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爆弾

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『吾  川  耕  太  へ

   最  高  の  爆  弾  を  用  意  し  た

             
            狂    っ    て    し    ま    え』


 ――なるほど、これは――
 ――爆弾だ。

 妹の……俺の愛する妹の――死体。
 俺にとって、最高にダメージの大きな、爆弾だ。
 悲しすぎて、涙も出ない。
 漏れるのは、ただ、思考に至る前の、文字だった。
「ああ、あ」
 膝が、空気を読まず笑う。
 俺は崩れ落ち、妹の冷たくなった体に、圧し掛かる。
 ああ、こんなに冷たく――
 ――瞬間、光が見えた。
 とても、綺麗な、光だ。

 それは、純然たる爆弾だった。
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