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第四巻:美少年の秘めたる欲望

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第四巻:美少年の秘めたる欲望

『通用口の玄関は、開いているから入ってらっしゃい』
真理愛の言葉通り、一人人気を感じぬ図書館にもぐりこんだマサルは、迷わず地下書庫へと向かった。
『真理愛さん、どこだろう…』
そう独り言ちながら、黴臭い階段を降り切った少年は、直後、聞き覚えのある女の小さな悲鳴を耳にした。
(なんだろう…中で、何が…?)
恐怖感は無論あった、が好奇心にまかされた少年は、その分厚い扉の覗き穴に、瞳を近寄せた。

それが、昨日からの一連の出来事だ――――。
(真理愛さん…すっげえ、いやらしい縛られかたしていたな。…ああいうのを、磔っていうんだよな)
マサルは少年探偵団の原作を大幅に改定した漫画に、明知探偵の恋人、文代が怪人二十面相に捕まり牢獄に鎖でつながれている挿絵を思い出した。
気にかかるレディが、悪漢の魔手に墜ちている、あるいは危機にさらされている、という図式は性に目覚め始めた男の子に強烈な刺激を与えた。
無論、小学生のマサルにも真理愛が本当に、悪の枢軸たる闇の人物に折檻を受けているなどとは思わない。
大人の事情があっての『遊戯』なのだろうと、真理愛の心中を慮る。
(なんであんな奴なんかと…)
卑し気に値踏みするようにして、憧れの美人司書をいたぶっていた眞鍋の顔を思い返すと、嫉妬の感情がふつふつと湧き上がる。
同時に、それがまた少年の可逆的な興奮を呼覚まし、即座に射精してしまいたい欲望にかられた。

しゅにしゅにしゅに…。
「うぅ…」
マサルは眉間にしわを寄せ、瞳を瞑って眉毛を震わせた。

じゅッ…じゅじゅッ…ひくひくひく…じゅっぱぁ…じゅっぱッじゅぱじゅぱ、じゅぱぱあ~~ッ

幼さの残るペニスがしゃっくりを起こし、まもなくマサルは昇天の時を迎えた。
「ああ、はあ、はあ…や、やっちゃった…」
強烈な臭さの残る小水用便器に、ぷるぷると痙攣する亀頭を向けると、その都度白濁とした液体がリズムをつけるように勢いよく飛び散る。
幼い性は単純なものだが、その分貪欲である。
その快感を渇望する感覚の回復も早い。
たちまち、あの覗き穴の向こうの光景を思い起こし、ブリーフの中にしまい込んだばかりの性器がカチコチにふくらみを帯びた。
(真理愛さんはどうしたんだろう? まだあの、眞鍋に捕まっているんだろうか?)
マサルの足は自然と、あの書庫へと向かっていた。
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