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アリアンロッドシナリオ 『別次元の英雄』

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別次元の英雄

#オープニングフェイズ#

【シーン1】
貴方たちの所属するギルド『究極のペガサス』は王女レティシアのもとで馬車馬のように働いていた。
盗賊の小競合い、ちっぽけなモンスターの出現。そんな細かな依頼を難なくこなす毎日だ。
安堵、そして落胆の意味を込めた濃い溜息を漏らし、静かに深呼吸。後にゆっくりと目を閉じる。
そうだ、違うんだ。こんなことをしたいんじゃない。
瞼の裏に移るは数週間前の出来事。『邪毒のエンドゥワ』、『千変のエレアード』、そして『ミストサーペント』と戦った日々。血肉踊るバイオレンス&ショッキング、そんな日々をしんみりと思い返していた。

英雄扱いを受けていたのもたった数日のことで、当人を忘れて人々は町の平和を謳歌していたのであった。



【シーン2】
「よう(PC1)、なんだか辛気臭い顔してるじゃないか」
聞き覚えのある声に気づき重たい頭をあげると、そこには龍の骸骨亭の店主、ガウルテリオがラム酒のボトルを開けつつゆっくりと近づいてきているではないか。彼にはミストサーペントを討伐する際に力になってもらって以来顔も合わせていなかった。

「勇者様がそんな顔をしてると町の奴らも不安になっちまうぜ?」
ガウルテリオのささいな言葉に貴方は訳も分からず泣きそうになる。

「あんたに平和は似合わないな。いっそどこか遠い場所に旅でもしたらどうだ。探しているもの・・・いや、探すべきものが見つか――」


それは瞬きをするかの如く一瞬の出来事だった。自らの身体の回りが青白い光包まれたのを目視したその刹那、世界は白い闇に包まれた。この時に貴方の脳裏には同じギルドのメンバーの顔が無意識のうちによぎった。

同時刻、他のギルドメンバー達は眼の前にうっすらと(PC1)の姿が見えたかと思うと同様にその光の中へ引き込まれていった。


【シーン3】
気がつくとあなたはぼんやりと薄暗い小屋の中にいた。周りを見ると同じギルドメンバー達が自分と同じようにあたりを見渡しているを確認できた。そして、

「はて…、元素の混沌を辿って新たな使い魔を召喚しようとしたのだが、一体全体お前達はなんだ?」
エルダナーンに良く似た種族の少女が腰まで伸びた白い髪を風のように靡かせながらゆっくりと近づいてきたのであった。




#ミドルフェイズ#

【シーン4】
「その格好、お前達ここらの――いや、この世界の者ではないな?」
「なあに、元素の混沌の流れを見ればそれくらい分かる。その流れは我は長年生きてきたが見たことがない。同時に我には及ばぬが戦いには少々なれていると見た。違うか?」

只ならぬ殺気の様な者が辺りを包む。
さて本シナリオ初めての判定だ! 気張っていこう!


(精神判定:難易度12 対象:全員 失敗者4人以上で失敗)

『成功』少女の機嫌カウンターを一つ増やす
「ほう、たじろぎ一つせぬか。こりゃ少々見くびっていたな」
少女はしなやかな指で自らの顎をすりすりとしながら「それで?」続ける

『失敗』
耐え切れなくなった貴方達は思わず一歩下がって少女から目を逸らしてしまう。
「なんだ、我の威圧とは言え、こんな童子の姿を恐れるとは情けない」
少女は飽きれた様子でやれやれと溜息をつき「それで?」と続ける


自分の生立ち、そしてどのような肯定でここにきたかを白い髪の少女に伝えた。

「ふむ、火の時代にエルーダン王国。そこで国を平和を守るための活動か。中々に興味深い」
少女は不適に笑いながら話を続ける。
「元々使い魔の召喚というのは対象の欲求を魔法で感情を上乗せして引っ張ってくるに過ぎない。言わばちょっとした切欠を与えて引っ張ってくるようなものなのだが……、この中に争いを望む様な輩がいるのか?」

ホラ、(PC1)さん! 物語を構築する過程で成り立ったキャラ付けとは言え貴方のことですよ!

「腑に落ちんがまあいいとしよう。ああ、紹介が遅れたがここはジキーマの町。人口の9割がハーフエルフで構成された町だ。数年前に忌々しいゴブリンどもに町の存亡の危機まで追いやられたがなんとか立ち直り今は平和そのものだ。しかしまたこの町もまた新たな危機に面して……ん、なんだ疲れているのか?足元がおぼつかないみたいだが」
なるほど、言われてみると確かに頭がくらくらする。これも召喚の影響だろうか。

「おいヤーベック!」
「はいっ、下僕6号、ただいまここにッ!」
少女に呼ばれるとどこから沸いて出たのか男が部屋の隅から飛び出してきた。

「興味深い者達が我らがジキーマの町にお出でなすったぞ。今日はお前の宿に泊めてやれ」
「はっ、はい、承りましたッ!」

なんだか濃厚な関係が覗けるがノー突っ込みで方向で行こう。

「遠き地の旅人よ、今日はゆっくり休め。そして明日またここを訪れるがいい。特に争いを好むのならな。フフッ」

貴方達は下僕6号のヤーベックと共に少女の小屋をあとにした。


【シーン5】
翌日の早朝、寝ぼけまなこな貴方達の脳内に何かが響く。これは一体……?

(感知判定:難易度9 対象:全員 失敗者2人以上で失敗)

『成功』少女の機嫌カウンターを一つ増やす
「気がついたか」と少女の声が響く。こ、こいつ直接脳内に!?
「では手短に用件を述べよう」

『失敗』
「気づくのが遅いぞ脳筋めが」と少女の声が響く。こ、こいつ直接脳内に!?
「……まあいいわ、では手短に用件を述べよう」

「ちと大変なことになっている。このまま話しを続けても構わないがお前達の頭に負担が掛かってしまう故やめておこう。そうと分かったらさっさと我の所まで来るのだ。さあ、早く!」
どうやらお急ぎの様子これは早く行かねば。


【シーン6】

寝起きで駆け足。脳に酸素が上手く行き届かず貴方たちの頭はふらふらだ。

(筋力判定:難易度10 対象:全員 失敗者2人以上で失敗)
《注意》筋力に自信がない者に対しておぶる、手を引くというのもあり。

『成功』少女の機嫌カウンターを一つ増やす。
貴方達は俊敏に少女の家にたどり着くことができた。
「お、意外と早かったじゃないか。いい心がけだ」

『失敗』
なんとかたどり着いたがへとへとだッ……!
グロッキー状態の貴方達は吐きそうになりながらも小屋についた。
「なんともだらしないな。ほら早くこちらに来い」



【シーン7】
「どれ、では早速始めるとするか。まず数年前の出来事だ」
「昨晩言ったとおりこの町は一度卑劣なゴブリンどもに襲撃された。その危機を救ってくれたのが数人の旅の英雄だった」
少女は懐から透き通るような黄色の鉱石を取り出す。

「そこでその報酬として我らの町の特産物であった『アキラティクス鉱石』をその英雄に与えたのだ。しかしこの鉱石は、負のエネルギー体を蓄積するという特性があったみたいでな。そのエネルギーの蓄積量が一定値を超えると付近のものを一時的に魔族化させてしまう呪いのオーラを放射するのだ。その呪いを解く方法はいたって簡単で強い衝撃を与えて気絶させればいいのだが……」
うーむと小さく唸りながら少女は再び口を開く
「どんな作用があったか分からないがドワーフ族に対してこの呪いが増幅するみたいなのだ。他の英雄達は我の下僕どもが叩いて直したのだが、ドワーフに限っては返り討ちにあってな。奴を町の近くにある洞穴に封印したのだが、どうやらその封印も今朝切れてしまったらしい。奴は己の力で兵を生み出し目に入るもの全てを破壊するつもりだろう。仲間の英雄達は『あ、治ったら呼んでくださいね』とまるで他人事だ」

少女は顔を上げ貴方達を見る。
「あとは分かるな? そもそも我の召喚術に共鳴したのは誰だ? 望んでいるのだろう、争いを」
「無事帰ってきたならお前達をもといた世界に帰してやろう。……ちなみにこれは交渉ではない。ある意味での脅しだ。分かるか?」

反応を聞く。反抗すれば少女の機嫌カウンターを一つ減らす。

「分かればいい、それと……」


(機嫌カウンター判定 幾つあるかで報酬変更)

『0個』報酬なし
「いやなんでもない」

『1個』報酬あり (祝福された朝露)
「ほれ、我のありがたい祈祷が成されたものだ。大事に使え」

『2個』報酬あり (禍々しい指輪*5)
「研究に使っていた搾りカスみたいなものだが、少しは役に立つかも知れん。」
「どれがどの効果だったか……、まあいいだろう。一度つけると一日経たねば外せないから注意しろ」

『3個』報酬あり (祝福された朝露、禍々しい指輪*5)
「お前達には期待している。これを持って行くがいい」


〔報酬アイテムの説明〕
『祝福された朝露』:シーンとシーンの境目で使うことができる。全員のHPとMPを1d*10回復させる。6が出た場合、全員に2Dの貫通ダメージ

吸い込まれるほどに透明な液体が入った小瓶。
貴方の達の信仰の強さによって回復量が変わる。しかし時によっては信仰など運の様なモノであり、絶対ではないのだ。欲張るものに対しては天罰が下ることもしばしば。少女の手を離れた今とても不安定なものになっているらしく、「できれば今日中に使ってもらいたい」とのこと。

『禍々しい法具』:このシナリオ限定のゲッシュを習得する。一度使用を宣言すると一日は外せない。

『金メッキの腕輪』
あら貴方にぴったりな腕輪。このシナリオ中ひと時のお洒落を楽しみましょう。これがアタリなのかハズレなのかは貴方次第であります。
[効果] 特に無し

『IFS2ドライブ』
インスタントファイヤースターターシステム。法具を装備したとたん、貴方の胸の中から機械的なキュルキュルという何かの起動音が響く。貴方はヒーローの宿命を背負う。クライマックスは貴方の見せ場。カマシテやれ!

[制約]
ヒーローとは孤独であるべきだ。効果を使用するまで詳細を仲間に言わない。
ヒーローに必殺技は不可欠だ。シナリオ中に必ず効果を使用する。

[効果]
メジャーアクション。HPを1にする。1シナリオに1回。
このターンこのスキル以外の行動はムーブアクションしかできない。発動時呪文を詠唱する。

「IFS2ドライブ、起動ッ!」(立ち上がり右腕を胸の高さまであげて決めポーズ)
(比較的高い声で)「説明しよう! IFS2ドライブとはインスタントファイヤースターターシステムの略称で自身の体力と引き換えとして、一時的に肉体の強度や筋肉の収縮運動、反射神経等を常人を凌駕する数値まで底上げすることができるのだ!」
(別の決めポーズをしながら)「今だ!決めてやる!超必殺『自分で考えよう』!これで終わりだ!」

このターンの命中判定を自動成功にし、ダメージロールに+50し「貫通」を得る。

[天罰]
このシナリオで貰える成長値を-10する。

『鶴の一声』
貴方が指さしゃ皆が着いて来る。貴方の発言は周りを導く。

[制約]判定に自分は加わらない。
[効果]貴方が他のメンバーに対して言った(判定に関係することに限る)事は可能な限り実行する。
[天罰]自分の判定値に-5する

『野生の心』
かつての野生が自分に宿る。

「制約」
ダイスロールをする。1~2なら犬、3~4なら猫、5~6なら兎とする。ヴァーナならば自分の種族の動物になる。
発言の際、犬なら「○○だワン」、猫なら「○○だニャン」、兎なら「○○だピョン」のように語尾を加える。
その他唐突に「ワオーン!」など雄たけびをあげてもよろしい。

[効果] 回避判定ダイスロール後にHPを5消費することによって+2dする
[天罰] その動物の特徴的な行動をする。


『漆黒の闇に永遠に幽閉されるものの外的な知性』
貴方の精神はヨグソトースによって蝕まれる。

[制約]精神状態の通りの行動をする
[効果]シーンの開始時に2dでSUN値判定を行う。値によって下記の表に対応した精神状態となる。
    2 『発狂』 全ての判定に-3d 自分の番が来るまで常に唸りながらのたうちまわる
    3~5 『不安』 全ての判定に-1d 自分の番が来るまで頭を抱えつつ息を荒げる
   6~11 『平常』 ステータス変化無し
    12 『躁』  全ての判定に+2d 自分の番が来るまでうっひょうする。
[天罰] 直ちに『発狂』状態になる

 
「洞窟はこの町を東に抜けてすぐの場所だ。道案内するまでもない」
「奴の名はパウロ。呪われしドワーフの魂を開放してやってくれ。……任せたぞ異世界の勇者達よ」
少女の微かな笑い声を背負いあなた達は洞窟に向かった。





【シーン8】
洞窟だ。紛れも無く洞窟だ。なにやらぬめぬめしているけど洞窟だ。




【クライマックスシーン】
うじゅるうじゅると粘液質の物質が擦り合うような音が聞こえる。音の先に視線を向けると人型の肉の塊から這い出た触手がゆらゆらと蠢いた。どうやら先ほどから聞こえる音はこれからだったらしい。肉塊から這い出た触手達はあなた達の存在を察知したのか先端を重たい鎌首のように擡げシューシューと奇怪な音を出しながら貴方達に襲い掛かってきた。

アキラティクス鉱石が一瞬強い光を放ったかと思うとまとわりついていた触手はボロボロと炭化していき、肉塊の中からドワーフが一人でてきた。どうやら気絶しているみたいだ。

「お、やってくれたのか」
その時である。死闘を繰り広げたばかりの貴方達の前に屈強な男と細身の盗賊が現れた。
ガタイの良い男は続ける。「こいつは元々私達の仲間だったんですが…まあ、ご覧の通りの有様な訳です」
「こっちとしては早急に成し遂げなけりゃならない依頼もありまして、とりあえず放置だったんですよ」
そう言いながらパウロの頬をバシバシと平手打ちを繰り返す。
「ダメだな完全にのびてますね…。まあいいです。世話になりましたね。一足先に私達は行くとしますよ。ジキーマの連中に何を言われるか分からないのでね」

そう言いながらがたいい男と細身の男はパウロを担ぐと急ぎ足で洞窟を出ていった。


(終わったようだな)
突如脳内に少女の声が飛びこんでくる。
(慌てるでないわ、簡単なテレパシーみたいものだ。まあ…・・・、またしてもこの町は脅威から逃れられたという訳だ。町の輩がお前達の帰りを待っているぞ。フフッ、早く帰ってくるがいい)






アリアンロッドって今もまだあるのでしょうか?
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