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第四幕:囚われの美少年

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第四幕:囚われの美少年

「嘘だろ…小夜子さんが…拷問を受けているなんて…」
恋焦がれる憧れの女性が危機に陥った姿。それは寛幻の正義感より、倫理観より、そして恐怖心よりも、その幼くも激しい興奮を掻き立てる光景でした。大好きなお姉さまの裸、それも自分が萌芽的に持ち合わせている性癖、サディスティックな趣向を搔き乱すかのように、嗜虐美に満ちた痴態を披露してくれたのですから。とはいえ、小夜子嬢にとって受難以外の何物でもありません。
「あぁ…」
寛幻が覗きを始めて間もなく、小夜子嬢はカクンと項垂れ、これまた惨めな大の字磔絵図を晒す羽目となりました。

ブリーフの中で屹立しきった性器に戸惑いつつも、興奮冷めやらぬ様子でふと、疑問を口にします。
「どうして小夜子さんはこんな目に…誰に捕まったんだろう、まさか、秘密結社とか?」
そんな少年の疑問は、黒幕と思わしき人物が答えてくれました。
「どう? 喋る気になったかしら、お嬢様…」
観念したように項垂れる小夜子嬢、その端正な貌を鞭の柄でくいっと持ち上げるこれまた黒装束の女。細身でスタイルは良いのですが、どちらかと言えば胸は大きくない小夜子嬢とは対照的に、黒装束の下は豊満な肉体を誇示するようなドレス姿です。

「あなたの御父上…教育学者の小暮準之助教授の隠れたご専門…。小児性愛学、いいえ、少年愛学だったわね」
「な、何のことですか…」
虚ろな表情が艶めかしい小夜子嬢がシラを切るように視線をそらしながら言います。
「惚けたって駄目よ。そのためにあなたは読書サロンでより多くの子供たちを観察している。その情報を御父上に提供している…その手の業界でも有名なご仁でしょ、貴女のパパは」
寛幻には驚きでした。少年愛というものはおぼろげながらに察している11歳の少年ですが、高名な小夜子嬢の父親がそんな性的な犯罪に加担している。そして何より、優しく声をかけてくれる小夜子自身も、思惑あって自分に接近しているのでは、という疑念が湧いてきたからです。

「私たちはある精子の型を探していることはご承知の通りよ。御父上は男の子をお家に招いては…」
「やめてッ」
小夜子は声を荒げます。
「ふふん、いいでしょう。でも貴女のパパが少年たちの精液をコレクションしていることは事実よ。何の目的があるのかは知らないけれどね」
悪女は鎖に繋いだ小夜子嬢をせせら笑います。この事件には自分には理解のできない深い裏事情がありそうだ、そんなふうに思い直した寛幻は、この魔女のような黒幕に捕まっている小夜子がこれからどんな仕打ちを受けるのか、気になって仕方がありません。
(小夜子さん、どんな拷問を受けるんだろう?)
そんな変態的な興奮を覚えつつ、もう少し早く到着していれば、鞭に打たれる姿をもっとじっくりと堪能できたのに、などと見逃した禁断の場面を名残惜し気に夢想するのです。が、そんな美少年にも受難は降りかかりました。
「坊や、なにをしているんだね?」
悪女の配下らしき黒装束の男が、覗き見している美少年の肩を叩いたのです…。
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