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外界の人達

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 時間軸がクロスオーバーしてしまったが、当時私は専業主婦で仕事はしておらず、週1で通っていたダンスが一番の外界とのつながりになっていた。
閉鎖病棟に入れられた日も、午後からはレッスンに行く予定だった。
やたらと不安になって電話をかけてしまっていたのもここの先生だった。昼も夜も、レッスン時間中にだって・・・。
夜にかけ続けていた時、旦那が受話器を取り上げて「辞めます」と言っていた。
「何なの?」みたいなことを言われたんだろうなぁ・・・・・。
 この展開になる前・・・閉鎖病棟を出た後、数回練習に行ってもいたが、もう気が狂った状態で、ヘンな物を持って行ったりしていた。
その時は皆の役に立つだろうと思い込んでいた、後になって考えてみると、いらないガラクタ・・・・。袋いっぱいのそれを先生は受け取り、そのままスタジオに保管してくれていた。
正気に戻ったらおかしなことをしたと気が付き、返してもらうように言う・・・・・
などなど、奇妙な言動を重ねていたのでは・・・と思う。振付を覚えることもできなくなっていた。
気は狂っていても踊れなくなる焦りと不安とはあった。・・・この不安からだと思う・・・、用があるわけでもなく、電話をしてしまっていたのは・・・・
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 こういったキチガイ行動は他の生徒仲間達にも多く目撃されてしまっているので、この時から距離を置かれたり、怪訝そうに関わらないようにされたり・・・とか、ズバリ「アンタ、もう帰りなさい」と言われたりもした。
でも、変なものを持って行ったり、変なことを言い出したりしても親身に耳を傾けてくれたり、「こんなにいろいろ持ってこなくてもいいよー」と、優しく断ってくれる人もいた。
人生経験豊富な方たちは、こんな風に気が狂ってしまう現象があることを知っていたり、身内になったことのある人がいたりする方々かもしれない。
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多治見リョー 先生に励ましのお便りを送ろう!!

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