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「――悪の組織、ショッカーは存在する」

このような話を飲み屋で披露されたとして、貴方ならどのような反応を示すだろうか?
笑いの一つも取れたらラッキー、でなければ「コイツヤベー奴だわ」と敬遠されるのが関の山だろう。
 だがよく見てほしい。うんうんと頷いてくれる年配のおっさん、くたびれた表情のパート風の主婦、ニヤリと笑みを浮かべる飲み屋のマスター――彼等は知っている。

「ショッカーは存在する」

 俺がかつて所属し、仮面の糞野郎共と戦い、組織と戦火を拡大させ――

――これは俺がショッカーに所属し、組織を辞めるまでの物語である。
「――知らない天井だ」
いや知ってる。言ってみたかっただけ。

俺にはこの世で許せないことが2つある。1つ目は人を殺すこと。2つ目は占い。そしてもう1つは――職場で客がいるのに喧しく私語をしてる奴だ。ここ病室だけど。
「賭ける?じゃあ今日の夕食賭ける?」
「ドクター…前にも言いましたがそういうのは倫理的にちょっと…」
「いーじゃん減るもんじゃないし!久々にシースーいっちゃう?」
「目覚めない方に1万!」
「じ、自分はダイエット中だから天丼がいいんだな」
「大穴で永眠する方に15k!」
こいつらが賭けている内容は麻酔で脳みそのぼんやりした俺にも分かる。 俺が今日中に目覚めるか否か、このままおっ死ぬかだ。永眠か、面白いことをいう奴がいるもんだ。
殺すのは最後にしてやろう。
そして俺は高らかに(実際は凍結の解けた直後のハン・〇ロくらい酷かったらしいが)宣言するのだ。

「…じゃあ今夜は寿司で」
2, 1

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