皆さんはコンビニでおにぎりを買うときに「おにぎり温めますか?」と聞かれた事はないだろうか。
筆者が調べるに、北海道・九州・沖縄では必ずと言って良い程聞かれ、その他の地域では稀に聞かれる程度の地味な文化だそうだ。当然「そんなもん聞かれた事ないわ」「外国の風習は変わってますね(笑)」と言う方もおられるであろう。しかし、今回ばかりはどうか自分が体験しているのだとシミュレーションしながらこの自論を読んで欲しい。
前置きが少々長くなってしまったが今筆者の語りたい事は、タイトルの通り「温めるおにぎりについて」である。ここからは私が過去に体験した事例を振り返りながら進めていくとする。
その日、筆者は某ミルク缶がトレードマークのコンビニで昼食を調達するべくおにぎりのコーナーへ向かっていた。しかし、昼も遅く訪れたせいか、当初買おうと考えていた鮭が売り切れており、泣く泣く他の具を二つほど買うことにしたのである。
そして、その二つをレジに持って行った次の瞬間、コンビニの店員から驚くべき言葉が発せられた。
「温めましょうか?」
(なん……だと……?)筆者は心の中でそう呟いた。それもその筈。店員が先程バーコードを読みとった二つの三角型携帯食の具は『シーチキンマヨ』と『筋子』だったのである。
――具への冒涜であった。
さて上記の体験談を紐解くに、まず『シーチキンマヨネーズ』について検証したい。
”シーチキン”はマグロ。マグロと言えば魚。つまり鮭と同じく温めても問題無い部類だと思われるかも知れない。されど、この具の問題は後半の”マヨネーズ”にある。マヨネーズの主な材料は酢と卵と油。つまり温めることによって脂質が分離し、タンパク質が固まり本来の味を大幅に損ねてしまうのである。そもそも『シーチキンマヨネーズ』単体が食卓にオカズとして陳列されたとして「レンジでチンしよう!」とは誰も思わないだろう。
そして、次に『筋子』について検証……いや、もはや単刀直入に言ってしまおう。
筋子を温めて食べる文化が日本にはほぼ存在しない。あるとしたらそれはクックパッドのネタ料理か、動画投稿サイトのネタ料理である。熱で白く凝固した筋子など誰も求めてはいないのだ。
要するに筆者は何が言いたいかと言うと、「おにぎりだからと言ってなんでもかんでも温めようとするのは勘弁して欲しい」という事である。
もちろん『温めなくてはいけないおにぎり』も存在しているのは確かだ。(例:バターしょうゆ、焼きカレー、ベーコンチーズ等)しかし重視すべきはやはり、取り返しのつかなくなる『温めてはいけないおにぎり』の方ではないだろうか。
コンビニ店員にとって必要なのは「おにぎりを温める」事よりも「おにぎりを改める」事だと筆者は考える。
ps:甘納豆の赤飯だけはマジで無理