はじまり

Q.この世界に御伽話のような現象があったとして、何ができるだろうか。
A.何もできない。
Q.その現象を知って、人は何をするのだろうか
A.必死に否定し続ける。

　この世界なんてそんなものだ。例え魔法があっても科学者がまず否定し、そしてそれに釣られるように民衆も否定し始める。そして魔法を使える人間は追いやられ、死への道へ押し込まれている。
　結果、魔法使いはいなくなり、人々の否定し続けた『魔法』は見事にこの世界から消滅する。
　他の御伽も、その応用をすればいい。
　それによって、どこかで起きた超常現象も否定され、駆逐されて世界から消えていく。

　何をそんなに怯えているのだろうか人は。

　何をそんなに否定したがるのだろうか。

　多分、それが解明されることは無いのだろう。

　けれども、もしもこの世界にまだそんな不思議が隠れているのだとしたら。

　それを自身が体験することになったとしたら。

　その体験は、何を僕らに訴えかけるのだろうか?