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9話-呪いの世界

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これが答えだったんだ。
"世界"は戦いの証・・・・

++
「狙いがわかったらぶっ潰すのみだ」
俺は言ってやったさ。
あんなふざけた奴等の計画なんかぶっ潰してやる
「紫から黒まではたいした時間はかからないだろうな」
石川もタイムリミットは近いことを認識した。
まだ、
奴等の企みは終わったわけじゃないんだ
「どうしてくれんだよー。
 これで俺の今までの生活にもおさらばじゃないか」
どんな生活だ?鑑。
「俗に言うニート」
ああ。そうかい。そりゃよかったじゃないか。
さて、此処までわかってんだ。
奴等の企みがわかってるんだ。
阻止するのは簡単・・・じゃないだろうな。
「なぁ石川よ。
 "怠惰"なんていってたが、あれは何だ?」
石川は思い出したように
「あれか。
 あれは厄介だぞ。
 "怠惰"っていうのは"罪"だ、
 強い"力"を手に入れたことによって
 受けてしまった反動・・・
 "力"は無限じゃないんだよ。
 "怠惰"ってのは強さの証明だとおもっていいだろう。
 たぶん。7人いるんだろう。
 "怠惰""嫉妬""暴食""色欲""強欲""傲慢""憤怒"
 キリストの用語で"7つの大罪"
 "罪"というより"罪"に導くであろうと
 疑われてきた感情を指す」
ほほう。なぜそんなに詳しいんだろう
「最近の通信技術はすごいのだよ」
へぇ。
「仮にさっきあった"怠惰"について。
 呼ぶのが面倒な名前だったよな。
 あいつに名前を与えるならば。
 "ベルフェゴール"だな。
 どういうことかって言うと
 大罪にあてられた悪魔の名前だ。
 キリストとの直接の関連性はないんだったかな・・・」
妙に詳しいな。調べたにしても。だ。
っていうか余計面倒じゃないか。名前。
「いやぁ。面白いじゃないか。こういうの」
お前の趣味かよ。
知らんぜ。
「さて。本部には戻りたくはないな。
 私はいくあてがある。
 霧徒は鑑のとこでいいだろう。
 問題は、唯可。どうするんだ?」
唯可は戸惑っていたが。
「私も鑑のところに泊まらせていただきます。
 変なキリストオタクのところはゴメンです」
あーぁ、いっちゃった、
この人とんでもない猛毒吐くな。
面白いからいいんだが。
肩を落とした石川はとぼとぼと帰っていった
俺等も帰るとするか。
って
「「どうやって?」」
歩いて帰っていた石川についていくことにした。
++

**
日はとっくに暮れて
夜が来た。
私は家でくつろいでいたんだが。
プルルルル
と電子音が鳴り響く。
電話・・・?
だれだ?
「もしもし。石川だ」
しばしの沈黙
「・・・新琴です」
なんだ唯可か。
苗字久々にきいたぞ。
酷い話だが。
「何だ?どうかしたのか?」
珈琲を用意していたのだが、
真剣な話と身構えて飲めなかった。
「いえ。問題ではないのです。ただ・・・」
なんだろう。まぁ、お気楽ではない。
そして大問題でもない。
個人的な話だろう。
珈琲を飲む
「うん?」
「先ほどは失礼しましたっ!!!!」
ガチャ
ツー。ツー。ツー。
思わず珈琲を噴出した。
ものすごい勢いで。
なんだ、あのことを気にしていたのか。
冗談だとはわかっていたから気にはしていないのに・・・
にしても。
恥ずかしがっていたのだろうなぁ。
くっくっく。
面白い。
受話器を置いた。すると
プルルルルル
またか。
「もしもし。いしか・・・・」
「よっ!石川!
 面白いだろッ!!」
霧徒。お前か。首謀者は。
「はっは!
 謝りたがってたんだ~。唯可。
 だからかければいいじゃないかっていったら
 この有様。
 恥かしがり屋だったんなら教えといてくれよ石川~」
私も今知ったさ。
「これは面白い。面白がっちゃ駄目なんだろうがな」
派手に噴出してしまった私は何もいえない。
「じゃ、切るぞ。それだけならな」
「まった。まった。
 用件がある」
ただの道楽だけではなかったんだな。やはりか。
珈琲をおく。
「あいつら、また攻めてくるだろう。
 だったら連絡の手段は持っとこうと思ってな。
 "無言伝令"意外に早く伝達する。しかも簡単な奴。
 なんかないか?」
なるほど。
ようするにエマージェンシーサインか。
「あるぞ。"危険報告(エマージェンシーサイン)"
 やり方は簡単だ。お前はイメージするだけで出来るんだろう?」
ああ。と霧徒はこたえた。
「ならば、イメージとしては。
 "危険のときに感じる嫌な感覚をあいてに飛ばす"
 で十分だ。
 1度やってみせる、いくぞ」
んっ・・・・
"力"を行使する。
「うわっ!何だこの感覚!
 これは・・・・寝てても跳ね起きるな。
 じゃ、やってみるぞ~」
しばらくして背筋にゾクゾクッとした感覚が。
これが"危険報告"だ。
「これでもう十分か?」
「ああ、十分だ。話せて安心できたしな」
なるほど。やはりそこは子供か。
「いや。ただお前が死んでないとわかったからなっ」
大笑いしてやがる。
この糞餓鬼め。
「じゃぁな!」
ブツッ
ツー。ツー。
受話器を置いて珈琲を飲み干す。
さぁ、明日からは対策を練るとするか。
**

++
唯可だけ個室。
残りの俺と鑑は雑魚寝。
「では。良い夜を」
このお方は礼儀正しい。
さっきの顔真っ赤にしてパニくっていたのと
同一人物なのだろうか
「なっ。思い出さないで・・・・
 忘れて・・・・・・」
相当恥かしかったらしい。
これは酷いことしたかな。
「なーんて」
また・・・・
とんでもない人だな。
「では」
とここで鑑が
「淋しくなったら一緒に寝てやるぜ?」
思わずおれは噴出した。
「ぶはっ!なんてこといいやがる!」
唯可はそれには落ち着いて
「さびしくなんかないですよ。
 それに淋しくなったら
 霧徒と寝ますので」
ちょっとまて。
それはそれで・・・・
「冗談です」
わかってます。
でもあれですぜ。
年頃の男子というのはそういうこといわれると・・・
「わかってます。それも含めての冗談です」
性質(たち)がわるい冗談ですね。
全く。
「霧徒ー寝るぞー布団敷け~」
そうだな。いつもなら夜更かしできるのに今日は疲れたや。
「おうよーふぁ・・・・」
あくびが出た
「すごい大あくびですね。これはいい写真がとれました」
唯可・・・なにしてんだ?
「盗撮」
違うだろ。そうじゃないだろう。
「反撃開始」
ああ。そうですかい。
根に持たなくても・・・・

兎にも角にも。
これでひと段落だ。
あとはあいつ等をぶっ潰すために明日からはあるんだ。
思いどうりにはさせないぜ、
やろうども。覚悟しろっ!
なーんて。
++

##
「さて。ひと段落ですかね?」
"強欲"がいった、
「まだおれは何もしてねぇよ。はやく殺らせろ」
"憤怒"がいう。
「それよかなんか食わしてくれ。俺はもうはらへった。
 あいつの魔力。うまいのかなぁ・・・」
"暴食"の嘆き。
「ただ、彼にはまだまだがんばってもらわないと」
"色欲"。こいつだけは理解できないな
「十分じゃん?作戦はいいかんじに進んでる。
 イレギュラーを含めても」
"傲慢"は計画表とにらめっこ
「あとはまかせる。もう俺の出番はおわりだろ~ぉ?」
"怠惰"。お前はやる気なさ過ぎないか?
「出番いいなー。うちの出番まだ~?」
"嫉妬"よ。ねたみは味方に向けるな。
「じゃ、ま、はじめてくれよ」
俺は言った。

さて、"七罪"の会議が始まる。

##


・・・
ひとまず。この話は終わりにしようか。
でも。まだ終わっちゃいないんだ。この話は。
この続きは、"戦い"へとつづく・・・

1章 ~完~
2章 "戦い"へ。
10

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