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『コータローま仮とおる!』……3

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 あああ、すみませんすみません仮子さん(仮名)。
 別に悪気はなかったんです。
 いや下心はあったけど。
 だけど謝ろうという気持ちは本物さ!!!
 伝われ、この思い!

「あなた何をしているの?」

 仮子(仮名)さんが、もう一度何かをいいましたが、ちょうどそのころ、ぼくの脳髄は混乱を期していました。
 だからせっかくの仮子さん(仮名)の問いの内容を聞きそびれてしまいました。
 さっきは、
『なんであなたが、私の本を読んでいるの?』
 と訊かれました。
 なら、それに近い問いであるはずです。
 それを参考に、耳に残っている断片をつなぎ合わせます。


 な  て るの?
 何を て るの……
 ナニをしているの……
 ナニーをしているの……?
  
  
 オナニーをしているの? 
 オナニーをしているの!!!?
 
 
 ぶはっ!
 まさかぼく、相当の変態だと思われています???
 おいおいおいおい! まさかでしょ? そんな。
 まさか。
 ぼくってそんな変態に……
 ……見えたんでしょうね。きっと。
 確かに自覚はあります。
 彼女の本に触れたときの恍惚と吐息の瞬間。
 全部見られていたってか?
 うん……でも。
 両手はピストン運動してなかったよね?
 確認するまでもないけれど。
 ……
 ああ! もしかして彼女は、オナニーの全貌をよく知らずに、うわべだけの知識だけで言ったのかな。 
 
【おとこのこはすきなおんなのこをおもいうかべてひとりえっちするんだよ】

 って!
 ならば!
 誤解が解ける可能性はッ! あるッ!

 仮子さん(仮名)は、いぶかしげにぼくの顔を見つめました。
 はっ、この長い沈黙は、逆に不自然!
 断ち切るためには、そうじゃないということを、はっきりと、断言せねばならぬ。
 男らしく。


 
「え?あっ、いやっ、何もしてないけど…」

 
 
 非リア充でヘタレ!
 それがぼく!!!
 彼女はとっさに返しました。
「何も、していない?」

 その食いつきようが異常だったので、ぼくは彼女の勘違いを確信しました。
 
「そう。うん。だからへんなことは想像しないでね。そしてちゃんとした知識を持とう」
「ちゃんとした、知識?」

「そう。人間についての正しい知識をね」
 
 沈黙がありました。
 やがて、彼女は恥ずかしそうにうつむいて、口を開きました。 
「そう……じゃあ、少しずつでいいから、教えてくれない?」
 へ?

「その……知識というやつを……」
 
 
 なんですと!!!!
    
   
   
  



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