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今、世界で何が起きているか…なんて質問されても、俺は答える事はできないだろう
只、一つだけわかることがある

〝俺らが住んでいたこの世界は壊れてしまった〝

『WORLD BREAK』


  2時間前-----
キーン コーン カーン コーン……
「・・・また間に合わなかったか・・・」
目の前で授業開始のチャイムが鳴る
どうやらものの見事に遅刻してしまったらしい

高校に入学して1ヶ月、未だに俺、高木 衛は高校に慣れず遅刻の常習犯となってしまった
どれもこれも、自宅から高校まで遠いせいだ
なんだよ 一時間に電車一本って。田舎にも程がある

「・・・電車のせいにしても仕方ない。1時限目はサボるか」
まぁ 遅刻は口実で、ただ単にサボりたい訳だが

    

「やっぱり サボるには屋上が一番だよな!」
屋上に上がり、鞄を放り投げ寝っころがる
朝は日差しがまぶしくて 気持ちいい
しかも授業中だから誰にも見つからないし 邪魔が入らず睡眠を取れる

「さて、寝るかな~・・・」

そうして瞼を閉じようとしたとき、校門から大きな音がした
効果音を付けるなら、ガシャーン!!!!のような

「?」
誰か来たのかな、と思い起き上がり校門の方も見てみると、生徒が3人ほど校門の前にいる
「あはは、俺みたいな遅刻者いんじゃねぇか!ざまぁみろー」

屋上だからこそ言える様な悪口を聞こえない程度に言ってみる
聞こえてたら2年や3年もいるから大変だな

・・・2、3年?
ふとおかしな事に気づいた

校門の前にいる生徒の学年がバラバラだ

1年に2年、3年までもがいる
同学年が固まって仲良く来るのならわかる
しかし全員バラバラとはどういうことだ?

普通に考えたらありそうな事だが、なぜかひっかかる
考えていたらその瞬間、校門が突然激しい轟音と共に、砕け散っていた
壊れた衝撃で校庭の砂が砂埃として舞う
激しい砂埃が舞う中、煙の中から生徒3人が現れた
その後ろについていくかのように煙の中からぞくぞくと人が現れた
今度は銀行員のような女性や、警察らしき男性の姿もある
ざっと10人程いただろうか
全員が手をぶらぶらさせ、おぼろげない足取りで歩いている

その異様な光景を目の当たりにしていると、頭がおかしくなりそうだった
なにかに洗脳されているような感覚だった

そこに、校舎の中から体育の教師の斉藤が現れた
「こらぁ!誰だお前らは!校門はどうなってるんだ!どうしてここにいるんだ!?」
いきなり複数の質問を同時にぶつける斉藤をよそに、合計8人がが斉藤を取り囲む

「なんなんだ!?何する気だ!!?」
再び質問を重ねてくるが、それに答える者は誰もいなかった
生徒達の手が、斉藤を掴む
「ひっっ!?や、やめろ!!お、俺にさわ・・・」
さわるな、と言おうとしていた斉藤の声が突然止まる

その代わりにそこから不快な音が聞こえる
クチャ ・・クチャ・・・

まるで肉を食いちぎって食しているかのような

「うっ・・・!!」
俺は耐え切れず吐き出した
その声が聞こえたのか、それとも斉藤を食し終わったのかはわからないが、そいつらは一斉に校舎の方を向いた

次に狙われるのは俺達!?
そんな嫌な予感が頭をよぎった
それと同時にそいつらの正体を薄々感じ始めた
しかしそれを口にしたら、その存在を認めることになりそうで言いたくなかった
でもそれしか当てはまる言葉が見当たらない

「・・こいつら・・はゲームや・・映画にいる ゾン・・ビ・・・なのか・・・?」
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