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2ちゃんねるVIP板・・・
その混沌とした世界の中で数多のスレが生まれそして消えていった・・・

A.C.2006
その数多のスレの中に我々名無し達はあるエースパイロットを見た
彼は自らの恋の為、そして我々に希望を与える為に懸命に戦った・・・

ここで私はそのエースパイロットを後世の新人達をも忘れないようにと
ここにその記録をつづろうとおもう・・・

それは確かに起こったであろうある2月の物語・・・
AC2006 2月9日
それは突然のことだった
今までオタである自分を叩いて来た妹が
「ガンダムのDVD貸して」
こういったのである

正直自分でも理解できない・・・
そうおもった自分はVIP板にあるスレを立てた

「妹がガンダムのDVDを貸してと言って来た。」

しかしそのときの自分にはこのことが自分の人生を大きく変えることになろうとは
想像もしていなかったのである・・・

間もなく立てたスレにレスが付き始める
「フリスビーみたいにして遊ぶんじゃね」
「ヒント:彼氏がガンダム」
「ヒント:801」

・・・
さすがVIPと言えるようなレスばかりだ
そのなかで
「好きな人がガノタ」
これが気になった自分は妹に直接聞きにいくことに・・・

しかし返事は意外にもそっけなく
「どうだっていいじゃん」
素直だった妹がこれほどまでに捻くれてしまうとは・・・orz

とりあえず劇場版1stを貸し見させることに
しかししばらくすると
妹「ねぇ、もっと最近のない?」
GM「あるにはあるけど・・・」
妹「じゃあ変えて。絵が古臭い。」
さすがに1stは古すぎたか・・・
しかし絵が新しい物となると最近放映された種あたりだろうか・・・
・・・種ねぇ・・・・・・orz


とりあえずこれからの行動も思いつかないのでVIP恒例アンカーをだして行動を指定してもらうことに・・・
しかし指定したアンカーには・・・これは兄弟の垣根を越えてしまう・・・それこそ兄妹の垣根を越えてしまう・・・

そうこうしてるうちに妹が
妹「やっぱりさっきのがいい」
それを聞いてほっとした・・・ただでさえ種=801のイメージが強いから・・・

再び劇場版1stを妹に貸すと再アンカを掲示、それまで質問などに答えていく
しばらくして指定したアンカーに到達、しかし意味不明な為アンカー失敗・・・orz
結局グダグダの原因となるためしばらくアンカーを出さないようにしよう・・・

さて1stを見ている妹だが、どうやらフラウとアムロを恋人同士だと勘違いしているらしい
たしかに序盤はそんな雰囲気もあるかもしれないが・・・
そして自分に色々解説を求めてくる。そして
妹「ザクってガンダムより現実的っぽいのに、なぜガンダムが強いの?」
この発言には正直お手上げだ・・・
どうやら妹はアニメの王道たるものをいまだに理解していないようだ
現実的なものが強いとなると、かなりの数のアニメのロボットを否定してしまう・・・
しかしそれを事細かに説得する気力があろうはずもなく、うやむやにして終わった

しかしこうやって妹が腐の世界に落ちていくのを推進して本当にいいのだろうか・・・
・・・
・・

深く考えるのはやめることにした

しばらくして、妹がシャアの姿形を見て馬鹿笑いをはじめた
これはいささか心外であると同時に遺憾である
シャアといったら3倍の速さで動けるし他にも(以下略)
まぁ昨日まで一般人だったとおもわれる妹がわかるはずもなかろう・・・
とりあえず今後活躍することだけは伝えておいた

そうこうしているうちに話はガンダムと赤ザクのMS戦のシーンへ
するといままでとは打って変わって妹が黙ってしまった
見入っているのか、はたまた興味がないのか・・・
妹は集中したり、のめり込むと黙り込む性質であるから多分見入っているのだろう

そのシーンが終わりしばらくすると
妹がブライトの批判を始めた
妹「アムロは一般院なのにね」
肯定も否定もしづらいコメントである
たしかに序盤こそそうであるが、そこからのアムロの成長などが今後描かれているのに・・・
GM「まぁ、展開に期待しとけ」
とだけ言っておくことにした

それにしても妹がいきなりガンダムが見たいと言い出した理由が気になって仕方がなかった
やはり彼氏がガンダムオタなのであろうか・・・

またしばらくするとシャアの名言のひとつ「MSの性能が戦力の決定的差でないことを(以下略」の下りへとさしかかり
そのセリフをシャアが言うと妹の目が輝いているように見えた
・・・錯覚であろうか・・・いやそうであってくれ・・・

またまたしばらくしてガンダムの大気圏突入シーン・シャアの「無駄死にではないぞ」の下りで
妹「無駄死にじゃん」
と突っ込みを入れていた・・・
やはり彼がカンオタで間違いない・・・と心の奥でそう思い始めてた

さらにしばらくすると妹が寝ると言い出した。
明日朝練があって朝が早いらしい
たしかに時計はいつの間にか0時を回っていた
しかし妹が寝る前にどうしても聞きたいことがあった
GM「彼氏いるのか?いるなら会わせてくれ」
しかし返答は素っ気無く
妹「彼なんていないし。」
そうかるく突っぱねられてしまった
明日もまた見るとのことなのでアンカーをだしてVIPPER達の聞きたいことを聞いてみることにした
様々なレスがついたが
「純粋に面白かったかどうか聞いてくれ」
これなら別に何の害もないだろう
GM「今日見たのおもしろかったか?」
妹「昔のものにしてはね。」
ふむ・・・種のほうがいいなどと言うよりははるかにいい回答だ
そしてレスにもあったが、もっとも自分の中で疑問に思っていた
「ガンダム見たくなった理由を教えれ」
これも聞いてみることに
GM「どうしてガンダムみたくなったんだ?理由は?」
妹「気まぐれ」
・・・
・・

気まぐれ・・・いったいどういう気まぐれなのだろうか・・・
この前までオタの自分を叩いてと言うのに・・・

妹が自室に戻ったので自分も寝ようかと思っていたとき、妹の声が聞こえてきた。
会話をしてるような感じからかどうやら電話をしているらしい
とても親しげであるが内容を聞いて驚いた
妹「ちょっとだけ見た」
 「面白かった」
 「仮面には受けた」
のようなことを言っている。もちろん相手の声も返答も聞こえないのでこちらの想像のみとなるがどうやら相手は彼氏であろう・・・
まだ話は続いていた

妹「仮面ってシャアって人じゃないの?」
 「誰だっけ?」
 「白い?赤じゃなくて?」
どうやら先方と話が食い違ってるようだ。ガンダムシリーズには結構多くの仮面キャラが登場するからそれもしょうがないが
白い仮面・・・なにやら嫌な予感がする・・・

妹「あ、それはすぐ挫折しちゃった」
 「えー、絵がちょっと」
 「そうかなぁ?でも蛙みたいでさぁ…」
 「ごめんごめん。」
どうやら先方は種のことを言っていたらしい。それにしても種を否定するとはさすが我が妹である。

妹「そっちこそ古いの見てみたら?」
 「でも内容はありそうだけど。」
 「○○(男の名前)もSEEDって方が好きなの?」
 「私変わってるのかなぁ?」
男っぽい名前からしてほぼ彼氏と見て間違いない・・・
兄としては種を肯定するほうが変わっているぞと心の片隅で思った。

それからしばし妹の相槌が続く・・・先方からストーリーを聞かされてるのかも知れないがはっきり聞き取れないのでなんともいえない・・・

妹「そっかぁ、まあそっちも兄に見せてもらうよ。」
 「兄?オタク(笑)」
 「なんか古いアニメ好きみたい」
 「いい年してさぁ(省略」
 「ばーか(笑)」
どうやら話は自分のことにまで及んでいるらしい・・・できればそんなに言ってほしくはないのだが・・・

妹「アニメイトって?」
 「えー、ちょっとなぁ…」
 「わかった…」
どうやら先方とアニメイトに行くらしい・・・
兄としてできれば妹には腐ってほしくない・・・県内に1件しかないであろうアニメイトに張り込んで阻止するかなどと考えていると妹にまた電話が・・・
明日朝練があると言っていたのに大丈夫なのだろうか、かれこれ2時を回っている。

電話にでたようだが、先程とは少し様子が違う
妹「わかってる」
 「えっ、マジ…」
嗚咽が聞こえてくる・・・振られたのか・・・?それともほかに・・・

と考えていると自分の部屋にノックが来た。多分妹である。
いそいでVIP板との交信を切り、ドアを開けるとやはり妹だった
どうやら寝室の入れ換えをしてほしいようだ。俺のベッドはいままで俺が寝てたから温いけど、妹は話してたからベッドが冷たい。
だから交換しろと、冷え症の妹が時々するワガママである。
妹はやはり泣いていてそのことを聞いても眠いだけだとあくまで否定する。
すぐにわかる嘘なのに・・・

それからは1階の居間のソファーで寝ることに・・・
ついこの間までは妹のベッドで寝ても何にも言われんかったが、最近は駄目だって言う。
しかし季節は冬、このままでは明日の仕事にも支障が出てしまう・・・
妹に妹の部屋を貸すよう聞きにいくが断固として拒否されてしまった
こうなったら追い出すか最悪の場合一緒に寝るしかない!

しかし追い出すこともできず、今日は妹と一緒に寝ることになった
一緒に寝るほうが断然気色悪いだろうに・・・



こうして一日が終わった。
しかしこれはこれから始まる物語のほんの始まりでしかなかったことを
このときは誰も気がつかなかったのである・・・











2, 1

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