ヤンデレハルヒの言葉 （成人向）
魔界都市出版
ネタがない。
第一、文なんて中学時代に開口一番「作文とか苦手でしょ」って、頭が芝刈り機に巻き込まれたマントヒヒにしか見えない担任に初対面で言われた僕に書けるわけがない。
実際には作文大得意でしたけどね。なにせ、「数学の点数×２＝国語の点数」だったからな。国語の先生にも気に入られて、そういえばその先生が昔、電車の中で痴漢にあったそうでなんと小柄なオッサンのチンコをグイグイ足はさんで押し付けられたらしいんですよ。
ともかく、文を書くのは得意で、夢はフリーライターを目指しています。
もう微妙に夢とかあったもんじゃない年齢なんですけどね。マクラとかすごい臭うよ。
けどその昔とった鬼塚ちひろだかの甲斐よしひろだかがあって、文を書くのは「コミケ過ぎまでに原稿お願いします」って言われたら即座に「コミケ過迄」ってタイトルの本を出せるぐらい得意です。実際は過ぎちゃダメですけど。買い専には知ったこっちゃないですが。まあ要するに、タイトルはあまり考えないってことです。
でもさあ、書評って本の評論じゃない。僕なんて最近ネオジオポケットのゲーム買いすぎで一冊百円の本しか読めない生活ですよ。
でも古本屋の100円の本、あれはスゴイね。あんなに情報が得られる。すごい。
ナニワ金融道も文庫の１00円本で全部揃えた。いよいようまい棒も買えない。
そうだ。僕のカギ付きの引出しの中に、一冊500～800円の本があるじゃないか。
それも12月、ビックサイトでたんまり買い占めた成人向けの文字が躍る本が。
というわけで、サークル「魔界都市出版」さんの同人誌、「ヤンデレハルヒの言葉」。
同人誌も本だ。おまけにコレも小説。官能的。活字中毒者にはたまらない作り。
前置きが長すぎましたがいよいよレビュー。評論。こういう時はカタカナ文字より、
ドンっと「評論」の方がカッコいいね。
まず、この本は最初は挿絵が目的で買いました。その人のサイトを見て、18禁の小説に挿絵を描いたらしきことが載っていましたから。
全年齢の同人マンガは持っていましたが、あの人の絵好きですから18禁が見てみたい。
そんな僕の部屋のゴミ箱の奥みたいなドロドロの欲求で買った本なのです。
悪い言い方ですけど、あんまり小説部分は期待してませんでした。ごめんなさい。
小説は成人向部分のみが書きおろしで、残りはHP掲載文という形。なるほど。
アイマス商法曲芸商法アルケ商法とはかけ離れた、嬉しい商法。よくわかってらっしゃる。
タイトルが一つあり、それをキョン視点ハルヒ視点の二つに分け、キョン視点を読んだ後にハルヒ視点でその場のハルヒの思っていたことを読むと言った形になっています。
普通のパートはそうでもないんですが、エロパートはヤンデレ全開。
自分はスクールデイズぐらいしか見たことなくて、感覚的には分っていたつもりですが、
これは感動。倒錯した愛というか切ない病んだ心がひしひし伝わってきます。
長門萌えですけどハルヒが題材でよかった。
普段デレない代わりに、こういうのもアリかなーって。
この人文章上手い。キョンの語りも、ハルヒの心理描写もよく伝わってくる。
官能小説っぽい部分もとってもえろーん。自慰の背徳感とか、罪悪感とか。
なんだろう、ヤンデレって、本当は病気ゆんゆん電波ゆんゆんな状態じゃなくて
本当にその人が好きで、純愛のなれの果てというか・・。
その意味じゃ常月まといも好きすぎでストーカーなのでヤンデレかも。
正直、挿絵は「あーこーなってるのかー」ぐらいの役目しか果たさなかった。
サービスっていうか、小説をより情景を交えて深める役目ってそれが本来の挿絵なんですけど、その意味じゃすごい機能してたかな。絵、上手いし。
本当は「あーおまんこってこーなってるのかー」みたいな役目だと思ってたんですけどね。
ただ、ヤンデレはエロがあるとより掘り下げられる。やっぱり人間の欲望だからかな。
この本、小説で良かった。マンガだとまた別の描き方があると思うんですけど、
こういう心理場面の多さは活字の方が染みる。
Niceboatを見た後にも感じたことですが、愛するゆえに病んだ感情（変な言い方ですが）持ち、本当に大好き、病んでるほど好き。「病的」と「恋愛」の重いテーマを絡めると
こんなに深くなるのか・・って思った。
（最近は恋愛なんて重いもクソもあったもんじゃないけどね）
特にスクールデイズは刺される時の回想場面が切なかった。あれは誠の心情とも取れる。
死ぬ間際の走馬灯って、ああなんだろうな。楽しかった思い出が蘇るんでしょうか。
この本には色々教えて貰った気がする。俺もこういう小説を書く人になりたい。
ハルヒは鈍感さがもどかしいんだろうな。一方キョンは長門とやってる。
それがまた、三角関係に到らないまでも胸にちくりとくる。（長門とやるのはこの小説の設定）
あと、Xbox安いよってあとがきで教えてもらった。ありがとう。今度買う。