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休載前のネタバレ

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佐伯春樹(19)
グッドラック・チャーリー!
→高校入試を失敗し、大学受験も失敗をし、全てに対して無気力になる。
そこから日高秋人からコカインを勧められてコカイン中毒になる
親から逃げるように一人暮らしを始め、予備校に通ってはいるが、周りの予備校生のように受かるという欲はない

小山夏美(19)
タイムカプセルと佐伯くん
→佐伯春樹に一目惚れをし、佐伯春樹のように大学受験に失敗をし、佐伯春樹と同じ予備校に通う
日高秋人とは小学校からの顔なじみ
小山夏美にとって佐伯春樹は王子様のような存在であり、佐伯春樹が最近おかしいな(挙動不審だったり)と思っており、それを救いたいと思っている
それが佐伯春樹の意志に反するものだったとしても小山夏美はそれを貫き通す

日高秋人(19)
ユータラスロッカーベイビーズ
→親のせいで昔から周りに疎まれていたことは知ってる
だが日高秋人はそれをどうこうしようとは思っていなかった(そういう人間になるとは幼い頃から薄々勘づいていたから?)
大学に進学もせずにろくにバイトもせず毎日バイクを乗り回している生活を送っている
そこである日女から「子供が出来たみたい」と伝えられる
日高秋人は自分の人生が子供ごときで潰れるなんて信じられなかった。だから女の腹めがけて足を下ろした。だが女は無事子供を産んでしまうが、日高秋人は子供を捨てようと言いコインロッカーに赤子を入れる

前園冬可(22)
母親を、殴って殺したので
→母親は前園冬可を自分のように育てていた
まるで二回目の人生を前園冬可に押し付けるかのように
だが前園冬可は受験に失敗して親の二回目の人生とは言えないものになった そこから母親の暴力が始まる
次第に前園冬可は耐えきれなくなり母親を殴り殺す
前園冬可が佐伯春樹に話し掛けたのは同じのような匂いがするから
結果的に前園冬可と佐伯春樹は異なる人間だった


最後は?
佐伯春樹は
→コカインのせいで頭が正常に働かずに車に轢かれて死亡
小山夏美
→佐伯春樹を殺した車を追おうとしたら日高秋人が乗るバイクに轢かれる
日高秋人
→警察に追われていてバイクで逃げようとしていたら小山夏美を轢いてバランスを崩し、軽傷を負う
前園冬可
→佐伯春樹が死亡したことにより予備校に行く意味が見いだせなくなり辞めて、ずっと放置していた母親の死体をようやくバラバラにしてバレないようにすることに決めて、無事大学へと進学した。


タイムカプセルと佐伯くん

 高校生の時に私は初めて佐伯くんと出会いました。高校時代の佐伯くんは何事にも無気力でクラスの皆には煙たがれていました。
佐伯くんが教室から出ていった時は委員長が教壇に上がり、佐伯くんの悪口を堂々と言っていました。それに同調するクラスメイトは見ていて痛々しかったです。
でも佐伯くんといつも一緒だったのが日高くんという学年一の不良の人だったので誰も佐伯くんへの直接の対応は優しかったです。日高くんに目をつけられたら最後ですから。
日高くんと私は小学校からの顔見知りです。日高くんのお母さんは絵にかいたような不良のママでした。私のお母さんからは日高くんとあんまり関わらないようにしなさいと言われたほどです。



小学生の時からずーっと大好きだったけど声を一回もかけられなかった。
だって君はあくまでも私の憧れだから。

華奢な躰に大きな茶色の瞳。浪人してしまってから一気に君は耳にピアスを付けたりして洒落てしまった。一種のお洒落か分からないけど夏場でもずっと長袖。風に靡いて服の裾からたくさんの跡が見えてしまう。
君は少しずつだけども壊れていってしまっている。私には分かる。だって君が大好きだから。

だから、私が助けてあげなくちゃ! 大丈夫だよ、佐伯君…いや春樹君。

私が絶対に助け出してあげるから!


シュウトが人生を潰したから、
シュウトが春樹君を潰していっているから、
いっそ、殺してしまえ。

あぁ、殺した。なのに、あぁぁあああ、あ、春樹君が戻らないのは、どうして


ユータラスロッカー

気まぐれで遊んだ女が家に来た。
デキちゃった、っていってた。
デキた、なら、俺はどうすればいい?



 時は遡ること、二週間前。
腹をデカくした顔も覚えていない女が俺に会いたいと言って家まで来た。
女の香水の匂いは大嫌いだった。俺はムスクが苦手だったから。
でもあの時の女の匂いとは違っていて、甘いシャンプーの匂いが壁の薄いアパートに漂った。
「……で、なんの用? 俺、お前に構ってられる時間ないんだよ。さっさと言え」
「シュウトくん」鼻につく甘い声。
「デキちゃった」
「…」
デキた?
「なんで?」
「知らないよ、だって、最後にセックスしたの、シュウトくんだもん、そこからしてないし、生理来ないし」
「はぁ…」
「マリとしては、産みたいし…」
「は?」
「だって、デキたなら産みたいもん」

足で女の腹を蹴っていた。こんなヤツのために俺は人生なんて食い潰したくない。
拳で女の腹を殴っていた。こんな腹の子供のために一生の自由を取られたくない。
ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるな!!!!!!!!!!!!!!!!!
……。
気が付くと、女のスカートは血で濡れていた。
「はぁ…、はぁ……」
「ぃたぃ、いた、ぅ、ううううう、ぅ、ぅう」




ロッカーに入れましょう。








母親を、殴って殺したので


こうして、俺の人生は勝手に二周目にさせられていた。

じゅけん が あらわれた! 

所詮、中ボスぐらいだ。こんなヤツ、楽勝だ。鼻歌をかましながら持っていた魔法攻撃でだけで攻めていく。インスウブンカイ、カイヲダイニュウ、ルート、シグマ、カンスウ……。呪文を唱える、不気味な笑みを浮かべるジュケンはどこか余裕そうだった。なんで余裕そうだったのかは俺には分からなくて憑りつかれたように呪文を唱える。

じゅけん は ソクシマホウ を となえた!

とぅるるられるららー。ゲームオーバーという苛立つテロップが目に入った。
あっという間に、パーティーは全滅だった。バタン、バタン、バタンキューキュー。
一体、どこがいけなかったのだろう。万全の態勢で挑んだ。なのに、またラスボスの姿すらも拝めないまま、ゲーム・オーバー。こんなのナイ。絶対、アリエナイ。
画面が忽然と暗くなり、母によく似た顔が鮮明に写る。
俺の人生なんて所詮、母の二周目。
でも俺は母のように何事にも劣っていて、母はそれを見るたび、煙草をふかし、俺を蹴り上げた。
暴力をふるう母の力は年を重ねる度に弱くなってきた。逆に俺の力の方が勝ってきていた。だから俺は煙草をふかしながら、母親を殴った。母親を殴り続けた。父親はテレビのバラエティに笑っていた。俺は母親が衰えていく姿に笑っていた。母親は俺の姿を見て泣いていた。歪な音はテレビの笑い声でかき消されて、父親の笑い声にかき消されて、俺の声でかき消されて、母親の泣き声でかき消されて……。
母親を殺したって、バレたら、どうしよう?

17, 16

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