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そのごのおぶざーばー

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「まさかゾグが、100万年前に一度蘇る全次元の宇宙の悪意を封印した家系の子で、封印の力が弱まってこの世界にそれが蘇った際に、因縁だの復讐だので肉体を媒体にされるとは長年幼なじみやってきた私でも思いつきもしなかったわ」

「それに対して、私とニールさんが考案してきた数々のヒーローとヴィランが力を合わせて自らのパワーを、こちらの世界のニールさんに一斉に送ってくるなんて誰が予測できたでしょう」

「そのニールが完璧に悪堕ちした僕を巴投げして、マウントとって往復ビンタで正気に戻してから抜け出してきたあれを口からビームを出して消滅させるとは思わなかった。あれ、一体どうやって出したんだ?」

「知らないわよ。その、なんていうか、こう、ノリで、ビームが出たら良いなって思っただけ。そしたら本当に出たんだもの。ゴバーって」

「とにかく私達はひっそりとこの世界を救ったんですよ。ニールさんもゾグさんも無事で何よりです。ですからほら、今日は取り敢えず帰りましょう。疲れたでしょう。めちゃくちゃになった研究室は明日どうにかするとして」

「幸い、機材に関しては何も問題は無いみたいじゃない。どんな奇跡よこれは。ああ、もう今日はさっさとシャワー浴びて直ぐにベッドに入る!」

「ニール、なあ、おい、ニールってば」

「なによう、手短にね」

「ああ、ええと、うん、その、ありがとう。もしあのまま僕が正気に戻らずこの世界をどうにかしていたら――」

「昼飯用のパン一週間分! 礼ならそれで良いわよ」

「なっ、お前」

「はいそれじゃあ今日は解散。また明日」

「ちょっと待てニール! もう一つ!」

「なあによう」

「お前の研究! 僕にも手伝わせてくれ!」


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「ああ、終いは雑だったけど良い幕の閉じ方じゃない? これもさ」

「うるせえ、途中で設定変えやがって畜生が」

「これはこれでありでしょう。あっちのニールってのがやったパターンで行くと後味悪くて閉まりがない」

「黙れ黙れ、だーまーれー、たまにゃあスプラッタもホラーもパニックも見たいんだっつーの! ファミリー映画みたいにしやがってクソッタレが。大体男に設定したのだって媒体にされたからには二度と元には戻れないようにしたんだぞ。万が一虫が抜けても、虫が抜ける際に正気を根こそぎ喰って視界に入った者を全て噛み殺すようにしたのに。脳みそ喰ってパワーアップもするんだぜ! それがなんだ! 巴投げで往復ビンタにビーム! あのアマ、口からビーム吐きやがった! クソッタレ!」

「たまに聴くよ、霊長類がビーム吐いてるのをみたって」

「んな訳あるか! 俺の入れた情報が綺麗さっぱり消去された後にバックアップ拾ってきて元に戻す都合の良いビームなんて聞いたことがねえ! テメエの仕業だろうに!」

「考える事ややることが野蛮なの。ほら見なよ幸せそうに笑ってるよ? 良いことした後は気分が良いね」

「チクショウ!」


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