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<センター対策>英単語帳を使っても単語が憶えられない人へ

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 結論。単語帳では憶えられません。


 筆者はまったく憶えられなかった。もちろん、単語帳で憶えられるし、試験でも読書でも何でも使えるという人がいることを否定はしない。そういう人は単語帳を使っても何の差し支えもないのだからそれでいい。

 ところが、恐らく、多くの人が、単語帳を、目先の小テストのために直前に暗記するもの、として使っているのではないだろうか。そして、そうして暗記した単語は、すぐに忘れてしまう。


 ということで、筆者が提案したいのは、単語帳を捨てることから始めませんか。


 筆者は単語帳では何一つ単語を憶えていない。単語帳で憶えたものは、恐らく全て忘れて後から憶え直した。だが、センターでは恥ずかしくない点を取ったし、2次試験でも、少なくとも他教科の足は引っ張っていないはずだ。

 なぜなら、単語帳で憶えたものは「使えない」からである。まさしく「単」語なのである。まったくシステマティックでないので、記憶に定着しづらいのだ。効率的に見えて、まったく効率的ではないのだ。

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 では「使える」単語はどんな単語か。当たり前だが、既に「使っている」単語は「使える」。

 つまり、今までに触れた物から単語を再抽出するのが最も合理的である。


 塾、予備校、学校で使った参考書(無論、長文読解系のもの)、そして当然やっておくべき志望大の過去問を、再び読み返してみる。一度終わったままで放置しては居ないだろうか。そこで、ペンで囲った単語の意味を、今も記憶しているだろうか。
 事実、一冊の済んだ問題集に含まれる単語は膨大である。そこに含まれる単語は単語帳より数倍憶えやすく、しかも入試でも使える。中には入試問題から取った問題もあることだろう。かなり力になる。

 単語帳に整然と並べられた単語の方が、幅広く、多様な問題に対応できるような気がするかもしれない。しかし、そもそも単語帳で憶えられないのだったら、そんな本を持っていて何の役に立つのか。まして、そこに書かれた単語が本番で出るなんて誰も保証はしていないのである。

 意味のわからない単語をメモしながら、一度解いた長文を再び読み返してみる。メモした単語には、どの文章で出たのかも付記しておく。今までに出題された試験問題を片っ端から引っ張り出してみよう。膨大な量になるが、文章は過去に触れたものなので、かなり読み易いはず。訳をつけながら読むといい。
 文法で怪しいものがあれば、それもこの過程で再確認できる。大原則は、新しいものをどんどん買うのではなく、過去に使った、そして今も使えるものを、何度も使うことである。

 こうした復習の後、メモした単語の意味がわかるだろうか?わからないとしても、それがどんな文で登場したか、思い出せればまず十分である。そして、それがどの文章で登場したのかがわかれば、その文章の内容は既に把握しているので、順繰り式に単語の意味を導き出すことが出来る。
 単語に複数の意味があることがわかった場合、それが異なった意味で、別のテキストに出ているのであれば、どちらとも「使える」意味となる。片方しかない場合は、苦肉の策として第2第3の意味を、メモに付記しておく。

 これだけで結構な量の単語になると思うが、それでも単語帳に記されたものに比べてかなり少なく、大抵の場合不安になる。その場合、もっと他の問題集に手を出して単語を増やすことになる。

 だが、これは自説自論である事に留意いただきたいが――、これで本番にわからない単語が出たとしたら、それは受験生全体でもあまりわかっている人は多くない単語なのだ、と高を括った方がいいのではないか。英語を主力にする受験生でもない限り、そんなに詰め込めるものではないのだから。
 入試直前に英単語帳を開いて、憶えていない単語の多さに愕然とした経験がある人は多いと思う。だが、筆者を含めて、それでも大学には受かった。全部の単語がわかっていなければ、何も出来なくなる、そんなことはない。まったくわからないものをわかるようにするよりも、前述の手法によって、あやふやな記憶を確定させておく方が、よっぽど受験合格への足がかりになるのではないか。

 未知の単語は無数にあるけれど、よく出る単語は有限である。

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 とにかく単語帳では憶えられない。

 ちなみに追記すると、いわゆる短文暗記系のもの(「文で憶える――」系のもの)も、あまり効果がないように思える。「文の中で憶える」というのは効率的に見えるし、文法も同時に消化できるが、大抵の場合、その文相互にまったく関係がないので、文自体をシステマティックに憶える手段がない。もちろんこれで憶えられるなら否定はしない。だが、単語帳が無理だからといって、この手段に移ろうとしている人は、再考の余地があると思う。頻出文法に関しては長文問題の中にまず含まれるので、そちらの方がより効率的ではないか。


 また、Z会の「速読英単語」というものがある。学校で配布されることも多い。

 これは使おうと思えば使える。長文ページと、単語ページに分離しているので結構理想的なのだが、便利さが逆に危険となっている気がする。赤シートで覆い隠すタイプなので、単なる単語暗記ツールとして使用してしまう恐れがあるからだ。日本語訳が微妙に怪しいのも気になる。

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