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VOL.7 拷問

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VOL.7 拷問

「よし、カメラはこれでいい、いくぜ?」
指令役の男にOKマークを作るコバヤシ。三脚に固定された小さなカメラが、これから処刑、いや過酷な拷問に晒されんとしている若葉の姿を余すところなく捉える。
「よし、動かすぜ」
男二人は上下にも左右にもそして、360度にも回転・移動する磔板のコンセントを、中古業者から引き取ってきた車のバッテリーに繋ぐ。拘束台にはリモコンが備わっており、邪気に満ちた男たちは奪い合う様にしてそれを操作した。
「おお、動くぜ、こりゃあ、面白れぇ!!」
ゆっくりとした動作で、モーター音を響かせながら上下に運動を始めた星形の磔台。そこに架けられたスクール水着姿の『女囚』の怯え切った様子に、コバヤシがはしゃいだように嗤い声を立てる。

その若葉の足元には、ホテルの備品だったと推察される横長の巨大な水槽が錆び切った台車に乗せられ、運ばれて来た。怯えたように、視界の下に広がる光景に血の気の失せた貌を牽く吊らせる少女。やがて、磔板がずんと振動した。朽ち果てかけた給水タンクから絞り出した汚水をなみなみ注いだ小型のプール。その水面に素足の先がどっぷりと浸かると磔台から身を逸らす様に、恐怖に満ちた表情を浮かべる若葉だ。
「よし、やれ!」
指令役はまたも冷徹に命を下す。少女の責め役という主導権を持ったコバヤシが、磔台の天地を逆さにすべくリモコンを操作する。星形の台が徐々に回転し、爪先が水槽から引き出される代わりに、大の字に縛られたネイビーブルーの肢体が、次第に斜めになりやがて、真っ逆さまに吊り下げられる。
「い、いやッ、ヤダ、怖いッ、止めて、いぇめてぇ、止め…ご、ごぼぼぼぼ…」
図ったように磔板にかかった若葉の貌の半分が、水槽の中へと沈められていく…。
…ビクッ…ビク、ビク、ビクン…。
次第に窒息の恐怖と苦しみから、逆さにされた若葉の肢体が痙攣を始める。横幅二メートルはあろうかという、巨大な水槽の中で、口穴、鼻穴から激しく泡を吐き、窒息の恐怖から逃れんと身悶える若葉の姿がガラスに透けて見える。そのたびに、激しく水槽の水面が揺れ、飛沫が飛び散る。
「苦しめろ、苦しめろ、ただ絶対殺すなよ。殺されると思うより、殺されるかもしれないという恐怖を与えるほうが効果的なんだよ」
指令役の男はどこまでも冷徹だ。

「や、止め…ご、ごぼぼぼぼぼぼおおおぉぉぉぉ~~~~~ッ…ブゥ…ブクッ、ブクククク…」
男たちは若葉が窒息しないように、かつ楽に呼吸ができない程度に、巧みに彼女を水責めにして、マメに恐怖を与え続けた。ネイビーブルーの水着が苦しみに躍動し、健康的な日焼けした肌を持つ四肢が、上下左右四方で痙攣した。
「はッははは、こりゃあ、興奮モノだぜぇ! 変貌、イキ貌、悶え貌マニアには堪んねえぇぇッ」
女性が苦しむ姿に興奮する男は一定数存在する。それが復讐心と相まって、対象がただでさえ性的趣向のである美少女と来ては、コバヤシもイチハシも興奮するなというほうが無理なことだろう。狂喜するキモヲタのコバヤシ。対照的に恍惚の表情で、苦悶の表情を浮かべる12歳の少女を見つめるイチハシ。
「ティッシュ使いたくなってきたよ」
二人とも、相当な性的興奮を覚えていることだけは確かだった。
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