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第二十三話『現実を胸に、虚無感へさよならを。矛盾の禍根は無に帰した:杉林心』

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「えっ?」
 強引に振り払われたことに驚いたんだろう、後ろから杉林さんの声が聞こえた。そんな杉林さんに対して、俺は悪びれることなく、言う。
「俺は、消したくない。そして、杉林さんが消えるところも見たくない」
「でも――」
 続きを聞く必要は無かった。俺は続く杉林さんの声を意図的に聞き流し、前を見据える。背を向けている仮面の男に、俺は右腕を向けた。
 俺も諦める。諦めていた。消したくない。見たくもない。こんな所に居るのはもうこりごりだ。……とっくに思っていたことを、杉林さんが俺に現実として突き付けたんだ。杉林さんの話を聞いて、自分を消せという言葉を聞いて、なんで俺があんなに苛立っていたのかわかった気がする。言ってみれば同属嫌悪だ。俺が既に思っていたことを杉林さんが口にして、俺が一番望んでいた結果を自分に向けろと、言われただけ。

 俺だってみんなと同じように消えられるなら消えたかった。――そうだったか? なら、なんで俺は頑張っていたんだ。自分で死ぬことが怖くて、佐藤が消えたことに納得がいかなかったからだ。そう、人に言われる前から、俺は頑張っていた。なのにその頑張る対象が勝手に消えたんだぞ。納得出来るわけがない。……でも、あの女は納得出来るか出来ないかは別として、理由を話したはずだ。それを聞いてからも、俺は頑張ってたじゃないか。それは俺が頑張れば、元通りになるって言われたから。なるのか。いつの間にか矛盾している。本来の理由が、この状況が、俺の考えすらも。俺は佐藤を、みんなとの日常を普通に過ごしたかっただけだ。だから、俺はどんな状況になっても“解決”すると決めた。頑張ると決めた。なのに俺がみんなを消している。どうしてだ。俺が解決するところを見ていると言ったあの女。なんでこんなにも黒いんだよ。なんで人がいなくなった。見ているだけじゃなかったのか。どうしてこうなってるんだ。俺だってそうだ、頑張るだなんて自分に対しての詭弁もいいところ、いつだって全てを諦めて、自分が消えていれば、なんて思っていたじゃないか。――だから、あの男に右腕を向けている。俺が先に消えてしまえば、ここまで考えることもしなくて済む。

「何のつもりですかねえ、武田智和。私は動くな、と言ったはずですが」
 ……これに慣れることはないだろう。まるでさっきから“そう”だったと、確固とした根拠をもって主張されたように、俺の目の前には仮面の男が立っていた。突然の出来事で頭が真っ白になる。
 混乱していた。答えなんて見つかるはずもないのに考えてしまうのは悪い癖だと思う。だから、その矛盾した思考を止めてくれた目の前に不条理に、今だけは感謝しよう。


『現実を胸に、虚無感へさよならを。矛盾の禍根は無に帰した:杉林心』


 アクリルでもなければ石でもなく、見ただけでは何が素材なのかわからない、そんな仮面が俺の顔を覗き込んでいた。視界を保つための穴はなく、さらには空気穴も見当たらない。だというのに、男の呼吸する音が耳にこびり付く。俺はたまらず仮面から目を逸らして、右手に持つマネージメント・デバイスを見た。俺が本気で男にこれを向けてボタンを押そうとすれば、間違いなく俺は消されるだろう。
 結果を求めるからいけない。最期を感じることも確か。だから、今くらい何も考えずに行動してもいいかもしれない。
「消えろ」
 それは目の前の男に対してか、この現実に対してか、自分に対してか。答えが浮かぶ前に、俺は上げたままの右腕を傍に立つ男に向け、ボタンを押した。――男はいない。
 わかっていたことだった。そう簡単に消える相手じゃないことは。……これで俺も消される。そう、確信していたのに。
「なん、で」
 真っ先に漏れたのは、疑問の言葉だった。目に映ったのは、銀色の光が一筋流れる光景。それが俺の右腕に重なっていたことを事実として認識した直後、一瞬、ちくりとした痛みを感じた。
 目を疑う。マネージメント・デバイスを持っていたはずの右手。肘からその先が、綺麗に無くなっていた。在ったはずのモノが無い。部分的に消すこともできるのかと、変に冷めた頭で考えた時、ぼとりと、空から何かが降ってきた。状況から考えて、落ちてきたものは。……見たくない、なのに俺の目はゆっくりと下へ。視界に入ったモノは、ついさっきまで見えていたモノ――俺の右手だった。
 不意に、赤いものが視界に噴き出す。
「た、武田……さん……」
「殺しはしませんよお。ですが、少しの間、そのまま呆然としていてくださいね。ひゃへへっ」
 いつの間にか、男は俺の背後にいた。でも、今はそれどころじゃない。
 後ろから聞こえる声を無視して、俺は右腕を抑えて、そこへを向けた。
「あ……あ、くっ、そ」
 不思議と痛みは感じない。だけど、今も右腕から流れる血は、ショックを感じるに十分な光景だ。男の言った通り、俺はその場で膝を付き、腕を抱えてしまう。
 俺が甘かった。男の言葉を信じれば、俺が敵意を見せればすぐにでも消してもらえると思っていたが、前提が違っていた。この男は、あの女と一緒で、常識で考えても何の意味も成さない奴なんだ。俺の思い通りに事が運ぶわけが無い。今までも、そうだったじゃないか。
 それでも、俺は声にするしかなかった。
「なんで、なんで俺を消さないんだ。俺を消すんじゃなかったのかよ!?」
 右手を失ったことでバランスを崩しながらも、俺は叫びながら振り向く。そこにはマネージメント・デバイスを前に掲げる男と、それを向けられている杉林さんの姿があった。
「それはそうなんですがねえ。……武田智和を消すよりも、先にこのメモリアを回収したほうが面白そうじゃないですかあ、ひゃへへ! へへ!」
「……たったそれだけの理由で、こんな」
 仮面の内側では、さぞ楽しそうに歪む顔があるのだろう。肩を揺らしながら放たれる高笑いが、黒い空に吸い込まれる。それを見て、聞いて、心に湧き上がるものを感じた。……それは、久しぶりに感じた怒りだった。いつか、本堂に殴られた時と同じような怒り。理不尽で、理由がわからない行動が、無性に腹立たしくて。……そして、俺は見てしまった。杉林さんの顔が、悲しそうに歪んでいる。いつからそんな表情を浮かべていたんだろうか。俺と話している時は、いつもの無表情だった。じゃあ、あの男が来てからか。“消して”と俺に頼んだ時からか。男に消されそうだからか。それとも、俺が“こんな”だからか。……くそったれ、なんでここまで来て、悲しそうにするんだよ。消えたい、消して。そんな、もう何の未練も無いようなことを言っていたくせに。
「どうせ消されるなら、ただでは消えてやらない」
 無意識のうちに俺の口からこぼれた言葉は、はたして誰かに聞こえたんだろうか。……視線を下に向ける。俺の体から出たとは思えない程の血溜まりが地面に出来ていた。目を背けたくなる光景だけど、痛みは無い。
 下半身に力を入れる。外で履く靴ではないからだろう、血で足が滑ってしまう。けど、踏ん張って、俺は立ち上がった。そのまま男に背を向けて、俺は数歩先に落ちている自分の右手を目指し、ゆっくりと足を動かす。あの球体を。マネージメント・デバイスを目指して。
 一歩進み、また一歩進む。そして――三歩目は無かった。左足を前に出そうと力を入れようと思ったのに、力を入れる先が“無い”。ついさっき感じたばかりの喪失感。……見なくてもわかる。俺はそのまま重力に引かれ、頭から地面に倒れてしまった。
「ぐ、クソ野郎が……!」
「ひゃはへへへ! それ! 反応が、声があるんですよ! 指を折ろうが手足を?ぎ取ろうが声すら漏らさない者達が闊歩する中で、貴方の反応が、私に最高の“喜”をくれるんですよお!!」
 今度は左足、膝下が全て無くなっていた。遅れて、またも何かが上から落ちてきたような鈍い音。……左足よりも倒れた時にぶつけた額のほうが痛いという事実に、心の中で苦笑してしまう。何をやっているんだろうか、俺は。あのまま仮面の男が杉林さんを消して、次に俺が消される。それで良かったんじゃないのか。だというのに、こんな、悲惨なことになってまで。
 力が入らない。血が染み込んだ制服が気持ち悪い。……普通に考えれば失血死、痛みでショック死していても不思議じゃない。でも、生きている。死にはしない。けど、血を失ったことで意識が朦朧としている。死ぬなら死ねばいい。でも死なない。血を失う影響は出る。現実じゃありえないことなのに、ここが現実という矛盾。
 顔を上げる。すぐ目の前に自分の右手を見つけた。後ろを気にする余裕は無い。今度は左手を無くしてしまうかもしれない。だけど、手を伸ばす。
 怒りという感情は便利だ。自分のわからないもの全てを、相手の所為にすることが出来る。そうだ、あの男が全て悪い。少なくとも、俺を“こんな”にしたのはアイツだ。憶測だが、本堂を消したのもアイツだろう。学校がこんなことになっているのも、アイツの所為だと考えれば辻褄が合う。……じゃあ、俺の怒りをアイツにぶつけたとして、何の問題があるというんだ。
「は、はぁっ、ぐううう」
 視界が霞む。所々に影が生まれ、ぼやけ。それでも匍匐前進の要領で地面を這いずり、十分な距離まで近付いて、左腕を伸ばす。
「だからァ! 私が喜ぶだけなんですよォ! ひゃははは!!」
「武田さん! 避けて、避けてください!」
 男の笑う声が聞こえて、次に杉林さんの声が耳に届いた。……何を避けろと言うんだ。ただ、あれを掴めば、俺の気持ちが収まる。だから、手を伸ばす。
 視界の端で影が揺らめく。
「――これは私の仕事だ、武田智和」
 聞いたことのある声と共に、俺の手ではない誰かの手が、マネージメント・デバイスを拾い上げていた。
 目に入ったのは灰色のローブ。その隙間から覗いている金属質の何か。……誰かの足だ。そう頭で理解した時、またも頭上から声が降りてくる。
「手ひどくやられたものだな。だが、時間稼ぎとしては優秀な働きだ。――少しじっとしていろ」
「あ……え?」
 うつぶせの状態で地面に倒れていた俺の体が、不意に上を向いていた。暗く冷たいコンクリートから、黒く広い空に視界が切り替わる。同時に相変わらず感情がこもっていない表情を浮かべる女が、俺の顔を覗き込んでいた。
 何が起こっているのかいまいち理解出来ていない俺を他所に、膝を付いているんだろう、妙に顔が近い女は口を開く。
「杉林心は我々の所有物だ、渡すわけにはいかない。すぐに消さなかったのは失敗だったな、武田智和。……そこで寝ていろ、終わらせる」
 そう言って、女は立ち上がる。俺はそれを呆けた顔で見続けることしか出来なかった。
 まるで続く時間に空白が出来たような感覚。さっきまで俺は手足を切断され、血が噴出していて。ただただあの男に対しての怒りばかりを感じていたはずなんだけどな。こんな状況だというのに、あの、妙に落ち着いた口調を耳で受け止めている内に、冷静になってしまう。
 けど、失ってしまった血は戻らない。朦朧としていた意識は既に閉じかけていた。
「さて、感情を持ってしまった出来損ないのブースト如きが、こんなところまで出張ってくるとはな。飼い主の程度が知れるというものだ」
「……管理者、か。いいのですか、私はすぐにでもこのメモリアを回収することが出来るんですよ? どうやってここまで来れたのか、またもわけがわからないですが、マネージメント・デバイスを持ったところで何も変わらな――」
 なんで、こんなことになっていたんだっけな。そんな漠然としつつも、根本的な疑問が頭に浮かんだところで、俺は意識を手放した。



「目を覚ませ、武田智和」
 どれくらいの時間が経ったのだろうか。深く落ちることもなく、気絶と覚醒の合間を漂っていた俺の意識が一つの声によって表層まで浮き上がる。
 瞼を開いた。映ったものは、今日の出来事全てを肯定している黒い空と、無表情の女。……全部が夢だったなんて、都合が良すぎるとは思う。だけど、この不条理が支配する場所で、それくらいのことを望んでもいいんじゃないのか。
 俺は女に応えず、ふらつく頭を手で押さえながら、上半身を起こす。そこで気付いた。全て現実だったはずなのに、手と足が“ある”。右手でこめかみを押していたことに驚き、俺は初めて自分の周りを見渡した。傍には女、そして少し離れた場所に、杉林さんが立っている。仮面の男は――いない。
「……説明、してくれるんだろうな」
「ああ。もちろんだ」
 足を動かすと、制服に付いている乾いた血がバリバリと耳障りな音を鳴らす。俺がそれを無視して立ち上がったところで、女が再度口を開く。
「男に関してだが、もう心配は要らない。あれだけ痛めつければ、しばらくは“ランナー”として機能しないだろう。それよりも、体の方はどうだ?」
「俺の体を気遣ってもいいことなんてないぞ。そんなことより、なんで俺の手足が元通りになってるんだよ」
 わからない単語を聞き流し、俺は異常が無いか確かめつつ手足を動かす。……特に問題は無い。どういった理屈で、こんなことが出来るんだ。
「ああ、マネージメント・デバイスは何も消すだけの道具ではない。この世界全体を管理するために使用するものだ。即ち、世界の範疇に在るものならば、理論上“思い通り”になる」
 怪訝な表情を浮かべながら見つめる俺に気付いたんだろう、女はローブの内側からマネージメント・デバイスを取り出した。
「こういったことも出来る」
 そう言って、右手に持つマネージメント・デバイスを真横にかざす。その先には、フェンスの向こう側を見つめる杉林さんがいた。
「な、何を」
 言い終わる前に、杉林さんの姿が消えた。……一瞬、気持ちが昂る。が、俺の隣から声が聞こえた。
「私……どうして、ここに」
「こんなところだな。なんにせよ、体に不調が無いのならば次に進もう」
 勝手に説明を終わらせる女を他所に、俺と杉林さんは目を合わせながら何が起こったのか、理解しきれずにいた。……理屈を考えても仕方がないんだろう。“出来る”から“出来た”、そう納得するしかない。何度も目の前で見せられたんだ、無理矢理納得するくらいは出来る。あの男もどうせ俺には理解できない方法でどうにかしたに違いない。
 杉林さんも俺と同じように納得したようで、二人して女に向き直る。
「次ってのは、つまり」
「――私が消えれば、いいんですよね?」
「そうだ」
 杉林さんが俺の言葉を遮りながら、一歩前に出る。女はそれを聞いて肯定を示すと、俺に視線を向ける。
 ……杉林さんを消すことに関しては、もう迷わない。決めたことだ。元々選択肢なんて存在していなかったかもしれない。けど、そうすることで今よりも状況が良くなるのなら。俺は心の中でそう決心しながらも、小さな棘のようなものを胸の内に感じていた。……俺ならこうはいかないだろう、と。
 三島が消えて、仮面の男に手足を弄ばれ、そうして俺は“消えたい”と思った。なのに杉林さんは、まるでそうなることをずっと前から知っていたかのように、すんなりと消えることを受け入れた。それが強いとか弱いじゃない。ただ、“そう”出来ることが羨ましくて。
「杉林さん、俺、何も出来なくて、ごめん」
 俺は顔を俯かせ、謝っていた。
 これはけじめだ。例え俺の意思じゃなくても、杉林さんの“葛藤”を解決するという目的が果たせなかった。どこかで“消せるなら早い”と思ってしまった自分がいたことも事実。……三島は勝手な奴だった。彼女が逃げないで、もっとゆっくりと話が出来ていたなら、もっと納得がいくように――いや、それはないな。結局俺は消すということを前提に動いていた。俺こそ勝手なものだ。自己満足が得られなかったからと、こうして今も許しを請うような真似をしている。自分が消されることを肯定する奴なんて――。
「いいんですよ、武田さん。私は――私が、望んだんですから。これで包み込まれるような虚無感がなくなると思えば、むしろ嬉しいくらいです」
 そう言い返す杉林さんは、笑顔を浮かべていた。……違和感しか残らない笑顔。“ここ”に来たばかりの頃、こんな笑顔を向けられて、俺はここが“違う場所”なんだと言われたような気がした。事実、そうだった。でも、本質的なものは変わらないということに、俺は気付けなかったんだろう。
 考え方が変わったのか、それとも杉林さんが変わったのか。今見る杉林さんの笑顔は、とても空虚なものに感じた。
「ああ……それは、よかった。いや、よかったと言うのもなんだかおかしい気がするけどな、それで杉林さんの悩みが消えるのなら、それは喜ばしいことなんだと思う」
 あてつけというわけじゃないが、俺も出来る限りの笑顔を作って、杉林さんに応える。いくら杉林さんの笑顔が上辺だけの、強がりにも満たない微かなものだと気付いたとして、もう、遅すぎたんだ。
 俺と杉林さんのやり取りを見てここらが潮時だと感じたんだろう、黙って見ていた女がマネージング・デバイスを杉林さんに向けた。……杉林さんは笑顔を崩さない。俺は、そんな彼女を見ていることが出来なくて、目を背けてしまう。
「それでは、消去《デリート》だ」
 女の簡潔な一言の後に、カチリと小さな音が鳴った。続いて、視界の端から光の球が飛び込んでくる。消えているんだ、杉林さんが。その事実を頭で理解した時、俺はたまらず視線を杉林さんに戻す。
 佐藤が消えた時と同じだった。靴があった場所は既に宙となっていて、徐々に体が光の玉に分解されていくような光景が目に飛び込んでくる。……胸が痛くなった。消えているからじゃない。まだ、杉林さんは、俺を見ながら笑顔を浮かべていたから。
「なんで、笑ってられるんだよ。消えるんだぞ、少しは悲しめよ」
「武田さんは、強いですから。でも、これから先は、とてもつらいと思うんです。ですから……私は、笑っていてあげたい」
「……まさか、ボーダー・エラーか? 杉林心、君は」
 俺が杉林さんの言葉にどう返していいか悩んでいる時、不意に女がまたも俺が理解できない単語を口にする。見れば、いつも無表情だった女の顔には驚きが浮かんでいた。
 女の言ったことを聞いてか、杉林さんが俺から女へ視線を移し。
「――私は、杉林、ですから」
 そう言って、笑いながら消えた。
 ……杉林さんの言葉に、応えることが出来なかった。別に悲しくはない。今日は、色々ありすぎたんだ。常人なら人格すら変わってしまうくらい。考え方だって変わるだろう。
 だから俺は、感傷に浸る前に、女に語りかける。
「なあ、俺も消してくれないか」
 俺の言葉を聞いた女は、杉林さんの時と同じように驚くわけでもなく、手に持つマネージメント・デバイスをローブの奥に仕舞った。




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