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 青い空の下、どこまでも広がる草原に二人の人影が歩を進めていた。
 一人は魔王討伐の使命を授かった勇者。もう一人は彼の従者であるゾンビ。
 ゾンビが照りつける太陽を恨めしい目で睨んでいると、先頭を歩いている勇者が突然振り向いて口を開いた。

 「あ~、なんかムラムラしてきたわ。おいゾンビケツ出せ」

 ゾンビは耳を疑った。こいつは脳みそが腐ってしまったのだろうかと、しかし腐っているのは自分の方だ。ありとあらゆる罵詈雑言が自分の頭に浮かんだ。

 「嫌ですよ」

 しかし、その口からでてきたのは至極まっとうな言葉だった。ゾンビは更に畳みかけた。

 「なんで外でしなくちゃいけないんですか。常識ないんですか。そもそもこんな暑いところにずっといたら腐っちゃいますよ。はやくいきましょう」

 「しかし……」

 「しかしもクソもないですよ」

 すると勇者はいきなりゾンビの背中に回り込むなり服の中に手を入れその平たい胸部をまさぐりはじめた。

 「んひゃんっ!ちょっといきなり何するんですか!やめてください」

 「いやいや言って、ここはこんなにコリコリじゃないか」

 そう言いながら勇者は両胸の突起物をつまんだ。

 「ふわッ!それは飛び出た肋骨ですよぉ」
 
 なるほど道理でコリコリなわけだ。と、勇者はそう思いながら今度はゾンビのズボンのなかに手を突っ込んだ。すると、ぬちゃりと音がした。勇者はためらわずその粘液がついた手を自らの鼻に持って行った。

 「ちょっと何匂い嗅ごうとしてるんですか、この変態勇者!」

 ゾンビの抗議の声を無視して勇者はスンスンと鼻を鳴らした。そして、口がニヤリと歪んだ。

 「おいおい随分ぬれぬれじゃないか。なんだよこのすっぱい匂いがする粘液はよぉ」

 「そ、それは……腐った体液がしみでてるんですよぉ」

 腐ってるんだ、じゃあ酸っぱい匂いがするね。

 「ああもう我慢ならん」

 勇者はその称号に相応しい素早い動きで自らのズボンとゾンビのズボンを脱がせると、外気にさらされたご自慢の聖剣をゾンビの下腹部に突き立てた。

 「そ……そんないきなり。鬼畜勇者!死姦趣味っ!」

 そんな抗議を無視してゾンビの腕を掴んでピストン運動を始めた。

 「はっ、激しい!そんなに動いたら腕がもげちゃいますよぉ」

 「うるせぇ!黙ってボクの子を孕めぇ!」

 「人間の男とゾンビの雄じゃ子供はうまれませんよ」

 「知るか。くそなんて締め付けだ。咥え込んで離さねぇ」

 死後硬直だ。

 しばらくするとゾンビの口から嬌声が漏れ始めた。

 「ふあっダメです。イっちゃう!ある意味もう逝ってるけどイっちゃう!」

 「何だ感じてるのか!こんな女の子みたいな見た目の男に後ろから突かれてっ!」

 「はいぃ、感じてます!」

 その後二人は果てた。ちなみに明日は映画『ゾンビ』がイタリアで公開された日。





 

 
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