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アイギュリー・ディロゴールVSカカシ軍団

千年竜と呼ばれる存在
長い年月を封印されたそれは
千年のちの世界に現れそして自らの脅威を排除しに掛かった。

「なんだ、あれは! うあ!」

船上に、
轟音が遅れて鳴り響き、海は荒れすさび
暗雲を呼び込む、千年厄災、新たな時代の幕開けに
稲光をまとって

「――――――おろかな、この大罪をゆるすものかよ」

他ならぬミシュガルドの地へと降り立った

「数を揃えて大樹を枯らすか
 矮小なるウッドピクスどもよ
 こうも落ちぶれたものか!」

千年竜アイギュリー・ディロゴールが
降り立った地は広大な農地が広がっており
そこにはカカシの男女が牧歌的に働いておりました。

「もはや自らの役目さえ忘れ
 人間に使役する木偶と化したか
 まあそれも仕方がねえ」

カカシの腕をへし折りました、
ボキボキバキバキ。

「千年経ってもそう変わんねぇな…
 ウッドピクスは骨がねえ」

カカシは倒れてしまった、ばったり
これを見て仲間のカカシは農作業の手を止めて
アイギュリー・ディロゴールに集まってきた。

「おう、ようやっとらしくなってきたじゃねえか」

『――――――害竜』

「そりゃ結構、だがそれは木偶の反応だな
 お前らの主様はどう思ってんだって話だ」

カカシは沢山並びだすと、整列し
文字を表した、その字が害竜である
続けざまに増員された働くカカシさんは
アイギュリー・ディロゴールに
空を飛んでないと読めないだろう
万人単位での整列文字を見せつけた
それはもうそのまま対話するつもりが伺える

『千年竜、ウッドピクスの秘術をもってしても
 竜人族から作り出すことが出来なかった傑作
 品種改良の果てにある造物主の戯れ
 魔晶石を機関としてもつその仕組み
 我が悲願、精霊樹の探知の為
 その肉体ごと触媒として扱わせてもらう』

働くカカシたちは整列体制を崩すと、
即座に戦闘配置について、
千年竜を仕留めに掛かる

「寄って集ってようやっと…
 このオレを封印した連中が
 その体たらくで勝とうなんざ
 笑わせる」

もはや働くカカシは電信柱として
電報を打つ役目をやめた
アイギュリー・ディロゴールに向かって
数の暴力で攻める万人組手の始まりである

「準備運動としては丁度いいかもな
 だがお前らを片付けるのに
 千年はかからねえがな!」

カカシは農具を手にアイギュリー・ディロゴールの
翼を突き破らんとしたが
咄嗟に翼を小さく引っ込めて
向かってくるカカシ達のやりぶすまを
下段にかわし尻尾で思いきり払いのけると
つぎつぎと宙を舞うカカシの首をへし折って
カカシの動力部である胸の魔炭石をうちくだき
ものいわぬカカシの残骸を数百つくりあげた

「ものいうでもなく
 ただただウッドピクスってのは
 木陰で怯えてるだけか?
 こんな木偶を数集めるだけでなく
 姿を表せ!」

千年竜は両の腕を掲げると、
暗雲を呼び寄せて轟雷ととも
田畑を薙ぎ払う竜巻となって
幾万体の襲い来るカカシを散らして
再起不能にし破壊しつくした

「ハーーーーー
 結局姿をあらわさねえのか
 ん?」

風車ごと吹き飛んだ粉ひき小屋から
うめき声が聴こえる
そういえば少なくない家畜も
巻き込んだが家畜の飼い主だろうか?

「オイ、死ぬなよ…?
 さすがに
 ここいらで喋るやつがいないと
 俺の物語の進行に差し支えるどころか
 まだ始まってもいねえって具合になる
 ―――――おまえ、人間か?」

「くっ殺せ」

いかにも農家の妻のような年ごろの女だが
どうにもこういう目にあい続けているような
不幸体質が伺えた

「洗いざらい話したら殺してやらんでもない」
「洗いざらい話したら
 殺される必要性どころか
 尊厳がずたずたになるとは
 思わない?」
「――――――人間ごときの尊厳なんぞ
 けし粒ひとつの価値もねえぞ」
「けし粒ひとつの価値もないものに
 自分の物語の進行を任せるのは
 いくらなんでも自由過ぎない?」

なんか徐々に倒れてる位置から
特に手助けなく、下敷きになってる
そこら辺の岩とか折れた材木とか
もろもろ押しのけて這い出てくる人間の生命力よ

「手を貸さないあたり
 けし粒の尊厳を破壊しないように
 あえて傍観してくれたというわけね
 何の理由があってかは知らないけど
 死に急ぐ他人に
 手くらい貸してくれてもいいのに」

「いやオレの尊厳が破壊された感じがする
 俺の竜巻に巻き上げられて
 五体無事で済んでる人間って何だろうな」

「そこはあれよ、自由に対する責任ってやつが
 わたしを守ってくれたのでしょうね
 自分の農地を蹂躙されるのは人生
 何度目かはわからないけど」

「自由に責任なんざつけるんじゃねえよ
 無駄に死なない人間とか厄介この上ねえ」

「無理よ、自由には責任が要るわ
 生きていくのにも常に契約が必要になるの
 理由が無く自由をおうがすることなんて
 この世界の誰にも許されていないのよ」

なんか胸に手を当てて話し始める辺り
洗いざらい吐くとかより自分の立ち位置とか
境遇とか待遇とかそういうめんどうくさいものに
縛られてる感じのする女であり
付き合うのが面倒くさそうだ

「自由に生きたいってのに
 これ以上の理由が要るのか?」

「理由も無しに自由にされたら
 このザマなのよ
 さあ煮るなり焼くなり好きになさい
 自由の権化」

「――――――あのな、
 そらあオレを作った奴は
 フリーダムかもしれねえが
 さすがに名前ぐらいはあるんだぞ」

「札付きの自由に興味はありません
 雑に殺害する秩序を破壊する自由こそが
 混沌であり自由の権化たるものの象徴とすれば
 自由の権化は名前にさえ縛られず
 他人の言葉にも従わず
 婦女暴行から大量殺戮まで何でもする」

彼女は唐突に自らの生い立ちを話し始めた
まず彼女は貧農の大地に生を受け
ただひたすら農地を開拓して土地持ちになることを
夢見てる両親のもとで育ったのだが
この両親が将来、人手が必要になるだろうから
11人の子供を産み育てた、男手が欲しかったのだが
八人の娘と三人の息子という具合であって
男手が少ないことと、息子達が貧農の立場を嫌がって
ハイランドで自由傭兵になることを志し
家財を売り払い旅立ってしまった。
残された姉妹たちは、両親を良く手伝って
開拓に明け暮れる日々だが
金品の数も少ないのでスーパーハローワークから
借金をするしかなく、その借金のカタとして
娘たちを各地に奉公にだすぐあいとなり
その中でも彼女は手つかずの土地に回されて
その地で手の豆をつぶし、何十足もの靴を履きつぶし
降り積もる雪をかき分けて
多額の借金を土地を開拓しては手放すことでなんとか
しのいでいるという具合であった
が、彼女の兄弟である三人組がハイランドの
厳しい環境に耐えられず野党となって
各地で盗みを働いているという具合であり
牢屋にぶち込まれて死罪をいい渡され
血縁関係者全員にスーパーハローワークから
賠償金を要求されたあたりで彼女の人生は真っ白になり
生まれてからずっと働くことしか出来なかったので
開拓し続けていれば現実逃避が出来るという具合で
気付いたらアルフヘイムの辺境で
スーパーハローワークの末端社員として農具の売り込みから
農地開拓の支援までなんでもやる課の雑用係という具合で
まあなんだ、気づいたら働くカカシを売りつけて
貧農や農奴を餓死させる死の商人になり下がったらしい
というかなんで千年竜がこんな長話を聞くことになってる
のだろうね?

「俺の名は
 アイギュリー・ディロゴールだ
 なるほど人間は相変わらず愚かで
 安心した」

「イワニカ・カーツベルトです
 カーツベルトは五人目の旦那の家の姓ですが
 五人とも死んだのであまり意味がありません
 けし粒よりかは呼びやすいでしょうから
 イワニカと呼んでくれていいですよ
 えっと名前…」

さすがにお互いすっかり疲れてしまっていたので

「名前…そうだな、ディルでいい。」
「ディルはアルフヘイムの竜人でしょうけど
 竜人って男の姿をしてるのもいるのね」

「まあおれがタダの竜人なら
 今日という日まで封印なんぞされて
 なかったとは思うがな」

「お仲間に会いたくはないのかしら?」
「悪いがアルフヘイムの連中は
 俺を封印した奴らでもある
 エルフ連中には人間のお仲間がいやがるようだが
 お前は魔法使いではないようだな」

「人間の魔法使い、
 アルフヘイムのエルフ、
 どちらも私には関係があまりないですが」
「あとウッドピクスだ
 あいつらははかりごとばかりしている
 あやうく魔晶石に封じ込められるところだった」

「それと農場とどういう関係が?」
「あの木偶ども、ウッドピクスが
 仕掛けたもんだろ?
 お前ならわかるはずだ、お前からも
 ウッドピクスのニオイがするからな」
「それはカカシの手入れ位しますよ、
 なにせ私はSHWの農業部門の責任者ですから」

話が進まない、無理もない
千年眠ってた竜と二十年は働きづめだった女の
話なので互いに融通が利かない
こういう時にすぐに出てきてくれる黒幕とか
居れば物語の進行に困らないけれど
何人も人間が出てきたり登場人物が現れると、
文字媒体の場合、会話の進行が難しくなるし
何より一人一人のリアクションが無いと
キャラが唐突に消えたみたいな印象になるので
被害者と加害者くらいの立ち位置だったものが
話にならないことを理解するところに立つまで
こうしてくっちゃべってるわけだが
イワニカはだんだんと勘づき始めた

(ウッドピクスにしてもエルフにしても
 竜にしてもそうだけれど
 何千年も生きる前提だから時間の無駄という
 考え方が薄いところがあるみたいね)
「急ぎなんでなとりあえずお前には
 話せることは話せるだけ話してもらうぞ」
「で、千年封印されていた竜である
 アイギュリー・ディロゴールさん
 あなたに賞金が掛かってることは
 知っているかしら?」

「あ、なんだ?」

「依頼人は伏せてあるけれど
 私たちは基本的にこのミシュガルドにおいて
 大交易所という三カ国合同で話を進める
 あなたには変動制の賞金が掛けてあって
 危険度がどれくらいのものなのか
 報告するように冒険者たちに呼びかけられてるの」

「なるほど、その依頼人というやつが
 オレを封印したやつの関係者か
 というか変動制の賞金を冒険者に払うって
 なんだかよくわからんが」

「ケチよね、まああなたが
 壊したものの額面によって
 賞金は25倍の間くらい変動するみたいだけど
 いまのところ最高額でも軍隊を動かすほどの
 賞金が掛けられてないことを考えると
 なめられてるみたいね」

「――――――なんか別にオレが
 手を出さなくてもお前らは
 勝手に滅びるんじゃないか?」

「勝手に滅びるにしても
 とりあえず御飯にしない?
 最後の晩餐ってやつで」

千年竜アイギュリー・ディロゴールが吹き飛ばした、
残骸となった家は外からでも間取りが見えるほどであり
屋根が吹き飛んでてやーねー

「机といすはそこいらの樽と木箱で足りるか
 あとは食べ物は床下の備蓄庫にと」
「お前らが何を食べてるのかは知らんが
 オレの腹を満たせるものが
 こんなところにあるとは思わないが」
「あったわ、トラウィスカルパンテクトーリーの缶詰」
「は?」

一斗缶を担ぎ出してきたイワニカ
どでかい缶切りで一斗缶をこじ開けると
なかから芳醇な発酵臭が広がる。

「トラウィスカルパンテクトーリーは
 缶詰から出して三つに分けて食べるのが
 マナーなの、ほらテーブルにも三つの皿が
 用意されてるでしょう?」
「まて、そのトラウィスカルパンテクトーリーというのは
 一体なんだ? 俺にはカビた生ハムの原木にしか見えん
 というかそんなものがおさまる容器を
 人間は量産したというのか?」

茶器をカタカタと揃えながら、
テキパキとテーブルを整える。

「あら、紅茶とよく合うのよ?」
「肉は葡萄酒と合わせるものでは無いのか?」
「トラウィスカルパンテクトーリーは私たちにとって
 三食欠かせないたべものなの」
「今の奴らはこんなものを主食にしているのか?
 胸やけを起こさないのか?」
「――――――それは食べてみればわかることよ」

イワニカは固そうな肉の塊にかぶりついている
が、あごの力が足りないらしい
紅茶で口直ししながらまたかぶりついているが
そもそもトラウィスカルパンテクトーリーは
そうやって食べるものなのだろうか?

「さっきの物騒なナイフを貸せ
 こういうものは薄切りにして食べるんだ」
「そうかしら?」

アイギュリー・ディロゴールはやれやれと
大きなトラウィスカルパンテクトーリーの
肉の塊を手早く薄く、透き通っているくらい薄く
三つの皿に盛り分けた

「たぶんこうやって食べるもののはずだ
 というよりお前はものの食べ方も分からずに
 どうやって生きているんだ?」

疑問である、大体の創作物で
とりあえず食事のシーンを挟み込めば
生活感が出るだろうという筆者の意思を感じ取ることが
多々あるかもしれないが、食に特別思い入れも
土地のものに対する食への愛着も無い場合、こうなる
――――――つまり食の世界崩壊である

「あら、働かざる者食うべからずっていうじゃない
 働いてるとお腹もすかないから
 三食トラウィスカルパンテクトーリーに
 かぶりついているだけで満足なのよ
 にしてもこのトラウィスカルパンテクトーリーの
 薄切り肉はおいしいわね!
 まさかこんな食べ方があっただなんて!」

「――――――理解した
 要するにお前たちは今を場当たり的に
 生きてるというわけだな
 トラウィスカルパンテクトーリーは旨いが
 こんな下等生物に食われるのは辛かろうな」

「まあそこは高等生物である
 ディルに食べられてるから
 帳消しになってるのではないかしら?」

SHWの末端構成員は大体、貧乏で赤貧で奴隷契約に
近い雇われ方してるので場数を踏むほどに
人間離れしていくので食うに困らなくなったりはしないが
常識がだんだんと壊れていくので
なるべく場数を踏ませないようにしたほうがいい

「紅茶がおいしいわね」
「葡萄酒はないのか?」
「ワイングラスが無いのよ
 残念ね、全部さっきので割れちゃって」
「阿呆か、器があれば
 飲めるものだろうが
 どれ」

床下の貯蔵庫への階段を下りて
ワインが寝かされてるのを確認し
適当にちょうどいい陶器を三つ用意すると
ワインのコルクをつまんで引き抜いて
三人分注いだ

「確かに、肉にはワインが合うのね
 てっきりワインは寝かせれば
 年代物になって高値で取引される
 商材だと思って買ってたものだから」
「ただたんに寝かせればいいというものでも
 ないぞ、それに毎年、ブドウの出来が違っているから
 当たり外れもある、まあ今は飲めれば
 それでいい」

二人の食器を片付けるまでには
トラウィスカルパンテクトーリーを堪能した。

「ごちそうさまでした」
「ん? それは片付けないのか?」
「ああ、これはミシュガルドの土地神様の分だから
 よく見ててね」

残された皿に切り分けられた
トラウィスカルパンテクトーリーは異空間に
吸い込まれていくように平らげられた
器に入っているワインも空になった

(魔素は感じられない、確かに神格位のものではあるか
 腹立たしいものだな)
「――――――本当いうとね
 豪華な食事に憧れていたものだから
 熟成が必要な高級食品を買い置きにしておいて
 いつか誰かと食べたいと思ってたのよね」
「なるほど、最後の晩餐とはよく言ったもんだな
 人間は強欲で見栄っ張りだというが
 まさにお前は人間そのものというわけだイワニカ」

「そーお?
 世界の半分を私にくれる気になった?」

「いやますます貴様らを根絶やしにしなければ
 ならないな
 お前らは千年で何を学んだ?
 千年だぞ?
 オレが寝てる間に決め手の一つでも
 考えてると思ったが」

「それはディルの知名度が
 致命的だからなのでは?」

「御託はいい
 とりあえずお前の雇用主か
 契約者に合わせろ
 遅々として進まない現実を
 少しでもマシにしてやろう」
「それは良いわね、あの大社長連中も
 自分の身が危なくならないと本腰上げないから
 本社ビルでも壊してきてよSHWの」
「そのSHWはどこにある?」
「ここミシュガルドから東にある大陸とされてるわね」

アイギュリー・ディロゴールは考えた
千年前にはそんな国は無かったし新興国だろう
で、アルフヘイムは荒廃したらしいが
生き残りどもがここミシュガルドに来てるらしい
だがアルフヘイムの生き残りどもを乗せた船は
千年の間に巨大になったようだが
どうにもエルフどもが好みそうにない技術を使っている
「――――――千年たって世界の覇権を握ってるものは何だ?」

「金よ、金が全てね」

「金か、金ならいくらでも、む、なんだ!?」

壊れた家の壁ごしに巨大な影が現れる。

「いけないわね、あなたがあれだけカカシを倒した
 ものだから、大木級のカカシが警戒に戻ってきてしまった」
「ふん、なんだそんなことか
 俺の後ろにいるんだ
 そこが一番安全だからな」

イワニカはアイギュリー・ディロゴールに背後に立つ
二人の前に
シルエットは次第に大きくせり上がり
千年竜を前にして肋骨に値する部分にある
巨大なピアノを打ち鳴らして言葉を吐きだした


『時代遅れの千年竜よ
 今まさに世界は書き換えられる
 古き慣習は終わりをつげ
 千年災害さえも克服する
 さあ正義の鉄槌を受けてみよ!』

大木カカシの腕が振り上げられ
アイギュリー・ディロゴールに振り下ろされた
その威力は何万トンにも及び
巨大な移民船を真っ二つに
いや海を割るほどの一撃!

「なんか締まらねえんだよな
 お前はなにがしたいんだ?」

片手で大木の鉄拳を受け止めてその衝撃を
両の翼で打ち消す、イワニカは別に驚いてもいない
素振りである

『その力その心
 まさに追い求めた安定せし
 魔晶石に他ならず
 魂の循環から独立した
 永久機関への道しるべ
 示して見せろ、その魔素の最大限とやらを
 我に込められし魔炭鉱の熱量で
 その身もろとも焼き尽くさん!』

大木カカシの胸のふいごが大きく動けば、
バチバチと胸に赤い炎がほとばしる
やがて全身を包み込み炎の拳と化して
アイギュリー・ディロゴールに襲い掛かる

『クリムゾンフレア・インパクト!』
「うるせぇ爆ぜろ」

アイギュリー・ディロゴールは苛立ちを
表情に浮かべたときには
手から放たれる紫の轟雷が
大木カカシの一撃を灰に変えて
閃光が夕焼けに奔る
真昼間のように空が青白く光り輝くと
オーロラがあたりを覆って
その爆心地ともなる光の線のなかで
大木カカシは完全にシルエットが瓦解し
まとめて消え去った

「――――――あっけな」

アイギュリー・ディロゴールの首元に
枝が突き刺さった

『油断したな千年竜』

イワニカが千年竜アイギュリー・ディロゴールに
突き立てている枝から直接脳裏に流れ込んでくる
思念のようなものが流れ込んでくる

『我が術式は成った
 お前はこれから先
 行く先々で我が眷属の求めに答える運命だ
 お前には自由などない』

「失せろ」
竜の全身から発せられる熱で枝は焼き尽くされ
イワニカもろとも焼き去るかに見えたが
地面に広がった黒いシミのような影に
イワニカは吸い込まれていって消えた

「ちっ」

『安心しろもはやお前と私は
 共存関係にある
 貴様がこの呪いを解きたければ
 精霊樹を探すことだ
 かの樹木は我が一族の柱
 一族の使うあらゆる術を
 打ち消す唯一の存在だ』

「気に食わねえ」

空から雷を落として、神経を犯しているもの
残留思念に近しいものを排除しようとしたが
竜の再生能力によってその術式自体も
復元されてしまう


『――――――無茶はしないことだ
 まあ恨むのなら
 自らを陥れた自由とやらを恨むがいい
 何人も自らの出自に背いて生きることは
 出来ないのだから』

声は消え入るように脳裏に染み込んでいく

「――――――殺し損ねるとはな
 感覚がにぶってるらしい」

千年竜アイギュリー・ディロゴールは足に力を込めて
両翼を羽ばたかせて日の沈むところとは真逆に飛んでいった
手掛かりは少ないがSHWをしらみつぶしに
叩いていけばやがて今回の黒幕とも出会えるだろうと
考えての事だ、かくしてこの千年竜の調査は
継続されることだろう
千年災害と向き合う覚悟がすべてのものにあるのかは
分からずとも情報を独占しているものが
事をうまく運ぶのは確かだろう


――――――

「申し訳ありません
 サイナム・ガイロシュ様
 仕留めそこないました」

巨大な木のうろの中に水晶細工を施した
明かりで照らされている豪邸で
イワニカは一人のウッドピクスにひざまづいていた。

「よい、イワニカ、元より今回は
 君に調査に参加してもらいたかっただけのことだ
 そして想像以上の仕事をしてくれた
 千年竜の行動履歴を我々のカカシが
 常に交信し手に入れる
 今回の調査依頼をしたアルフヘイム側より先手を
 打ち、作戦の中枢に入り込むことが目的である」 

「で、調査報告ですが、
 現在把握しているアイギュリー・ディロゴールの
 行動履歴を働くカカシ伝心で把握したものと
 SHWが管理するミシュガルドの不動産及び
 農具の被害額についてでいいのでしょうか?」

「十分だ、
 君の身柄は三国合同で守られることだろう
 何せあの千年竜に関する生き証人なのだから
 今はゆっくり休むといい、イワニカにとっての
 安息の地は約束されているのだから」

「ありがとうございます」

SHWの守護兵士ジャーダンがイワニカを客室へと連れていく

「――――――種はまかれた
 神との契約により千年竜の血肉となって
 確実に精霊樹へとつながる道となるだろう」

サイナムは自らの一部から作った苗木の鉢を愛でながら
深い夜が過ぎていった。





調査報告~イワニカのレポート~

千年竜とおぼしき存在が南よりあらわれ
SHWの管理しているミシュガルド開拓地を襲撃
六万の働くカカシを的確に破壊し
自ら竜巻となって農地に甚大な被害を残した
これによる被害額は今回の依頼の最大報酬と比較しても
50万vipではとても足りない
SHWの経済部門担当の話によれば
経済的な影響はSHWが三か月間で得る収益を大きく上回るとの
試算もある
そしてなにより大木カカシを跡形残らず消し飛ばした魔力量を
考えても、かの千年竜が精霊樹などの魔素供給源に
接近するのは大いにあり得ることであるため
千年竜の存在を基準としてシャルフリヒター級以上の
危険度指標の制定は喫緊の課題である。

なお、千年竜の行動履歴は
働くカカシの伝搬地域である程度追跡が可能であるため
三国合同の討伐隊を向かわせることも検討に入れて
一層の警戒をされたし

「以上ね、イワニカさんの報告は
 この話を訊く限り刺激するなというほうが
 無理があるというものでは無いかしら?
 千年災害が次に向かっている場所が
 SHWが管理している植民地である可能性も
 出てきているわけであるし、魔法監査長官様?」

「まだ一例に過ぎない 
 イワニカの身柄は保障するものとして
 より幅広く情報を募る必要がある」

「害竜よ? これは」
 
イワニカには10万vip相当の報酬が与えられ
命が狙われる危険性から三カ国合同で
千年竜の対策が強化されたのは確かである
それに伴い情報もまた集中していく

ただ大規模な被害を出したイワニカのケースが
アイギュリー・ディロゴールの性質を
示すものさしになったのは明らかである

そしてウッドピクス、サイナム・ガイロシュの
狙いからしても
千年竜と精霊樹を結びつける流れを形成されるのも
確かな事だろう。




――――――――――――――――――――――――
今回のクエスト紹介&キャラ紹介
――――――――――――――――――――――――

ミシュガルドSHWクエスト発注所
千年竜の調査 2000Vip~50万Vip

https://neetsha.jp/inside/comic.php?id=18328&story=18

キャラ登録とクエスト発注が並行されて行われたもので
クエストの進捗、あるいは結果報告によって
色んな人がクエストを挑戦した足跡のようなものが
残っていくものだと考えられるが
千年竜自身の性質が大きく関わってるらしいので
どんな進行になるのかは分からないところ

今回、このクエストに挑戦したのはそもそも
とりあえずアイギュリー・ディロゴール、千年竜が
登場する作品を書いていたからであるが
特にクエスト参加という具合でもなく
なんとなくの登場だったのでもったいないなと思って
ちょっと膨らませてみたら、こうなった。

第十三登録所物語
働くカカシさんのお話

https://neetsha.jp/inside/comic.php?id=20962&story=1

このお話しでアイギュリー・ディロゴールを使わせて貰った
気になる方はブラウザの検索機能ショートカット
ctrl+F キーを押して検索欄を出して
ページ内検索をかけてみたら
どんな活躍してるかは一発で見れると思う

ではクエストの話はここまでとして
次はキャラクター紹介

アイギュリー・ディロゴール (千年竜)

http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=19903&story=27

今回の主要キャスト
正直どういうキャラ付けしていいのかよくわからなかったので
結構キャラがブレてしまった
ただ、まあ、千年間眠ってたらしいので
寝ぼけてたということでいい気がした。
現段階で殺害や魔晶石というものの奪取は
出来ないキャラクターのため
クエストの報告次第によっては
大変なことになってしまうのかもしれないなどと。


働くカカシさん、イワニカ

http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=19903&story=45

働くカカシさんと無限組手するだけの
なんとなくの話を膨らませるのも
気まぐれというものだが、働くカカシさん自身に
あまり意思が無いので今回も役割が少なくなった
また後述するが後付けの設定のために
なんとなく味わいが削がれるケースがあるので
なんとなく後付けのキャラは暗躍してるってな具合にした
なんとなくその後付けのキャラを出さない場合は
カカシさんは自由意志で動いている感じという具合で
カードゲームっぽいそれぞれのキャラシートが競合してる
具合で良さそうだまあ連鎖的にキャラが出来るのはいいのかも
しれない

つぎ、イワニカ
SHWの農業部門担当なので
とりあえずよく働く人だが
仕事選べないので
今回は非常に面倒な役回りであった
これにより因縁が出来たとかそういうのでもないが
人間はしぶといし金で動いてるってのが
虚しいと思ったら、彼女を働かせたら良いと思った
とりあえず働いてればマトモでいれるという発想
働き過ぎるのはなんだと思うけど


サイナム・ガイロシュ

https://neetsha.jp/inside/comic.php?id=20987&story=50

そもそもウッドピクスって種族の事が分からないので
とりあえずウッドピクスってどんなだろうって
色々、考えて設定を植え付けてみたらいいんじゃないかなと
今回思った、思っただけだけども!
なのでウッドピクスがみんなこの人みたいのだと思わないように
異端者って扱いのウッドピクス設定なのである
働くカカシの親役で黒幕的立ち位置らしい


クローブ・プリムラ

http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=19322&story=4

魔法監察官長さん、今回のクエストの発注主
だとおもうけどそうでよかったんだよね?
ちなみに彼の力で千年竜が封印されていたわけでは
なさそうなので
アイギュリー・ディロゴールを彼の
ゼロマナ・ダーツで封印できるのかは謎な気がした
たぶんいつか対面することになりそうだと
思ったけどだいぶ先の事だろう


あとなんかセリフがあった人はエキストラか
恐らくクエストのほうのページで受け付けてた人だと思うが
今回は割愛した

あ、あとイワニカの報酬に関しては
クローブと発注所の職員さんが決めるものだと
思うので、あくまで参考の額でした、よろしく

今回はまあこんなものでよいとしましょうかはい。
久々に長い文章を書いた、
ぐふっ。


※トップのサムネイル絵が
 どのシーンだったのかは
 まあ想像にお任せします
 では君もレッツミシュガルド!
1

タアアタ 先生に励ましのお便りを送ろう!!

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