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第五話

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朝五時起床。
こっそり部屋から抜け出し玄関の戸を開けようとした瞬間、待ったの声が掛かる。

「約束を反故にするのか?」
「女の子は可哀相だが、危険な事は嫌いなんだ。じゃあな。」
「待て!娘を助けてくれ!」
「娘が居たのか?」
「化け物を退治する為に一人で山を登って行った。2日前の事だ。写真を。」

そう言うと村長は懐から写真を取り出し俺に渡した。
ミディアムヘアにカラーコードで表すならば#0033FFといった青い髪で清純そうな所がとても可愛いらしい。
「可愛い娘だ。この娘を俺にくれるのならば助けてやろう。」

村長は長い沈黙の末重い口を開いた。
「――この町の昔からの言い伝えで、旅の剣士がこの町より賢者を見出し共に魔王を倒す、という話があってな――。もしやこの事を指しているのかもしれん。」
「ああ、そいつは俺の事だ。」
心にも思っていない相槌を打つ。村長も決心が固まったようだ。
「娘を頼んだぞ。」


こうして第一の雌犬を求め山に登る事が決定した。



続く
5

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