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転院

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 Sクリニックへの通院が始まった頃には、もう真夏になっていた。
初診なので、またしばらくは1〜2週間おきの通院となった。
もう記憶が飛ぶこともなくなっていたし、むやみにケタケタ笑ったり、はしゃいだりもしなくなっていた。
狙われ・守られ妄想も治まっていたが、監視されているのでは・・・という猜疑心が沸き起こっていた。

医療措置入院で閉鎖病棟に拘束されていた私…
旦那のゴリ押しで釈放されたけど…病院からは本来、牢屋の中にいなくちゃいけないと判断されている・・・。
医療関係の全ての人たちに連絡が回って、みんなで私を見張っているのでは・・・?
 きっとそうに違いない、と思い込む時は、やっぱりまだ神経がおかしかったのだろう。
 Sクリニックでの診察内容は、体と心の問診と、日常の生活活動ができているかどうかの確認だった。
ーーー買い物できますか? 家事できますか? テレビ見れますか?
    ??!テレビ?ww
最初のうちはこの最後の質問が三段オチのように感じていたがー・・・

 心身の容体は 手先、顔先にまだ痺れが残っていて、I医療センターに通院していた後期の頃と比べると、不安が強い。
薬を飲んでいない時期があったせいだろうか…転院の不安からだろうか・・・・・・
薬を飲めていなかった2週間の間は、なんともなかったんだけど・・・・・・・・。
頓服になっていたワイパックスも、再び毎食後に服用しなくちゃいけなくなった。

 就寝前に毎日服用するように処方されていた睡眠導入剤は、初めのうちはよく効いていて、朝までぐっすり寝て翌日それなりの活動もできていたが、次第に飲んでも寝付きが良くならない上に 翌日、目が覚めたら体がだるくて仕方がなくなってきた。

眠剤を飲んでしまうと体が起ききらないようで、次の日は夕方までなんにもできない・・・
寝不足の不調のほうがよっぽどマシなくらいに。
そのため、どれだけ眠れなくても、眠剤は一切使わなくなった。

 夜眠れないのは、昼寝をしているせいだと思い、昼間は眠くなっても寝ないようにしていたが、夜もやっぱり眠れなかった。
昼も夜も眠れていない日が数日続いたので、昼間でもいいから、眠れる時には寝ておこうと思ったのだが、眠れない。
昼も夜も眠れない。
この症状はそんなに何十日もは続かなかったが、スゴく体がしんどくて、このまま眠れずに死ぬのかと思った。
それでも一日一日は、眠剤を飲んだ翌日ほどのしんどさではなかった。
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 Sクリニックの通院を重ねても、何だか気分が日に日に落ちていっていたように思う。
以前より疲れやすくなって、歩くのに足を前に運ぶのも、一歩一歩が重い…
食料品を買いに行くにも疲労感がギリギリな感じで、明日・あさって、買い物に行けるのかなぁ…と、この頃はいつも思っていた。
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多治見リョー 先生に励ましのお便りを送ろう!!

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