小説ぽくはない。ピロウズはまたまだ何かしら書けそう。


「かつて天才だった俺たちへ」Creepy Nuts 2020年

 ちょうど最近この曲のTHE FIRST TAKEバージョンがサブスク解禁したので聴いていた。ほんの数ヶ月前に書いた内容でも、今の子供らの遊び方とは少し違う。写真や動画とは違う子供達との思い出の残し方、とも言える。


「魔法のバスに乗って」曽我部恵一BAND,曽我部恵一 2008年

 漫画「チェンソーマン」の二次創作。これを含め計四編のチェンソーマン二次創作を今年書いた。
 曽我部恵一はサニーデイ・サービスのボーカルの人。同級生がかつて曽我部恵一主催のレーベルでCDを出していて、共演したライブも見に行った事もある。今年NHKで彼の曲「どっか」が流れて懐かしくなった。最新アルバムに入っていたので最近よく聴いている。


特別編「メタリカン・ワールド」

 何かしら隙間があればメタリカばかり聴いていた頃。もういっそメタリカしか音楽がない世界の話を書いてしまえばいい、という気分になる事が皆さんもよくあるでしょう。今でも時々この世界に迷い込む。


「New World」カサリンチュ 2013年

娘のココとゲーム「マインクラフト」で遊ぶだけの話。最近の私はたまにココの世界に遊びに行くたけで、ほとんどゲームはしていない。マイクラのレゴブロックをいくつか買った。


「It's My Life」BON JOVI 2003年

短縮プログラムとなった今年のマッドカプセルマーケッツ小学校の運動会を見ながら、自分の人生を振り返る話。最後に書いたヒッチハイク老婆の姿は今思い出してもぞっとする。


「ポテトサラダ」ZAZEN BOYS 2012年

 独特なリズムのこの曲のでもココは踊る。これを書いた直後自分でもやたらとポテトサラダが食べたくなった。食べすぎて逆に今はあまり欲しくない。


「Go Go Round This World!」フィッシュマンズ 1998年

 40歳の誕生日を迎えてしまった話。この時買ったSDプラモ「ディスティニーガンダム」は、あまり遊び道具になる事もなく転がっている。自分語りに枷がなくなり、とっ散らかってしまっているかも。三人称に一旦戻った方がいいかもしれない。


「POWER」HALLOWEEN 1996年

 Spotify始めた当初すぐに探した曲だがその時はまだHALLOWEENは一部しか解禁されていなかった。今でも全曲開放ではない。
 ここで書いたインド人のカレー屋でその後何度かキーマカレーを買った。また食べたい。


「Cosmic Dancer」T-REX 1971年

 T-REXといえば、カセットテープとウォークマンを思い出す。高校時代、通学中にウォークマンで聴いていたのは、メタリカとT-REXが多かった気がする。両方とも出会いは中学時代と思うが、どのカセットテープを持っていくか悩んだ時に、T-REXを結構選んでいた。ふと思い出して聴いてみた、とてもいい曲。


「Soldier of Fortune」LOUDNESS 1989年

 ギャグに振り切った回。
「では皆さん、用意して頂いているピックを捨てて下さい」という冒頭の台詞を読んで自分でも笑ってしまった。


「I Fought the Law」THE CLASH 1979年

 石川宏千花著「拝啓パンクスノットデッドさま」という小説の感想メインの話。この一冊がきっかけで「洋楽を聴きながら読書」が習慣になり、会社での昼休みに必ず30分はそれに費やすようにしている。


「Zombie」The Cranberrys 1994年

 もうちょっと虚構寄りだと思っていたら、読み返すとほとんど実録ものばかりが続く。駄目とは言わないが、実録/物語の割合を半々にするとか、一人称で書いた次は三人称で書くとか縛りを設けた方がいいかもしれない。


「System Of A Downの流れる日常」

 システムオブアダウンで書こうと思いながら一曲を決めきれずに十年が経った(実際は数ヶ月)。それならいっそ、システムオブアダウンが流れる現在の日常風景をそのまま書いてしまえ、となった一編。まだ流れているよ。


「No Shelter」Rage Against The Machine 1999年

 作中書いたように、今まであまり知らなかった曲。レイジ自体は周りがみんな聴いていた頃は逆にあまり聴かなかった。周りに人がいなくなってからむしろ聴くようになった。シェルターのない世界が広がり続けている。


「Whisky In The Jar」Thin Lizzy/METALLICA 1972年、1998年

 バンド少年だった時代のメンバーを集めた同窓会ライブの話。最近ギター弾いてない。ドラム叩きたい。メタリカ出過ぎ。


 あと三編は「新都社チェンソーマンアンソロジー」より
https://neetsha.jp/inside/comic.php?id=22789

「素晴らしき日々」

 デンジ、パワー、アキの短くも楽しかった同居時代を書いた。


「係長マキマ」

 支配の悪魔、マキマが係長だったらと考えて書いた。実際にマキマさんみたいな女性係長がいたのだ(現在は別の工場勤務)。たくさん怒られたのだ。


「2020年12月21日月曜日」

 チェンソーマンの最新話が読めない初めての月曜日の話。自分では今年の集大成かなと思っている。


 今年の実績。

「音楽小説集」47編追加。
「ボトムオブザワールド」現在7話まで。
「新都社チェンソーマンアンソロジー」3編参加。


 計57更新。
 後半がちょっとマンネリ化している感があるので、2021年はそれを打破しつつ、良い所は継続していきたい。
 読者の皆様のコメントにより、執筆が継続出来ています。来年もよろしくお願い致します。

(了)

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